ネットショップに登録したカード番号。子どもが勝手に買い物したらどうなる?【サイバー護身術】
おうち時間が続く中で、さらに需要が高まったネットショッピング。しかし、その手軽さから、親の知らぬ間に子どもが勝手に商品を注文してしまうということも起きています。
【登場人物】
斎婆鈍平(さいばあ どんぺい)(41歳)
仕事やプライベートで、よくインターネットを使っているが、知識はあまりない。
李照貴夫(りてらし たかお)(40歳)
鈍平の会社の後輩。スマホやインターネットの使い方に長けていて、公私ともに鈍平をよく助けている。最近、ヤンチャな娘に頭を悩ませている。
「クレカ番号」を登録したショップ、お子さんもログイン可能なら要注意
どうやら娘さん、通販サイトに登録されていた親のクレジットカード情報を使って、勝手に買い物をしてしまったようですね。
「今回だけ」と、お子さんのネット購入に親のクレジットカードを利用(※)することもあると思いますが、子どもがアクセスできるサービス、アプリにクレジットカード情報を登録したら、利用後にちゃんと削除するか、子どもが勝手にログインできないように管理する必要があります。
※厳密には「クレジットカードの第三者への貸与」にあたり、「善管注意義務」に反するとみなされれば、カードの強制解約、全額一括返済を求められる可能性も。ご注意ください。
こうした事象は、ネット通販だけではなく、スマホアプリの課金などでも起こりうることです。
「1回だけならいいか」と課金を許可した場合は、アカウントやサービス内にカード情報が残っていないかチェックするようにしましょう。
ほかにも、キャリア課金(携帯代との合算請求)の設定パスワードが簡単すぎると、子どもに推測され、携帯代での支払いを設定されてしまうケースもあります。同様に注意が必要です。
ですが、クレジットカードの管理をしっかりしていたのに、子どもが後払いのネット通販などで高額な買い物をしてしまうケースもあります。注文して商品も開封してしまったら、さすがにもうキャンセルはできないのでしょうか。
「未成年者契約の取消し」で取り消せる可能性がある
「未成年者契約の取消し」とは、未成年者が親(法定代理人)の許可なく結んだ契約を取り消しすることです。成人に比べて取引の判断能力が未熟な未成年者が、不利益をこうむらないように、法律で決められています。
適用には要件をすべて満たすことが必要です。
- 契約時の年齢が未成年(現在は20歳未満)であること
- 契約当事者が婚姻の経験がないこと
- 法定代理人が同意していないこと
- 法定代理人から、処分を許された財産(小遣い)の範囲内でないこと
- 法定代理人から許された営業に関する取引でないこと
- 未成年者が詐術を用いていないこと(成人であると偽っていないこと)
- 法定代理人の追認がないこと
- 取消権が時効になっていないこと(未成年者が成年になったときから5年間、または契約から20年間)
これらの要件を満たしたうえで、支払い先の事業者に申し出る必要があります。
取消しの具体的な手続きは、事業者によって異なります。
まずは保護者が事業者の問合せ窓口に連絡して「未成年者契約の取消しをしたい」と伝えましょう。その後は事業者とのやり取りになりますが、書面や身分証などを送付して確認後、返金を受けるというのが一般的な流れになります。
過去には、ダイエット食品の一部を食べてしまったが、残りを返品したら返金してもらえたという事例もあるそうです。
子どもとしっかり話して再発防止を
この「未成年者契約の取消し」は、返金に至るまでの手続き、事実の証明、書類のやり取りなど、相当な手間と時間のかかる作業です。
また事業者によっては、返金と同時に当該アカウントが凍結される場合もあります。
まずは普段から親子でコミュニケーションして、購入トラブルが起きないように注意しましょう。
また、子どもがクレジットカードの暗証番号(3Dセキュアなど)を知ってしまった場合には、暗証番号を変更するなどしっかりと対処することが重要です!
漫画:トーマス・オン・デマンド(アスタリスク)
監修:小木曽健(@ken_ogiso)
文:PreBell編集部
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