FEATURE 2018.09.27 私の情報ってどこまで見られてる?あの追いかけてくるネット広告の仕組みを解剖してみた

何気なくネットサーフィンをしていると、自分が好きなブランドや趣味に関するバナー、以前に通販サイトでチェックした商品の広告などが目につくことがあります。これはユーザーの趣向や関心事に合わせて表示される、いわゆる「ターゲティング広告」と呼ばれるもの。興味のない広告を見なくて良いので、ありがたくも思えるのですが、サイトの閲覧履歴やSNSでの行動などが誰かに見られているような怖さを感じるのも事実…。

今回はそんな「ターゲティング広告」の仕組みと、メリット・デメリットについて解説したいと思います。

ユーザーの需要に合わせたターゲティング広告

ユーザーの関心に応じた広告を表示する広告手法を「ターゲティング広告」と呼びます。ユーザーのログイン情報やウェブサイトの閲覧履歴をデータとして取得し、それをもとにユーザーがどんな分野に興味があるのか分析しているのです。

この手法によって広告主(メーカーなどお金を払って広告を出す出資者のこと)は、自社の商品やサービスの魅力を将来顧客になりそうなユーザーに届けることができるだけでなく、私たちユーザーも欲しかったモノや気になるサービスに出会う機会が増えることになります。では、実際にネットで広告を表示させるにあたり、どのような流れでユーザーのデータを収集しているのでしょうか。

Cookieがネット上での情報のカギを握る

私達がいつも利用している、Internet ExplorerやGoogle Chrome、Firefoxなどのウェブブラウザには、情報を保存する「Cookie(クッキー)」という仕組みがあるのをご存じですか? Cookieには、ネット上でのユーザーのログイン情報や閲覧履歴などを蓄積させることができます。
このCookieに蓄積された情報を、広告配信サービス持つ会社が収集し、広告主に提供します。広告主側は「どんな人に広告を見せたいか」を地域や趣味などから設定し、特性の人に対して広告を表示させるという仕組みになっています。

過去にログインしたウェブサイトや、メールサービスに再度訪れた際、IDやパスワードが記憶されているのはCookieによるもの。

このCookieには、それぞれ異なる手段で情報を集める、「ファーストパーティCookie」と「サードパーティCookie」の2種類があります。

「ファーストパーティCookie」は、各ウェブサイトのドメイン毎に発行されている情報を収集する働きを持ちます。たとえば、ショッピングサイトで一度ログインすると、少し時間が経ってからサイトにアクセスしてもログイン状態になっていることがありますよね。これは、ファーストパーティCookieによるものです。つまり、ブラウザで見ているウェブサイトと同じサーバーから発行されているものが「ファーストパーティ Cookie」ということになります。

一方で「サードパーティCookie」は、閲覧したウェブサイト以外から発行されている情報を集めていきます。ファーストパーティCookieとは違い、アクセスしたウェブサイト内での行動履歴に収まらない情報を集約させることができるのが特徴です。
ターゲティング広告は、このサードパーティCookieの情報を取得し、広告を配信していきます。

たとえば、とある広告配信サービス会社が管理する「Aという車のバナー」が貼られた車の情報サイトにアクセスしたとします。その後、同じ広告配信サービス会社が表示先として設定している車とは全く関係のないビジネスニュースサイトにアクセスすると、やはり「Aという車のバナー」の広告が表示されるという仕組みです。これは「車の情報サイトを見ている」「特定のビジネスニュースサイトにアクセスしている」というネット上での行動履歴から“将来、Aという車を購入しそうな人”として認識され、バナーが表示されるのです。

このほかにも「ダイエットレシピ」や「ダイエット エクササイズ」、「ダイエットジム」などのワードで検索をかけ、ネットサーフィンをすると、そのユーザーは“ダイエットに関心がある人”と見なされ「脂肪燃焼サプリ」のバナー広告が表示される、というような例もあります。また、過去にアクセスした「ダイエットジム」のバナー広告が別ページにて表示されるというように、過去閲覧したサイトの広告がもう一度表示されるケースもあります。

このように、さまざまなウェブサイトを閲覧していくなかで、Cookieによって自分の趣味嗜好が蓄積され、広告表示に活用されているのです。

ただし、これはあくまでウェブブラウザに割り振られたIDなどで趣味嗜好が識別されているだけであり、あなたの名前や住所などの情報とは結びついておらず、個人を特定されることはありません。

ターゲティング広告を停止させる方法

ターゲティング広告を停止するには、個人データをCookieに取得させないようにする必要があります。ただし、この設定をすることにより、あなたの趣味嗜好と関連性の低い広告が表示されるケースがほとんどですので、逆にストレスを感じてしまうかもしれません。

ターゲティング広告を停止するには、スマホやPCなど現在利用している端末から「オプトアウト」という手順を踏む必要があります。オプトアウトとは、データ収集や第三者へのデータ提供の停止を意味する用語です。

PCからオプトアウトするためには、ブラウザ上のCookie設定画面から操作を行いましょう。

パソコンの場合(例:Google Chrome)

1. Google Chromeでオプトアウトする場合は、まずGoogleアカウントにログインした状態で「Google のアカウント情報画面」を表示します。次に、画面真ん中の「個人情報とプライバシー設定」から「広告設定」をクリックしましょう。

ターゲティング広告を停止させる方法

2. ページが切り替わったら「広告設定を管理」をクリックします。

ターゲティング広告を停止させる方法

3. 最後に、「広告のカスタマイズ」をオフにします。
「広告は引き続き表示されます(ただし、ご自身の興味やニーズとの関連性は低くなります)」などのアラームの文言が表示されますが、了承し、「無効にする」をクリックしたらオプトアウトの設定が完了します。

ターゲティング広告を停止させる方法

スマホの場合

スマホに関しても、端末から設定ができます。

<iPhoneの場合>
1.「設定」から「プライバシー」をタップ。

ターゲティング広告を停止させる方法

2.「広告」の画面から「追跡広告を制限」をオンにすればオプトアウトが完了します。

ターゲティング広告を停止させる方法

<Androidの場合>
1.「設定」から「Google」をタップ

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2.「広告のカスタマイズをオプトアウト」にチェックを入れる

ターゲティング広告を停止させる方法

3.「インタレストベース広告をオプトアウト」と表示が出るので、OKをタップすればオプトアウトが完了します。

ターゲティング広告を停止させる方法

SNSのタイムラインに流れるターゲティング広告はどんな仕組み?

ウェブサイト以外にも、SNSのタイムライン上に私達の行動に合わせた広告が流れてくることがあります。SNSアカウントからはどのような情報が収集され、広告に活かされているのでしょうか。

たとえば、実名登録が基本とされているFacebookを例に見てみましょう。Facebookは「コアオーディエンス」と「カスタムオーディエンス」という2つの手法によってターゲティング広告が表示されています。

コアオーディエンスは、ユーザーの年齢や性別、交際ステータスなどの登録情報のほか、端末やアカウントの利用状況に応じた広告が表示されます。
カスタムオーディエンスは、主にFacebook上で起こしたアクション(like、シェア 等)によって、そのユーザーの興味関心事を導き出し、それに合った広告を表示させます。

しかし、広告主側がコアオーディエンスやカスタムオーディエンスによる設定をしていても、私たちに関係のなさそうな広告が流れてくることもよくあります。

そんな場合は、投稿された広告の右上をクリックし「この広告を非表示にする」を選択しましょう。そうすることで、その広告が表示される可能性が低くなります。

ターゲティング広告を停止させる方法

なお、設定画面の「広告設定」の欄から、あらかじめ関心のあるカテゴリを絞ることができるほか、プロフィール情報を非開示にすることも可能です。

ターゲティング広告を停止させる方法

ちなみに、2012年にFacebookに買収されたInstagramは、Facebook広告を作成するツールと同じツールを使って広告を作成しています。そのため、InstagramとFacebookでは表示される広告が似ていることがあります。

ほかに、多くのユーザーが利用しているSNSと言えば、Twitter。このTwitterにおいても、FacebookやInstagram同様、ユーザーの属性やアクションによって広告がタイムライン上に流されます。

Twitterの広告は設定画面の「プライバシーとセキュリティー」から「カスタマイズとデータ」の編集画面に遷移すると、Twitter側に提供されるデータを自ら選択することができます。

ターゲティング広告を停止させる方法

ターゲティング広告のデメリットとメリット

ここまでで、自身の登録情報や閲覧履歴がデータとして保存され、広告に活用されることに不安を抱いた人も少なくないのではないでしょうか。
ひとつのウェブサイトを見たことによって、数社の広告事業者などに行動履歴が共有されていた、というようなこともあります。ターゲティング広告は、ときにコンプライアンス観点でも問題視されているのが現状です。

ですが、ターゲティング広告はあくまでウェブブラウザのIDなどで識別をしてログイン情報や閲覧履歴を取得しているため、あなたの個人情報を特定しているわけではありません。そのため、そこまで気にするほどのことでもないと考える人もいます。
また、ターゲティング広告を行うことで享受できるメリットもあります。そのひとつに、テレビや雑誌を見ているだけでは知ることができない、商品やサービスに出会えることが挙げられるのではないでしょうか。

たとえば、ダイエットのことを調べていくうちに、ターゲティング広告を通して今まで知らなかったフィットネスジムやパーソナルトレーニング、食品などを知ることもできるのです。

さらに、以前気になってチェックしていたサービスや商品を、再度思い出せるきっかけにもなります。ネットサーフィン中、興味のない広告に出くわさなくなることも、メリットのひとつではないでしょうか。

完全に非表示にできないネット広告。だからこそ自分でコントロールを

ユーザーの行動履歴などから、ニーズを読み取り広告を表示させる「ターゲティング広告」。履歴を追跡されているような感覚から、ネガティブなイメージが先行しがちですが、効率的に自分が欲しい商品やサービスをピックアップできるなどの利点も存在します。

そんなターゲティング広告のメリットとデメリットを知った上で、ご自身で表示をコントロールしてみてくださいね。

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:Getty Images/PreBell編集部

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