イーロンマスクのツイッター買収で転換期を迎えるツイッター。ツイッターがどう変わっていくか、今後の予測について徹底解説
最も大きなSNSの一つである、ツイッターに関するニュースが連日報道されています。
その中でも大きなニュースがテスラ創業者のイーロンマスク氏のツイッター買収です。
イーロンマスク氏がツイッター買収を行ってから、日本法人を含む従業員の大幅解雇などの大きなニュースが連日報道されています。
こういったニュースが報道されている中で、今後ツイッターがどのような未来に向かっているのか、その予想を理解している方は少ないのではないでしょうか?
この記事では、激動の時期を迎えているツイッターが今後どのように変わっていくのかを解説していきます。
- 「真に自由な言論空間を作ること」、「価値の低い広告を排除する」を目的として、ツイッターの改革が進んでいる
- 今後、ツイッターによるアカウント凍結やコメント削除の規制が緩くなることが予想される
- 実際、ツイート検閲を行う従業員を解雇することや、認証マークを購入出来る等の有料サービスが出てきており、広告費に頼らないビジネスモデルが構築され始めている
目次
まず、最近のツイッターがどのような動きを見せているのかを解説します。
最近の大きなニュースの1つがイーロンマスク氏によるツイッターの買収です。
なぜツイッターが買収されたのか、その理由は2つあると考えられています。
・真に自由な言論空間を作ること
・価値の低い広告を排除すること
1つ目の理由は、真に自由な言論空間を作ることです。
現在のツイッターは、ヘイト表現や差別を含むツイートを削除したり、そのような発言を多くしているアカウントを凍結したりといった措置をしてきました。
実際、トランプ前大統領のアカウントが凍結されたりすることがありました。
こういった強すぎる「検閲」のような仕組みをなくし、真に自由な言論空間を作ることを目的としてツイッターを買収したとされています。
もう1つの理由は「価値の低い広告を排除すること」です。
ツイッターによる検閲の仕組みを薄くすると、過激な発言も同時に増えてきます。
そうすると、過激な発言に対して広告を出したくない広告主も増えることになります。
このスクリーニングを通じて、単価の低いような広告を排除し、本当に価値のある広告のみを残そうと考えられているとされています。
この2つの目的を実現するため、イーロンマスク氏はツイッターの買収を実施したと考えられています。
こういった理由からツイッターがイーロンマスク氏によって買収され、今後ツイッターはどのように変わっていくのでしょうか?
2022年10月27日、イーロンマスク氏自身のツイッターアカウントにて、買収の理由とともに語られていました。
そのツイートによると、以下2つの動向が予測されています。
・アカウント凍結や過激なコメント削除の規制が緩くなる
・広告収入以外の収益モデルが出来るようになる
以下に詳しく解説していきます。
1つ目の変化は、アカウント凍結や過激なコメント削除の規制が緩くなることです。
イーロンマスク氏は、人類には「どんな立場でも何を自由に言ってもいい空間」というものが必要になると考えています。
実際、自由な発言で対話を繰り返すことで文明や文化が発展してきた側面もあります。
従来のツイッターでは、実質的な「検閲」の機能があり、自由な言論が規制されている状態でした。
そうなると、実社会で政府や大きなものからの圧力が社会を分断してきたように社会を分断し、更なる憎悪をネット上に作り出してしまいます。
そのため、法に触れるような発言を除き、どんな立場でも自由な発言が出来る空間を作ることが人類にとって必要であると、イーロンマスクは考えています。
こういった理由から、法に触れるような過激な発言を除き、従来よりもアカウント凍結や強制的なツイート削除の規制がゆるい方向へ変わってくるのではないかとの予測があります。
2つ目が、広告以外の収益をあげるようになるのではないかという予想です。
現在のツイッターの収益のほとんどは企業からの広告収益がほとんどを占めています。
今後、イーロンマスク氏の考える「どんな立場でも何を自由に言ってもいい空間」を実現しようとすると、それに比例して過激なコメント等も増えてきます。
そうすると、過激なコメントに広告を出したくないと考える広告主も増えてきます。
結果として、広告以外の収益をあげる必要性が出てくるため、課金制の有料サービス等も今後増えてくることが予想されています。
予想されている変化は、すでに一部実現されつつあります。
以下にその実際に起きた変化を解説していきます。
1つ目が、大幅な従業員の削減です。
ツイッターは大幅な従業員の削減を実施しました。
2022年11月現在、世界中の従業員の約25%にあたる従業員を削減し、日本法人でも解雇が実施されました。
この解雇された従業員の中には、過激なコメントを監視する業務を担当していた社員も含まれていたとされています。
実際、日本法人ではツイッターの対外的な業務を担当する広報部の社員が全員解雇となったとの報道があります。
今後も「どんな立場でも何を自由に言ってもいい空間」を実現するために、こういった形で従業員の削減が実施されるとの見込みがあります。
2つ目の変化が、認証マークの購入が可能になったことです。
従来のツイッター上では、青色の認証マークはツイッターの審査を通過した人のみが使用できるものでした。
ですが、現在のツイッターでは青色の認証マークは購入することでも使用することが出来ます。
料金は月額7.99ドルで、著名なアカウントでなくても使用することが出来るようになりました。
ツイッターが広告収入から脱却するためには、数十億円程度の売り上げが必要となります。
ツイッターの2022年第2四半期の売り上げは12億ドルとされています。
これを認証バッジ購入の月額8ドルの収益だけで賄おうとすると、約5000万人の加入者が必要となります。
ツイッターのアクティブユーザーは約2億4000万人とされているため、約4人に1人加入してもらわないと、12億ドル分の売り上げをカバーすることは出来ません。
YouTubeのアクティブユーザーは26億人であり、その有料サービスの加入者が8000万人であると考えると、ツイッターが認証バッジ購入のサービスだけで売り上げをあげることは非常に難しいことが分かります。
結果として、以前は完全無料で使用できたツイッターも様々な有料のサービスが出てくると予想されています。
「真に自由な言論空間を作ること」、「価値の低い広告を排除すること」を目的として、イーロンマスク氏によるツイッターの改革が進んでいます。
現時点では、一部有料サービスが出てくる等の動きに止まっています。
ですが、完全に広告費に頼らないビジネスモデルにするとなると、新たな有料サービスが出てくることが予想されます。
ぜひ今後もニュースをチェックする際にはツイッターの動き、その背景にも注目してみてください。
PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部
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