APPLE CEOの報酬が高すぎると話題に。世界のテック企業の報酬を徹底解説
先日、AppleのCEOであるティム・クック氏の役員報酬のカットが話題となりました。
Yahoo Newsからの記事によると、投資家からのフィードバックとティムクック氏自身の要請により、2023年度の報酬を40%のカットを行ったようです。
そのニュースが報道された際、ティム・クック氏の役員報酬が40%カットされても4900万ドル(約63億3000万円)であったと公表されました。
日本一の企業であるトヨタ自動車の社長である豊田章雄氏の報酬が約6億円であると考えると、その10倍の額です。
この記事では、世界のテック企業の役員陣がどの程度の報酬を受け取っているのか、徹底解説していきます。
- 世界のテック企業の平均年収は1000万円を超える
- テック企業の平均年収の高さは、ほぼすべての業界が関わること、BtoBのビジネスが多いこと、世界中の高スキル人材が集中している等の理由がある
- テック企業経営陣の報酬額は約30億円から600億円とされている
- 今後のテック企業のCEO報酬は高水準を維持することが見込まれている
目次
AppleやGoogleといった企業のCEOの報酬を解説する前に、そういった企業が属するテック業界、IT業界の平均年収について解説をしていきます。
まず日本のテック業界の平均年収は、600万円から900万円程度とされています。
海外を含めると、平均年収は1000万円を超えるとされています。
テック業界の平均年収が高い理由は大きく分けて3つあります。
・ほぼ全ての業界に関わること
・BtoBのビジネスが多いこと
・世界中から高スキル人材が集まっていること
それぞれ解説をしていきます。
1つ目の理由は、ほぼ全ての業界に関わっているためです。
2000年代は、製造業やサービス業といったくくりと同じように、IT業界というものが存在しており、他の業界への影響は少ないものでした。
ですが、クラウドサービス等が発展してきた2010年代以降、ITサービスが全ての業界に関わるようになってきました。
たとえば、2000年代にはITとは全く関係のなかった農業や林業といった第一次産業がITとの繋がりを持つようになってきました。
これに伴って、IT関連に多くのお金が動くようになり、そこで働く人に高い年収をもたらすようになりました。
もう1つの理由は、BtoBのビジネスが多いためです。
2010年代に入って多く利用されるようになってきた、クラウドサービスはその多くが企業向けのものです。
たとえば、Microsoftが提供するAzure、Amazonが提供するAWSはほとんどが大規模な企業が使用しているものです。
そうなると、BtoCビジネスよりも必然的にそこに関わる金額も大きくなり、ITに従事する人に対する年収も高くなります。
3つ目の理由は、高スキル人材が集中しているためです。
業界全体の売り上げが高くなると、高年収を狙った高スキルの人材が集中してきます。
実際、インドや中国といった成長率が高い国の高スキル人材の多くは、IT業界の仕事を狙って就職活動や転職活動を行っています。
そうすると、テック企業間で高スキル人材を狙って年収の引き上げの競争が始まります。
実際、日本のテック企業も世界のテック企業の給与水準に合わせ、新卒1年目で年収1000万を超えるオファーを出すこともあります。
こういった、高スキル人材への年収オファー競争が理由で、業界全体の年収が高くなる傾向があります。
通常の従業員でも高い年収を誇っているテック業界ですので、そのトップに立つCEOの報酬は非常に高いものになります。
以下の世界のトップ企業のCEOの報酬について解説していきます。
・Google
・Amazon
・Apple
・IBM
以下に詳しく解説していきます。
1つ目のGoogle(アルファベット)のCEO報酬です。
アルファベットの2023年時点のCEOは、インド系アメリカ人のスンダー・ピチャイ氏です。
スンダー・ピチャイ氏の報酬は、2019年時点で2億4000万ドルとされています。
日本円で約310億円程度であり、2019年時点で3年間この報酬額になると発表されており、2022年まではこの報酬を受け取っていました。
2つ目が、AmazonのCEOの報酬額です。
2021年時点でAmazonのCEOにはアンディー・ジャシー氏が任命されました。
2021年のジャシー氏の報酬額は2億1400万ドルとされています。
日本円で約275億円であり、アマゾンの株の6万1000株に匹敵します。
3つ目が、iPhoneやMacbookといったIT機器を製造しているAppleです。
AppleのCEOはティム・クック氏です。
ティム・クック氏の2022年度の報酬は、日本円にして約62億円になるとの見通しを発表しました。
ただ、この額は約半額にした額であり、通常時は約120億円の額になるとされています。
半額になった理由は、CEOの報酬額に賛同する株主が少なくなっていることを考慮してとのことであるとされています。
これらのことから、Apple CEOの報酬額は少なく見積もっても約50億円〜100億円程度の額になると予想が可能です。
4つ目がIBMのCEOの報酬です。
IBMはビジネスコンサルティングからIT導入、アウトソーシング等、ITに関するビジネスを網羅的に行っている会社です。
世界170か国以上でビジネスを行っている会社で、日本には戦前から存在する会社です。
そのようなグローバルIT企業のトップは約3300万ドル(約36億2300万円)といわれています。
他のテック企業の報酬に比べて少ないと考えられますが、日本最大の企業のトヨタ自動車のCEOの報酬が約6億円であると考えると、非常に高いことが分かるかと思います。
2021年全体のテック業界の日本国内売り上げ全体は、約16兆円とされています。
世界全体を考えると、5.3兆USドル(540兆円)程度になると考えられています。
こういった業界のトップに立つCEOの報酬が数十億円であったとしても、全体の売り上げの約数%となります。
また、今後もテック業界は大きく伸びていくことが予想されています。
これらのことを考慮すると、テック業界のCEOの報酬は高いものになっていく可能性が高いです。
一部でAppleのCEO報酬が高すぎると話題になっています。
実際、この話題を受けて、Apple CEOは報酬を一部返納する動きを見せています。
ですが、高いCEO報酬は他のテック企業にも共通しており、テック業界全体の伸び率を考慮すると、今後も伸びる可能性が高いと予想されています。
ぜひ今後もニュースをチェックする際にはテック業界全体の伸び、そのCEO報酬にも注目してみてください。
PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部
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