いまさら聞けない、Spotify創業者、ダニエル・エクのSpotifyの創業ストーリーについて徹底調査。 ネットフリックスの映画も話題
ネットの発展に伴って、従来使われていたCDやCD音楽プレーヤーを使用する機会は減ってきました。
それと同時に、ネット上で音楽を自由に聞くことが出来る、「音楽ストリーミングサービス」が人気になっています。
実際、音楽ストリーミングサービスだけでもApple MusicやSpotify、Amazon Prime Music等様々なものが存在します。
ですが、それらのサービスがどのように創業され、どんなストーリーがあるのかを理解している方は少ないのではないでしょうか?
この記事では、最も人気の音楽ストリーミングサービスのSpotifyの創業ストーリーについて解説をしていきます。
- Spotifyは約3億5000万人以上のユーザーを抱えており、創業者はスウェーデン出身のダニエル・エク氏
- Spotifyは2008年にローンチされたが、それ以前に倒産の危機等様々な困難を乗り越えている
- Spotifyは音楽業界に「音楽の国境を無くした」、「収益モデルを変化させた」等の影響を与えている
目次
Spotifyは2022年11月現在、約3億5000万人以上のユーザーを抱えており、音楽ストリーミングサービスの中でも最大規模のプラットフォームです。
そのようなグローバル大企業を創り出したのは、スウェーデン出身のダニエル・エク氏です。
エク氏が創業したSpotifyがここまで大きくなるにはたくさんの失敗や挫折がありました。
そのストーリーを4つの段階に分けて解説をしていきます。
ダニエル・エク氏は元々ビジネスやプログラミングが得意な人物でした。
14歳の時に始めたビジネスが最初のビジネスと言われています。
プログラミングが得意だったエク氏は、14歳当時すでにC++(企業の業務システム等に使われている言語)を使った開発等が出来ました。
エク氏が14歳だった1997年当時はWebが流行しだした時期で、多くの人や企業がWebサイトを欲しがっていた時期でした。
エク氏はWebサイト作成のニーズに応えて、Webサイトを作るようなビジネスを始めます。
このビジネスも大きくなり、20歳頃には人を雇ったり、自社のサーバーを運営する規模になっていたようです。
ですが、この時点ではエク氏は起業家になろうとは思いませんでした。
エク氏が考えていたのは、起業家としての道ではなく、Googleへ社員としての就職でした。
Googleへ社員として就職をしようと考えたエク氏は、Googleの採用面接に行くことになります。
結果、予想に反してGoogleへは不採用とされてしまいました。
このことをきっかけに「自分の検索エンジンを作りたい」と考えるようになります。
ですが、この事業も失敗することになります。
結果として、会社は破産直前にまで追い込まれ、多数の従業員を解雇するまでになりました。
エク氏はGoogleへの不採用や破産直前になるまでの失敗を繰り返すことになりました。
こういった失敗は、「今後自分が本当にやりたいことは何なのか」こういった問いを自分に投げかけていくことになります。
この問いを通じて、エク氏は小さい頃から音楽とテクノロジーに興味があることに気づきました。
その結果、「音楽×テクノロジー」の分野で次のビジネスをしていこうと決めることになります。
これがきっかけで現在のSpotifyが誕生するきっかけとなりました。
Spotifyをローンチ(本番稼働)まで持っていくためには、「プロダクト」と「ライセンス契約」の2つが必要でした。
プロダクトとは、Spotifyのアプリやサーバー等、Spotifyのアプリ自体のことです。
プロダクトに関しては順調に開発が進んでいきました。
ですが、Spotifyの「ライセンス面」においてエク氏は苦労をしていきます。
Spotifyが音楽プラットフォームである以上、音楽レーベルとの著作権契約は必須なのにも関わらず、音楽レーベルとのライセンスの契約が一向に決まらない時期がありました。
そのような時期でも、ライセンスの契約が難航してアポが取れなくなったレーベルの前でホームレスのように寝泊まりしたり、レベールの担当者の子供が通う学校でSpotifyを流行らせたり、地味な努力を泥臭く続けていきました。
こういった地道な努力を経て、創業の2006年から2年後、2008年にSpotifyがリリースされました。
2008年にリリースされたSpotifyは2022年11月現在、約3億5000万人以上のユーザーを抱えています。
日本の人口の約3倍のユーザー数を抱えるサービスは、音楽業界に大きな影響を与えています。
主な影響は以下の3つです。
・音楽の国際化
・音楽業界のビジネスモデルの変化
以下に詳しく解説していきます。
1つ目の影響が、「音楽の国際化」です。
Spotifyのような音楽ストリーミングサービスが出てくる前は、iTunes等で一曲一曲購入をするか、物理的なCDを購入する必要がありました。
結果として、外国の曲を聞こうとするとCDを輸入して購入をするか、外国のiTunesアカウントを別途作成して購入する必要がありました。
ですが、Spotifyを使うと、世界中の音楽がどこにいても自由に聞けるようになります。
実際、韓国でSpotifyがリリースされ、Kpopの曲がSpotify上で多く聴けるようになると、アメリカ西海岸でユーザー数が増えたことがありました。
このように、今まで国境のハードルがあった音楽だったが、その国境が低くなったというのが、大きな影響の1つです。
2つ目の影響が、音楽のビジネスモデルの変化です。
今までの音楽ビジネスは、CDの売り上げや一曲一曲の購入であったため、収入にばらつきがありました。
ですが、SpotifyはNetflixと同じような月額で聴き放題というサービスを音楽業界に導入したことにより、ユーザー数×〇〇円といったシンプルな計算で出せるようになりました。
ビジネスモデルの変革により、音楽業界全体で安定した収益を出せるようになりました。
このような収益構造の変革というのも、Spotifyがもたらした大きな影響の1つです。
3つ目がアーティストが作曲をしやすい環境です。
従来であれば、アーティストが自分で作曲した曲をリリースするためには、CDを出版する必要があったり、大きなハードルがありました。
加えて、iTunes等のネットサービスにアップロードをしようとしても、ユーザー側は一曲一曲の購入となるため、知名度がないうちは買ってもらうことも難しい状態でした。
ですが、Spotifyが出来たことで、アーティスト側はSpotify側の審査を通過すれば、すぐに3億5000万人以上のユーザーに音楽を届けることが出来ます。
このように作曲→販売のハードルを下げたのも、Spotifyが音楽業界に与えた影響の一つです。
スウェーデン出身のダニエル・エク氏によって作られたSpotifyは約3億5000万人以上のユーザーがいて、世界最大の音楽配信プラットフォームとなっています。
Spotifyは2008年にローンチされましたが、それ以前に倒産の危機等様々な困難を乗り越えています。
現在でも、Spotifyは音楽業界に「音楽の国境を無くした」、「収益モデルを変化させた」等の影響を与えています。
普段Spotifyを利用する時に、こういった創業のストーリーやSpotifyが現代の社会に与える影響の大きさを考えてみてはいかがでしょうか?
PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部
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