ニュース

2017.07.20 【20代のリアル】デジタルネイティブ世代は、セキュリティー管理を考えている?座談会で調査してみた

私たちの生活を便利にしてくれているスマートフォンとインターネット。しかし便利な半面、そこには危険も潜んでいます。ネットのセキュリティーといえばランサムウェアやハッキングなどを思い浮かべるかもしれませんが、それだけではありません! 芸能人のLINEや裏アカウント流出など、日常的に利用しているSNSからの個人情報漏洩の対策もセキュリティーの一部です。 そこで今回はデジタルネイティブ世代の男女6人に集まってもらい、彼らなりのセキュリティー意識がどのようなものなのか調査してみました!

【参加者プロフィール】

戸田:20歳男性。大学4年生
SHO:25歳男性。社会人
アイ:20歳女性。大学4年生
ムサ子:20歳女性。大学3年生
MA:28歳女性。社会人
サチ:28歳女性。社会人

 

参加者プロフィール

メインのSNSはTwitterとInstagram。Twitterは複数アカウントが当たり前

今回参加した6人中5名がTwitterとInstagramを日々活用。Twitterは5名全員が複数アカウントを持っているのが印象的でした。気になるその使い分けとは?

ムサ子:日常アカウントの他、自分の作品をアップするアカウントを持っています。どっちも個人情報は出さないので鍵はかけていません。

MA:私も普通のアカウントと、「怨念をつぶやく専用」のアカウントを持ってます。後者は誰からもフォローされていない鍵垢で一人だけの世界。自分の周りの人たちをフォローしている謎のアカウントからフォロリク*1 が頻繁に来てちょっと怖いんですけど。

サチ:私は3つアカウントを持っています。普通のアカウントの他、ネトスト*2されていた相手の監視用にサブアカウント*3を持っていてローテーションして使っていました。気付かれたのか、結局ネトスト側が鍵をかけて終わりましたけど。

SHO:サブ垢は情報集める用ですね。本垢でいろんなアカウントをフォローするとタイムラインが埋まるし、リスト*4を作るのも面倒なので。サブ垢で元カノのツイートを見たりとネトストチックなことをしたことありましたけど、間違ってふぁぼったり*5するのも嫌なので本垢では見ないですね。

  • *1 フォロリクとは、フォローリクエストの略。Twitterで非公開アカウント(鍵アカウント)を利用している場合、誰でもフォローすることができるわけではありません。例えばAさんが非公開アカウントでTwitterを利用していた場合、BさんがAさんをフォローしようとすると、BさんからAさんへフォローリクエストが通知されAさんが承認をすればBさんはAさんをフォローすることができます。
  • *2 ネトストとは、ネットストーカーの略。ネット上でのストーカー行為を行う人のことです。
  • *3 サブアカウントとは、普段使っているアカウントとは別のアカウントのこと。略してサブ垢と呼ばれることもあります。反対にメインのアカウントは本垢と略されることも。使い方としては、メインで使っているアカウントは学校の友人たちと繋がる用、サブアカウントでは○○という俳優さんのことを好きな人達と繋がる用というように使い分けをすることがあるようです。
  • *4 リストとは、Twitterの機能のひとつで、特定のユーザーを選び、その選んだユーザーのみのタイムラインを作ること。公開範囲を選ぶこともできるので、自身にしか見ることのできないリストというものを作ることもできます。
  • *5ふぁぼとは、Twitterでの「いいね」をしたということ。投稿者に通知が飛ぶので、この場合だと元カノにTwitterを見ていることがバレてしまうことを懸念してサブアカウントで見るようにしているようです。

位置情報も要注意

MA:鍵をかけてないアカウント*6だと誰でも見られるからネガティブなことは言わないようにしています。会社のことも書かないですし、何か誤解されそうなことも言わないようにしています。

MA:オジサンやオバサンが写真に位置情報*7つけてアップしているのは本当に見ていて危ないなと思いますね。自分の父親が「Instagramやりたい」と言い出したので「絶対にやめたほうがいい」と止めました。私に子どもができたら絶対にその辺の教育はちゃんとしようと思っています。

  • *6 鍵をかけていないアカウントとは、非公開になっていない状態のアカウントのことです。
  • *7 SNSでは投稿する際に、位置情報もあわせて投稿できることが多い。それによって、投稿者がどこで投稿することが多いのか? などを調べることで生活圏内が浮き彫りになってくることもあるので注意が必要です。

写真のアップロードひとつで友情が壊れる?

サチ:Instagramで美味しいお店に行った時の写真なんかは、誰と行ったのかを特定されないように時間差でアップするようにしていますね。それとどこかへ行く予定があっても、別件で他の人に誘われたのを断っていたらその日に写真はアップしないです。

アイ:私はそれで「私誘われてない…」って思ったり、逆に自分がそういう写真をアップした時に「なんで誘ってくれないの?」って聞かれたりして、そういうのが面倒でInstagramもTwitterもやめてしまいました。

1つのSNSアカウントがバレれば他でもバレる? InstagramとFacebookの連携は厳禁かも。

1つのSNSアカウントがバレれば他でもバレる? InstagramとFacebookの連携は厳禁かも。

SHO:Instagramって検索のところにオススメ写真やストーリーが出てくるけど、あそこで見たくない人の写真が出て来たりするのが嫌ですよね。別れた恋人の写真とか、見ようとしてないのに出て来ちゃう。あれで思い出したくないことを呼び起こされて、心が死んだ人が何人いることか…。

MA:一度InstagramとFacebookを連携*8したら、連携を解除してもずっとFacebookの友だちがおすすめユーザーなどに出てくるようになった。多分相手にも自分のアカウントが表示されているだろうし、もしInstagramとFacebookで交友関係を分けたいんだったら絶対連携しないほうがいいと思う。

サチ:ほとんどの人はTwitterとInstagramを同じIDで使っているからアカウントの特定は本当に簡単。それとみんなで仕事の場で美味しいものを食べたりした時、その人が写真撮ってるなと思ったら、その食べ物の名前とかハッシュタグとかで検索すると高確率でアカウント発見できます。

SHO:あ~! それやる!

MA:私は友だちの写真にタグ付けされて特定されたりしましたね。たまにIDを教えてないのにタグ付けされたりしてることもあります。

  • *8 連携とは、たとえばInstagramで写真をアップした時に、それをそのままFacebookに投稿してくれる機能のことです。それによって、投稿したユーザーのInstagramアカウントがわかってしまうことがあるそうです。

メッセージアプリはLINE強し。でも、相手によって使い分けるのが基本。

話題はTwitterやInstagramなどのSNSから、不特定多数ではなくマンツーマンを基本としたやり取りをするメッセージアプリへ。みんなどんなツールでコミュニケーションしているのでしょうか?

MA:恋人とはiMessageでやり取りしてます。彼が仕事の連絡用にLINEを使っていて、休日はそっちの通知を切るのでiMessageの方が便利なんです。

サチ:仕事はFacebookが多いですね。友だちとはTwitterのリプライでやり取りして、具体的に日時を決める時はLINEに移動します。私はLINEでは仕事の人とつながりたくないですね。内容が検索できないので仕事のやり取りには不便ですし。その辺Facebookメッセージだと検索できるので便利です。ややこしい話はメールでお願いするようにしていますけど。

戸田:だいたい全部LINEでやってますね。

アイ:仕事はメールで、あとはLINE。Facebookはインターン先の人と友だちになるのに使っています。

メッセージアプリのスクショは全員経験あり! いったいなぜ?

ムサ子:「こんな発言、ありえない!」っていうのを撮ったりしますね。前の彼氏の時は、やりとりをスクショ*9して友だちに回して「これはひどい!」って全員で話題にしてスッキリしたりしてました。好きな人からのLINEのスクショを友人たちのグループに回して、交際ができるようにどうすればいいのかアドバイスをもらったりとかもありましたね。

戸田:iPhoneは最近シャッター音無しでスクショが撮れるようになったので、それからスクショの回数は増えましたね。

サチ:私は好きな人からLINEが来たっていう通知の段階でスクショしてます。嬉しい瞬間を撮ってる感じ。

SHO:通知の瞬間がいちばんテンション上がる(笑)あとは好きじゃない女性から言い寄られた時に、それをスクショして友だちに送って「さらす*10」ことが多いですね。付き合っている相手の場合は、彼女が可愛いこと言ってきたら撮っちゃう。カメラロールを見返した時に「あ♡」って。

MA:写真アプリのスクショフォルダだけで3000枚ありますね。Instagramのストーリーとかのスクショ撮ってるし。

  • *9 スクショとは、スクリーンショットの略。スマホの画面をスクリーンショットすることで、画像として保存することできる。
  • *10この場合、直接メッセージのやりとりを行っていない人に対して、メッセージのやりとりのスクリーンショットを送り「こんなことがあった!」と伝えることを指しています。

逆に自分がスクショされている可能性については?

SHO:だから、本当に大事なことは直接会って話すようにしています。

MA:私は言質とられるので、そういうことは文字にしないですね。喧嘩もLINEでしちゃダメ。それをスクショされることで、どんな風に誰に拡散されてしまうのかわからないし、怖いから。

好きな相手のアカウントを探すのは当たり前。

 

そして座談会最後の話題はみんな気になる「恋愛」に。みんなどうやって気になる相手のアカウントを探しているのでしょうか?

MA:基本的に友人と繋がっている相手のことが多いので、Instagramのタグ付けから探しますね。あとはコメント欄の会話から気になる人のアカウントを推測したり。目星がついたら、フォロリクを送ります。

ムサ子:共通の知り合いの会話から発見することは多いですね。

サチ:実際に会っている人の場合は社交辞令としてFacebookで繋がって、そこから連携している可能性のあるInstagramへ。その後Twitterを探してリストに入れてウォッチ*11します。

  • *11 ウォッチとは、監視しているということ。上記リストに意中の相手や交友関係のある人物などを入れることで、どんな趣味でどんな交友関係なのか、交際相手がいるのかなど、監視することで対象の情報を得ることができる場合もあります。

好きな相手のアカウントを見つけてみてどうでした?

サチ:せっかく見つけたのに、やたらと自撮りを上げてて「つまんない…」とフォロー外したことあります。

MA:Facebookでシェアばっかりしてる人いるとか「うわあ!」って思うし、いまだにFacebookをメインで使っている人にもちょっと引く。他にも趣味を知ってがっかりしたこともあります。

サチ:mixi時代の話だけど「好きって言ってくれる人が好き」ってグループに入っているような自己顕示欲がすごい人はキツいですね。Instagramだったらハッシュタグ付けすぎて文章みたいになってる人とか。

SHO:SNOW*12 を使いまくってる女子もちょっと地雷感がありますね。
サチ:Twitterだとリプライ欄見て仲の良さそうな女性がいるとチェックしたりしちゃいます。

  • *12 SNOWとはカメラアプリのひとつ。顔認証システムが搭載されていて、画像に写っている人の顔にネコ耳などのエフェクトを自動で反映してくれるアプリです。

DMナンパやおじさんLINE*13って実在するの?

MA:顔写真をSNSに乗せてたときは来てましたね。高校生の時は、もてはやされたくて友だちと撮ってた写真とかアップしてたんです。でもある日DMで局部の写真送られてきたり、会いたいという内容のDM*14なんて証拠としてスクショできるのによく送って来られるなと思いますね。

  • *13 おじさんLINEとは、「おじさん」に共通して見られる、句読点の多さや、顔文字の乱用、○○ちゃんは〜かな? となぜかお伺いをたてる、などおじさん特有の共通点があるメッセージのこと。
  • *14 DMとは、ダイレクトメッセージのこと。SNS上で個人間でメッセージのやりとりをする機能です。
DMナンパやおじさんLINE*13って実在するの?

MA:あとはおじさんLINEが話題になりましたけど、実際来ますよ。SNSのアイコンの写真を変えると「久しぶり(^o^)/」みたいな。めんどくさくて写真変えなくなりました(笑)

SHO:僕もDMでナンパされることはたまにあります。Instagramのおすすめ欄から見つけてフォローしてくる人がいるんですけど、相手の趣味と共通なものをアップしていたりすると投稿にコメントが来たり、ストーリー*15に自撮りを上げてたら「めちゃかっこいい」と言われたりするんです。Instagramのストーリーへのコメントって自動的にDMになるからやり取りしやすいですし、実際会ったこともあります。

  • *15 ストーリーとは、Instagramの機能のひとつ。24時間で自動で削除される動画や静止画をアップするkとができる機能です。

デジタルネイティブ世代は後悔する情報は公開しない!

一般的にセキュリティーといわれると、ウイルスや個人情報漏洩に対する対策などを思い浮かべることが多いと思います。しかし、デジタルネイティブ世代の捉え方はすこし違っている部分もあるようです。最初は好かれていたはずなのにSNSにアップしている情報から嫌われてしまうなんて、「じゃあSNSにはほとんど何も書かない方が良いのでは?」と思ってしまうような座談会となりました。

今回のデジタルネイティブたちの話を聞いて思ったのは「後悔する情報」を選別することの重要性。なんでも言えて、なんでも公開できるネットだからこそ、常識と安全性を考慮した情報発信が求められるということかもしれません。ウイルスやランサムウェアといった危険ももちろんですが、実生活に影響が出てしまうかもしれないSNSの利用の仕方にも気をつけて、節度を持ってネットやSNSを楽しみましょう。

TEXT:坂上春希

この記事を気にいったらいいね!しよう

PreBellの最新の話題をお届けします。

ページトップ