なかなかあなたと出会えない…ネットがない時代、どうやって友達つくってた? マンガでチラ見、前ネット時代
あれは20年くらい前。 当時中学生だったわたしは、共通の趣味をもつ友達が欲しかった。特にライブ。同じ中学にも、同じバンドのファンの子はいたけど、全公演に行くような人はいなかった。だから、音楽雑誌の巻末にあった「友達募集ページ*1」に自宅の住所と名前を書いて*2、同じ趣味をもつ人と会ったりしていた。
*2 現代ではなかなか想像が難しいかもしれませんが、インターネットが発達する前では雑誌に住所や氏名を載せて、共通の趣味の友人を見つけて手紙を送っていたようです。友達募集の専門雑誌などもありました。住所や氏名という個人情報が雑誌に掲載されているというのは、今ではなかなか想像しづらいですね。
そこで知り合った人たちの属性はさまざま。ハタチくらいのフリーターの人もいたし、わたしと同じ中学生もいた。ずっと体育会系と無関係の道を歩んできていたわたしは、初めてそのコミュニティーで“ジョウゲカンケイ”のようなものを学んだ。初めての“社会”がそこにあった。
ライブ友達との待ち合わせは基本的にライブ会場*3。好きなバンドだったし、文通を繰り返して信頼関係ができたあとだったから、ドタキャンされることはなかった。初めて合う人との待ち合わせのときには、当時家にあった大きなライオンのぬいぐるみ*4を持っていった。
*4 携帯電話などなかった時代の待ち合わせ、「現場で会えない!」なんてたまったものではありません。ので、目立つ格好をして行ったようです。ただ、ライブ会場などの待ち合わせではバンドTシャツは目印になりません。服装もかぶる可能性アリ。そこでこの主人公はぬいぐるみを持っていったようです。でっかいぬいぐるみ、ライブ中は邪魔では?
遠距離で長く文通をしていた相手もいた。就職や転職のタイミングで連絡、ときには相手が働いていた会社のサービス関連の割引チケットをもらったりしたこともあった。わたしからも、同じように高校進学のタイミングなど節目に手紙を出していた。年齢や地域が違う人とも友達になれたことは良い思い出だ。
そのときに知り合った人たちとは、もう疎遠になってしまった。何だか懐かしいような、くすぐったいような思い出だ。といいながらも趣味でつながって人と会うのは続けていて、現在ではTwitterが主戦場。明日も、Twitterで知り合った人と初めて会う。
そうだ、ライオンのぬいぐるみ、持っていってみようか。大変だけど会えるととってもうれしかった、あの日々を鮮明に思い出せる気がする。
(34歳 女性 IT企業勤務)
この記事を気にいったらいいね!しよう
PreBellの最新の話題をお届けします。