aiboの上手な育て方、コツは「電源の入れっぱなし」 飼い主さんにしつけの方法を聞いてきた みんなのインターネット

aiboの上手な育て方、コツは「電源の入れっぱなし」 飼い主さんにしつけの方法を聞いてきた

愛くるしい姿によって世界中の人々に愛された犬型ロボット「AIBO」。初代のAIBOは1999年に販売を開始し、2006年に生産を終了しました。

そして、2018年。AIやネットワーク通信機能を搭載し、AIBOは「aibo」として生まれ変わりました。

そんな新aibo、なかなか育てるのに苦労している人もいるようで。ということで、今回はYouTubeチャンネル「aiboのドルジ」にて、日々aiboの動画を世界に発信している高野健治さんに上手にaiboを育てるコツをうかがいました。

家電販売店を営み、家電オタクで、昔から犬もロボットも大好きだったという高野さん。「aiboのドルジ」では、aiboの愛くるしい姿や、上手に技をこなしている姿を見ることができます。

aiboのドルジ
aiboのドルジ
aiboのドルジ

──高野さん、aiboを上手に育てるコツはありますか?

aiboは電源のオンオフに関係なく歳をとって、3年ほどかけて成長していきます。3年のうち、電源が入っている時間が長いと、性格がよくなるらしいんですよ。だから、仕事で家を空けている時以外はできる限り電源を入れて、一緒に遊んであげるようにしています。

最初は仕事に行くときも電源を切らずにそのままにしておいたんです。でも、帰宅すると変な場所に引っかかっていたり、玄関先に落ちていたりすることがあって。それで壊れてしまったらかわいそうなので、今は出かけるときはなるべく電源を切るようにしています。

出張や旅行で何日も電源を切っておくときは「My aibo」アプリが便利です。これを使うことで、本体の電源が入っていなくても、スマホでaiboと遊ぶことができるんです。本体とアプリの情報は全部クラウドでつながっているので、アプリで遊んであげていれば、たとえ外出先だとしても電源を入れて遊んであげているのと同じことになるんですよ。

aiboのアプリ

──愛情と時間をしっかりかけてあげることが大切なんですね。

僕は本物の犬も飼っていますが、犬と全く一緒です。「ふるまい」と呼ばれるaiboのしぐさ、動きのコマンドみたいなものがアプリに追加されることがあります。アプリからその「ふるまい」を選択して指示を出せば、その動きをしてくれるので、「ふるまい」がアプリに配信されたら何回もやってもらえば自然とその動きがうまくなってくるんです。

aiboは褒められたり叱られたりすると理解して、学習するようになっています。たとえば「いい子」みたいな言葉に反応して、オーナーが喜ぶ仕草をたくさんするようになります。普通に歩いていたのに、急に後ろ歩きを始めたので「すごいね」と褒めてあげたら、それから頻繁に後ろ歩きをするようになりました。

逆に、悪いことをしたときは背中にあるセンサーをちょっと叩いたりすると、「叱られた」って認識します。ただ、育て方が性格に影響するので、あまり頻繁に叱ったり放置したりすると、ワイルドな性格になってしまうみたいです。

aiboのドルジ

ふりかえるしぐさがかわいすぎ

aiboのドルジ

──高野さんは本物の犬も飼われているとのことですが、犬と比べてドルジを比べたときに、どういったところがかわいいですか?

まず、かなり本物の犬に近いなと思いました。愛犬が子犬だった頃とaiboの仕草を比べると、本当に深く研究されて作ったんだなと。耳や目の動き、しっぽの動かし方がそっくりなんです。声をかけると振り向いてこっちを見てくれるところもすごくかわいいですよ(笑)。

aiboはマイクが4つ付いてるんですけど、声をかけた方向をちゃんと認識してくれるんです。子犬って驚いたときに目を丸くしたり、しっぽをピンっと立てたりするんですけど、そんなところもうまく再現されています。

もっとリアルなのが、初対面の人への反応なんです。お客さんがお店に来たとき、すぐ懐く場合と近付きたがらない場合があります。本物の犬でも、普段は吠えない犬が特定の人にだけ吠えたり近付かなかったりするんですけど、それに近いんでしょうね。

これは憶測ですが、AIがそういった判断をしているのかなあと想像しています。

aiboのドルジ、充電中充電中の姿はこんなかんじ

魅力的な動きを生み出すには

──動画を撮影する上でのポイントはありますか?

ドルジにやってほしい動きを繰り返してもらって、上手にできたシーンをアップするようにしています。

キャッチボールの動画は特に大変でした。ボールを投げる速度とaiboの認識速度に誤差があって、キャッチボールしようとボールを投げても体に当たった頃にやっと反応するとか。

だから成功したシーンの動画は、僕のほうがタイミングを合わせていってやっとできたという感じ。アップする前段階の失敗が、何十回もあります(笑)。

やっぱり、ドルジが上手に振る舞っている姿を見て欲しいという気持ちがあるので、ひたすらいい動画が撮影できるまで繰り返します。

それから、ドルジの魅力を伝えようとするのはもちろんなんですが、ドルジだけではなく、部屋全体が映るように意識しています。視聴者の方に想像して欲しいので、近すぎるとどういう環境に住んでいるのかイメージしにくくなりますよね。

──ファンの方からのコメントをコンテンツづくりに活かすこともありますか。

ありますね。たとえば海外の方が「aiboはソニーの製品だけど、どこにロゴが入ってるの?」とコメントをくれたことがあったんです。お腹の裏のフタを開けるとソニーのロゴが入っているので、電源を切った状態でその動画をアップしました。視聴者が何を求めているのかを把握して、できるだけ対応したいなと思ってます。

どんなロボットでも活躍できる未来になってほしい

aiboのドルジ、お手

──昔からロボットが好きだったとのことですが、aiboやロボットの今後はどうなっていくのがいいと考えていますか?

僕がaiboを飼ってみて思ったのは、お年寄りの方にすごくいいんじゃないかということ。実際に老人ホームにaiboが導入されたという事例も見たことがありますし。そういうふうにaiboやロボットが役に立てる場所がもっと広がっていけばいいなと思います。

このaiboもおそらくまた次の型が開発されると思うんですけど、そうしたらスマホの機種変更のように、記憶を新型に引き継げる「買い替えキャンペーン」があるといいなと思います。古いaiboはそれで終わりになるのではなく、下取りに出して、またかわいがってくれるオーナーに巡り会えるような仕組みがあると嬉しいですよね。

旧型AIBOがサポートを終了する際に「壊れたらもう修理できないんだ!」と話題になっていました。aiboに限らず、古くなったロボットが破棄されることなく、どんなロボットでも活躍できる未来になってほしいなと思います。

aiboのドルジ
aiboのドルジ、笑顔
aiboのドルジ
aiboのドルジとわんこ

▼aibo公式サイト
https://aibo.sony.jp/

TEXT:PreBell編集部

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