ソニーとホンダの新EV「アフィーラ」とは?特徴や自動車業界の動向も合わせて解説!
ソニーとホンダが発表した新しいEV「アフィーラ(AFEELA)」は、どのような特徴を持っているのでしょうか。ソニーが作るEV車がどういったものなのか気になります。
そこで今回は2025年に発売予定のEV「アフィーラ(AFEELA)」の特徴や自動車業界の動向、今後の展望まで解説します。この記事を読むと、「アフィーラ(AFEELA)」の驚きの機能や特徴、最新の自動車業界について分かるので、ぜひ参考にしてください。
- アフィーラはドライバーと対話するEV
- アフィーラのコンセプトは自律性・拡張性・親和性!
- 車載OSの世界標準を決める動きが白熱
目次
ここではソニーとホンダが共同開発したアフィーラの概要について、説明します。また、開発会社やスマホのような驚きの機能についても紹介します。
アフィーラを開発したソニー・ホンダモビリティは、ソニーとホンダが半分ずつ出資して設立しました。合同でEVを開発し、今回アフィーラを発表しました。ソニーのエンターテインメントと、ホンダの自動車技術の融合に注目が集まっています。
アフィーラの特徴の1つは、運転席に全面タッチパネルのディスプレイがあることです。乗車すると大きなスマートフォンのような画面が広がります。
運転時間以外は大きなディスプレイで映画や映像を楽しめます。高機能なセンサーで自動運転が可能なので、移動空間を楽しむための仕掛けが多くあります。
アフィーラは、ドライバーとコミュニケーションができるEVです。車のフロントなどに外部ディスプレイが表示され、アニメーションの表示も可能です。スマートフォンのコンシェルジュのように、アフィーラはドライバーの良きパートナーとなるでしょう。
アフィーラの特徴は、Autonomy(進化する自律性)、Augmentation(身体・時空間の拡張)、Affinity(人の協調、社会との共生)からなる3つのAです。これら3つのコンセプトについて詳しく説明します。
Autonomy(自律性)は、高度な自動運転技術のことです。車体には45のセンサーが搭載されており、高性能な自動運転を実現します。自動運転レベル3を目指すことも想定されています。
日本の国土交通省による定義によると自動運転レベルは0〜5の6段階あります。0は自動運転が全くできない状態で、5は運転操作の全てを代替するレベルです。この中でレベル3は特定の条件下で運転操作の全てを代替します。
レベル2まではあくまで運転の支援レベルですが、レベル3からは特定の条件下なら自動運転を体験できます。2021年には、日本初のレベル3の市販車が発売されました。
またアフィーラは高性能なECU(車の運転を電子制御するコンピューター)が搭載されており、その処理速度は人間とあまり変わりがないほどです。
Augmentation(拡張性)としては、ハードウェアが古くてもソフトウェアをアップロードすることで機能を拡張できる点が挙げられます。従来の自動車はECUが多く搭載されており、一度にソフトウェアをアップデートできませんでした。
しかしテスラ車など未来型の自動車はソフトウェアをアップロードするだけで、古いハードウェアでも自動運転のレベルが上がることもあります。日本ではまだ従来型の車が多いため、アフィーラは未来型の車として注目されています。
アフィーラの見た目の大きな特徴は、外部ディスプレイです。車のフロントなどにディスプレイがあり、スマートフォンの画面のように文字やアニメーションを表示します。
ドライバーが外から近づくと、外部ディスプレイを通してアニメーションを表示する仕組みです。アフィーラはドライバーに情報発信をするので、まるで自動車とコミュニケーションを取っているような体験ができます。
展示会ではその日の天気が表示されていましたが、他にも渋滞状況を表示したり、後続の車に車間距離を知らせたりといろいろな使用方法が考えられます。愛車が自分に語りかけているかのような仕掛けは、車への愛着を深めてくれるでしょう。
アフィーラに搭載されている車載OSは、車の価値も決めるといわれる重要な部分で、「Android Automotive OS」をベースに開発されました。
従って、Android向けに作られたアプリを自動車用にカスタマイズして実装すれば、アフィーラのコントロールパネル上で、動かすことができます。
今後は、スマホのアプリストアだけではなく、自動車専用のアプリストアのようなものもできていくのかもしれません。
近年、自動車業界では車載OSの開発バトルが白熱しています。その車載OSについて、ここでは世界の動きや日本の状況について詳しく紹介します。
ECUは車が安全に走行できる機能などを制御しますが、機能が増えるほどECUの数は増えて複雑になります。車載OSは、複数のECUを一括でコントロールできます。車載OSは世界的に標準化しようという動きがあり、世界標準の座をめぐって企業間のバトルが白熱しています。
2024年にはメルセデスベンツが「MB.OS」の車載化を目指しています。カスタマイズ可能な機能も搭載予定です。また、ゼネラルモーターズの車載OS「アルティファイ」は2023年以降に作動予定で、サイバーセキュリティ対策や顔認証なども予定しています。
他にもルノーはグーグルと提携しAndroid OSを搭載、フォルクスワーゲンは2021~2025年の5年間でEVに350億ユーロを投資する予定です。このように世界の車載OSのスタンダード争いは激化しています。
車載OSは米国式や中国式が標準になると予想されており、日本は戦いに入れていませんでした。しかし、トヨタが2025年に車載OSを実用化するというニュースが流れ、トヨタ式も候補に入りました。
未来型の車はソフトをアップデートすることで機能が拡張されるため、スマホのようにソフトが大切になります。もし自社のソフトがグーグルのアンドロイドのように世界で使われるようになれば、業績の大幅な拡大が見込まれます。日本の車載OSのこれからに注目です。
ソニーホンダモビリティの今後の展望について解説します。ソニーホンダモビリティの理念や、ソニーの自動車ビジネス参入理由などから考えていきます。
ソニーホンダモビリティは会社の目的として「革新を追求し、人を動かす」ことを掲げています。移動の価値を「人の気持ちを動かす」ことと捉えています。
ソニーは「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というパーパスが、ホンダは「人間尊重」「三つの喜び」という基本理念があります。両者とも技術力で優れているイメージですが、技術は人のためにあるという本質も見ています。
アフィーラはドライバーとのコミュニケーションなど、移動以外の機能も多くあります。技術だけではなく移動することの楽しみを追求した機能が、今後も増えていくことでしょう。
ソニーの自動車ビジネス参入の理由としては、損保事業と掛け合わせた新しいビジネスモデルを作ることや、自社の車載OSを世界標準にすることが考えられます。
自動車の販売手段などのノウハウがないソニーですが、エンターテインメントに強みを持っています。人の気持ちを動かし新しい移動体験を創造していくことで、多くの人に親しまれるEVを創造していくことでしょう。
今回は2025年に発売予定のEV「アフィーラ(AFEELA)」の特徴や自動車業界の動向、今後の展望まで解説しました。ソニーとホンダは、お互いの強みを活かしてアフィーラを開発しています。
ソニーはスマートフォン事業やエンターテインメントの強みを活かして、移動の喜びを創造しています。ソニーやアフィーラについて、もっと詳しく知りたい人はAFEELAの公式サイトをチェックしましょう。
PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部
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