「スタートアップ育成5カ年計画」の3つの柱を分かりやすく解説!日本はどう変わる?
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2023.01.25 「スタートアップ育成5カ年計画」の3つの柱を分かりやすく解説!日本はどう変わる?

岸田内閣は2022年を「スタートアップ創出元年」とし、2022年11月に「スタートアップ育成5カ年計画」を発表しました。

日本はアメリカなどの他の先進国に比べて、スタートアップの数や投資額が低い傾向にあります。スタートアップを育成することで、日本はどのように変わるのでしょうか。

今回は、この「スタートアップ育成5カ年計画」の目的や「3つの柱」、この計画により日本がどう変わるのかについて解説します。スタートアップとベンチャーの違いなど、基礎的な説明から進めていくので参考にしてください。

  • スタートアップ育成5カ年計画の柱は、人材・ネットワークの構築、資金供給の強化と出口戦略の多様化、オープンイノベーションの推進
  • 日本のスタートアップは他の先進国に比べて低水準
  • スタートアップの育成計画で日本の風土・意識は変化する
2022年はスタートアップ創出元年

スタートアップ育成5カ年計画とは

スタートアップ育成5カ年計画とは

岸田内閣が発表した「スタートアップ育成5カ年計画」について、まずはスタートアップの意味やその目的を解説します。

・スタートアップとは?ベンチャーとの違い
・スタートアップ育成5カ年計画の目的

スタートアップとは?ベンチャーとの違い

スタートアップとは?ベンチャーとの違い

スタートアップとベンチャーの大きな違いは、イノベーションの有無です。

ベンチャーは基本的に従来のビジネスモデルをベースに展開していきますが、スタートアップは今までにないイノベーションを起こして急成長する企業です。

ベンチャーは上場までに10年かかることもあります。しかしスタートアップは3年以内とスピード感が違います。

ベンチャー語源

もともとベンチャーとは「アドベンチャー(adventure)」という英語が由来といわれており、成長過程の企業という意味で使われています。既存のビジネスモデルを元に新しいサービスを作り出す企業のことで、主に以下の特徴があります。

・社員数が少ない
・起業して数年の新しい会社
・スモールビジネス中心

一方、スタートアップについての政府の定義は「スタートアップは、経済成長の原動力であるイノベーションを生み出すとともに、環境問題や子育て問題などの社会課題の解決にも貢献しうる、新しい資本主義の担い手」となっています。

やはりイノベーションをという言葉が使われており、スタートアップは革新的なアイデアで急成長するGoogleやAmazonのような企業を指すと考えられます。

スタートアップ育成5カ年計画の目的

スタートアップ育成5カ年計画の目的

スタートアップを育成する目的は、第二の創業期を作り、日本の経済成長を促進することです。第一の起業ブームは高度経済成長の終盤の1970年代に始まり、キーエンスや日本電産など現在まで続く大企業を多く生みました。

スタートアップ企業は1度の資金調達で数十億集めることもあり、スタートアップを育成することで日本に巨額のマネーが流れることが予想されます。

スタートアップ育成のためにはアイデア・マネー・人材が必要です。スタートアップの動きが活発なアメリカは、スタートアップへの投資額が日本の34倍ともいわれています。日本はこうした投資面でも遅れているといわれているので、今回の計画は成長への第一歩となることが期待されます。

計画の3つの柱を分かりやすく解説

計画の3つの柱を分かりやすく解説

「スタートアップ育成5カ年計画」には3つの柱があります。ここでは以下の3つの柱について、具体例を挙げて説明します。

1. スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築
2. スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化
3. オープンイノベーションの推進

1. スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築

スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築

1つ目の柱は、スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築です。日本の開廃業率は欧米などに比べて低い傾向にあり、起業する人が少ないです。

日本は恥の文化を持っており、失敗を必要以上に恐れる風潮が起業家の少ない理由の1つだと考えられます。スタートアップに関する調査でも、起業をする人を増やすためには意識や日本の風土の改善が必要という声が60%でした。(一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター「ベンチャー白書 2021」)

政府の取り組み

しかし、起業家には常に前に進むために失敗を恐れず挑戦していくマインドが不可欠です。起業家マインドを育成するために、政府は以下のような取り組みを計画しています。

・各界のトップランナーがメンターとして起業指導する
・起業家育成のための海外拠点を増やす
・米国大学で教育を受ける仕組みを作る

起業家育成のために、現在も日本の若者をシリコンバレーに送る仕組みはありますが、定員が20名と少ないです。そこで今後、派遣の規模を5年で1000名に拡大したり、拠点をニューヨークやイスラエル、北欧などに広げたりすることが計画されています。

2. スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化

スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化

2つ目の柱は、スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化です。

日本ではアメリカなどに比べてスタートアップの資金調達額が少なく、調達方法も少ないです。資金調達で資金が潤沢にあると、研究開発費や人材確保に回せるお金が増えて、成長のスピードが速くなります。

そこで資金供給を、政府が以下のように支援する計画です。

・各出資機構の出資機能を強化
・スタートアップ投資への税制優遇
・IPOのタイミングの柔軟化

政策に基づいて国と民間が共同出資する官民ファンドも含めた出資機構の機能を、強化します。具体的には運用期限を伸ばす、出資額を増やすなどが検討されています。

ストックオプション

また、IPO(新規上場)やストックオプション(株式会社の従業員・取締役が、自社株を決まった価格で入手できる権利)のタイミングを、柔軟にすることも計画されています。ストックオプションは上場など価格が大きく上がった時に行使すると、大きな売却益を得られます。

欧米ではストックオプションを従業員に柔軟なタイミングで与えられますが、日本は株主総会の決議でのストックオプションの設定日から1年以内に与える必要がある、など縛りが厳しいです。

3. オープンイノベーションの推進

オープンイノベーションの推進

オープンイノベーションとは、自社内に限らず組織の外とも連携してイノベーションを起こし、組織の外へと展開していくことです。

既存の企業が成長率を維持し続けることは簡単ではありませんが、組織外のスタートアップと連携して開発を進めることで、成長の維持は可能になります。大企業のオープンイノベーションを加速するためには、スタートアップとの協力が重要になります。

そこで、スタートアップと連携する場合にかかる税金の優遇措置や、より柔軟な連携のために、以下のような働き方の見直しが計画されています。

・終身雇用を前提としない働き方や副業禁止の見直し
・副業に積極的な企業や、副業人材を受け入れる企業を支援する

スタートアップ支援制度で日本は変わる

歩行者に気づかれにくい

スタートアップを支援することで、以下のような変化が日本に生まれるでしょう。

・再チャレンジを支援する環境の整備
・起業家教育の活発化
・地方におけるスタートアップ創出の強化

再チャレンジを支援する環境の整備

再チャレンジを支援する環境の整備

2022年に雇用保険法が改正されるなど、再チャレンジしやすい環境の整備が進んでいます。

これまでの雇用保険法では、失業給付について原則離職後1年で受給資格が失われていました。しかし起業して事業を行っている場合は最長3年まで受給期間に算入しないという制度が、創設されました。

スタートアップ初期は赤字になりやすく、もし1年以上経って会社が倒産した場合、借金が残り失業給付もなくなるという最悪の事態が考えられます。

起業に失敗しても失業給付が残っていれば生活が保証されるので、再就職したり再チャレンジしたりする余力も生まれます。この制度は起業する時に、精神的な後押しをしてくれるでしょう。失敗を恐れずに起業する人が増えれば、日本の「失敗を恐れすぎる」意識も変化すると考えられます。

起業家教育の活発化

起業家教育の活発化

育成のために起業家教育を行う大学を増やすことが計画されています。「1大学につき 50 社起業し、1社はエグジットを目指そう」という運動もあります。エグジットとは株式を売却し、利益を出して投資資金を回収することです。

起業家教育が活発になれば在学中に起業する人が増えたり、子供の将来の夢に起業家が入ったりすることも珍しくはなくなるでしょう。

地方におけるスタートアップ創出の強化

地方におけるスタートアップ創出の強化

地方でのスタートアップ創出の強化が計画されています。

また現在、福島県の福島浜通りにおいて、実際の使用に近い環境でロボット・ドローン・空飛ぶクルマなどのフィールド整備が行われています。東日本大震災や原子力災害で失われた産業を回復するための国家プロジェクトです。

福島のようなスタートアップ支援が増えれば、地域の産業の活性化にもつながるでしょう。

充電を自宅で行う場合は、専用のコンセントが必要です。工事が必要で数万円程度の出費も考えられます。また充電スタンドを利用する場所は、場所が限られているため事前に充電スタンドの場所を確認しましょう。利用前に登録が必要な場合もあります。

まとめ

日本は起業家が育ちづらい環境

今回は、「スタートアップ育成5カ年計画」の目的や「3つの柱」、この計画により日本がどう変わるのかなどについて解説しました。

日本は先進国の中でもスタートアップへの投資額が少なく、起業家が育ちづらい環境です。「スタートアップ育成5カ年計画」では、現状を打破するため人材育成、資金調達、 オープンイノベーションの3つの柱でスタートアップの育成をおこないます。

まだまだ課題はありますが、起業家を育成する教育や税制の優遇などを進めていけば、AppleやGo

PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部

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