NEWS 2016.11.15 インターネットが新しくする車との付き合い方

自動車は通勤や子どもの送り迎え、買い物など、生活の至るところで欠かせない存在になっています。自動運転や事故防止のための自動ブレーキなど、技術革新も進んでまいりました。私は普段は車を運転しないペーパードライバーですが、旅先でレンタカーを借りるたびに、車の進化に驚かされます。

そんな新時代の車が、インターネットにつながることで、さらなる変貌を遂げています。ここでは、その未来像を少しだけご紹介いたします。

ビッグデータを使って自動車保険が安くなる!?

インターネットにつながる車は「コネクテッドカー」とよばれ、2015年あたりから一般的になってきました。総務省の平成27年度版情報通信白書では、2025年には世界で6000万台を超える車が、インターネットにつながった状態になると予想されています。

主な用途は「データの収集」と「データ(情報)の配信」です。

「データの収集」はすでに、さまざまな形で取り組みが開始され、実際のビジネスで利用されています。

身近な話としては、ソニー損保は計測された加速度測定データに基づき、計測結果に応じて保険料をキャッシュバックするというソリューションを始めています。また、あいおいニッセイ同和損保は、トヨタ自動車の「T-Connect」という、インターネットに接続されているカーナビを用いて、そのカーナビデータによって保険料を決めるという取り組みをスタートしました。

これらの取り組みの共通点は、保険契約後の各人の振る舞いによって保険料が決まることです。クラウド上にデータを保存することで、個人の動きを追跡し、正確な状況把握ができるようになりました。これによって運転手のクセや運転傾向を把握し、事前に事故を防止することが可能となっています。

ソニー損保
T-Connect

データの配信で、車はより安全に、より快適に

インターネットを通じ、車はデータセンターとつながり、さまざまな情報をリアルタイムで受信することができるようになりました。

例えば、こんな情報が運転中にリアルタイムでドライバーに知らされます。

  • 周辺地域の情報のリアルタイム取得(近隣のお店、交通情報、天候情報など)
  • 車自体の状態の共有(機器の不備など)

利便性はもちろん、安全面ではこれまで定期点検でしか分からなかった車の不備にすぐ気づくことができるのが画期的です。また、道路状況についてもリアルタイムで情報を把握できるのはドライバーにとってはうれしい限りですね。

その他にも自動車事故発生時の通報や、盗難車の追跡など、さまざまな用途での利用が進んでいます。

すでに実用化への動きも始まっており、トヨタ自動車は大手IT企業のSAPと組んで、ドライバーの給油作業を簡略化するプロジェクトを発表しています。

この仕組みでは車のガソリンの残量がデータセンターとつながり、適切なタイミングでカーナビの画面から給油を促し、最寄りのガソリンスタンドまでの道をナビゲーションします。支払いなどの手続きも移動中に行えるため、ドライバーはガソリンスタンドで給油するだけ。このように運転にまつわるさまざまな作業を、インターネットとつながることでどんどん簡略化することができます。

トヨタ自動車
SAPジャパン株式会社

有力メーカーも次々と参戦

前述のトヨタ自動車の取り組みは、自動車各社の「コネクテッドカー」プロジェクトの、ほんの一部です。

トヨタ自動車は他にも、自前のデータセンターを設立することを発表し、収集したデータを製品開発やサービス提供に生かしていく方針。車に搭載する通信機(DCM:データ・コミュニケーション・モジュール)も、これまでは高級車に限定されていましたが、2019年までに全車種に標準装備していくことを目指しています。

ホンダはソフトバンクとタッグを組んで、AIを搭載した「コネクテッドカー」の研究に注力。運転中の音楽選びを車が助言したり、駐車のナビゲーションを車自身が声を出して指示したりと、車と人との心の距離を、AIを介して縮めようとしています。

「コネクテッドカー」の登場を機に、新たに市場に参加する企業もあります。GoogleやAppleは自動運転車の開発に取り組みを始め、国内でもDeNAが2015年にDeNA Automotiveという自動車産業に特化した子会社を設立。インターネット企業側は運転時の利便性と、インターネットの使いどころという自分たちの強みを生かしながら、これまでの車メーカーに対抗していくようです。

Honda
ソフトバンク
Google
Apple
DeNA Automotive

利用意向も少しずつ高まり、総務省の調査では過半数を占めるユーザーが「利用したい」あるいは「利用を検討しても良い」と答えています。かつてSFの世界で語られてきたような夢の乗り物が現実になるのももうすぐ。期待して待ちましょう。

 

TEXT:服部丈
Image via. Thinkstock / Getty Images

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