NEWS 2017.06.01 しない、むしろしたくない国も!?世界各国歩きスマホ事情

危険、危険と言われても、ついついやってしまう歩きスマホ。人や電柱にぶつかったり、電車のホームから落下したりと、日本ではその危険性が社会問題と化しています。鉄道会社や一部の自治体では、ポスターなどで注意喚起をするところも。

では、海外ではどうでしょう? 歩きスマホって海外でもあるの? 対策は? 気になる海外事情を、世界中の現地ライターがレポートしてくれました!

問題になっている国がある一方、歩きスマホをしない、はたまた「したくない」国も!

現地ライターの世界各国の歩きスマホレポートを読んでみると、歩きスマホが社会問題化している国、歩きスマホはあっても問題になっていない国が。はたまた、歩きスマホを絶対にしたくない国も…。

ここでは大きく「歩きスマホが問題化している国」「歩きスマホはない・あるけど問題になっていない国」「歩きスマホをしたくない国」に分けてご紹介します。

その1 歩きスマホが問題化している国

イタリア:2人に1人は歩きスマホの危険あり

イタリア:2人に1人は歩きスマホの危険あり

イタリアでは、歩きスマホのことを英語でそのまま「スマートフォンウォーキング」「スマートフォンウォーカー」と表現しています。
おしゃべり好きなイタリア人にとって携帯電話やスマホは必須アイテム。お年寄りも、息子や娘からすすめられてスマホデビューするようです。

FacebookやWhatsApp、InstagramなどのSNS、ポケモンGOなどがやはり人気で、それらに夢中になるあまり約半数のイタリア人が危険にさらされているといわれています。ミラノやローマといった都市部でよく見られ、30歳~40歳のビジネスマンに次いで、学生の歩きスマホが目立ちます。イタリア国鉄の調べでは、歩きスマホが原因での線路を渡る際の事故が増加しているという調査結果が出ています。

イタリアは観光国。観光客がMAPアプリを見たり、写真を撮ったりという歩きスマホ勢も沢山いるという状況です。

  • レポート:ゆきとさな イタリア在住。フィレンツェ県公認ガイドとして旅行業界で20年以上働く

アメリカ(ニューヨーク):クレーム大国では地下鉄ホームでの利用が盛ん

ニューヨークでは歩きながらスマートフォンを使っている人、良く見かけます。駅に注意喚起のポスターが貼られている場所があるほど。アメリカの地下鉄はWi-Fiが整備され、無料で誰でも使えます。そのため、地下鉄のホームで電車待ちの人は大半スマホでゲームなどをしていますし、そのまま電車内でもゲームをしている人ばかり。そのため、よく落とすようで画面はバリバリに割れている人が多く、地下鉄の外に出ると”40$リペア”なんて看板をしょっちゅう見かけます。

でも、歩きスマホをしながらふらふらと歩いていると、「ちょっと!ふらふら歩かないでよ。邪魔でしょ!」などと後ろから大声で怒られます。そもそもアメリカは、クレームがあれば抗議文を提出するなど、主義主張はどんなときでも明確にすべきだという考え方の国なんです。

危ない地域や遅い時間に画面を見ながらふらふらと歩くのは非常に危険。スリや犯罪の格好のエジキです。何があっても自己責任となりますので、周りの人を見ながら自己判断を。

  • レポート:えもりまりか ニューヨーク在住。ブルックリンにて犬と暮らす

台湾(たいわん):台湾では「低頭族」が大問題!歩きスマホは増加途中?

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大はやりしたスマホゲーム「ポケモンGO」リリース直後の台湾では、強いモンスターを求める人々が歩きスマホならぬ「走りスマホ」する姿が話題となりました。

そんな台湾のことなので、歩きスマホはさぞ大きな社会問題になっているだろう!と思いきや、実のところ日本に比べれば歩きスマホはやや少な目。歩きスマホがないわけではありませんが、公共施設や店頭でWi-Fi環境が整備されている台湾では、飲食店・駅などで座って(止まって)スマホを使う人を多く見かけます。

むしろ台湾で大問題として捉えられているのはスマホ依存症。スマホ依存症を指す「低頭族(ディートウズゥ)」という言葉があるほど。いつでもどこでもスマホの画面を見てうつむいているため、読んで字のとおり頭の位置が低い人のことを表しています。確かに、台北(たいぺい)の地下鉄で周囲を見回すと、うつむいてスマホの画面を凝視している人だらけ。

低頭族の影響で、今後台湾ではさらに歩きスマホが増えてしまうかも……?

  • レポート:河野(こうの)成美(なるみ) 世界各国移住中。台湾(たいわん)・タイを渡り歩き現在はベトナム・ホーチミン

その2 歩きスマホはない・あるけど問題になっていない国

ドイツ:厳しい法律社会と犬への愛で沈静化、ドイツではNGの歩きスマホ

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ドイツ語では、歩きスマホを「Laufen mit dem Handy(携帯を使いながら歩く)」や「eim Laufen auf's Handy schauen(携帯で調べ物をしながら歩いている)」と言います。この長々しいドイツ語が示す通り、「歩きスマホ」に該当する熟語はなく、それほど一般的な事ではありません。その理由は、ドイツの厳しい法律社会のため。

具体的に歩きスマホを規制する法律はないのですが、歩きスマホをしている人が仮に事故に遭った場合、保険がおりないどころか、例え本人が死んでいたとしても、「車を傷付けましたね?お金を払ってください」と遺族が言われる可能性が高いのです。

また、ドイツは犬をとても大切にする国。ポケモンGOが流行した際に、一時的に歩きスマホをする人が街にあふれたのですが、携帯ゲームに熱中する人間が犬にぶつかったり、自転車でひいたりという事件が発生したところ、ニュースで大々的に取り上げられ、社会問題に。となると、一気に歩きスマホは沈静化しました。

かわいい家族のため、そしていずれ来る賠償責任のため。ドイツでは歩きスマホは一般的ではありません。

  • レポート:華酉 ドイツ在住。日系企業ドイツ支店で勤務中

スイス:人口密度の低さで問題発生せず!?

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スイスでは歩きスマホをしている人はいます。しかし、それが問題になることはありません。なぜならスイスは日本と違い人口密度が低いので、歩きスマホしていても人にぶつかるという事がまずないのです。ですので日本のように歩きスマホ禁止!などのルールは見たことも聞いたこともありません。

さて、そんなスイス、歩きスマホ中にはほとんどみんなが音楽アプリSpotifyで自分の好きな曲を聴いています。ティーンエージャーは、友達といるにもかかわらずイヤホンを片耳に残してまで音楽を聴いてます。もちろん、SNSを見ることも。歩きスマホしながら好きな音楽をかけてスナップショットを見たり、自分で撮って投稿したりしています。

  • レポート:KANA スイスのフランス語圏在住。今夏よりイギリス・ブライトンにワーホリ予定

イギリス:命を守るために自主規制!?

イギリス:命を守るために自主規制!?

連日観光客で賑わうロンドンでも、そこここで歩きスマホの光景を見かけます。でも、よくよく見ていると、そのほとんどは観光客で、実際ロンドナーたちはそれほどスマホとにらめっこして歩いているわけではありません。

ハンズフリーがかなり普及しているので、スマホを持たずに通話している人が多いせいもあるかもしれませんが、なんといっても「ジェイウォーキング」(交通規則を無視した道路横断歩行のこと)が有名なロンドン。

歩行者は歩行者用信号が赤でも平気で渡るし、逆に歩行者用信号が青なのに車が通る、なんてことも。そんなロンドン、歩きながらスマホの画面を見ている場合ではありません、自分の身を守るためには周囲に目を配る必要があるのです。

そういったわけで特別な対策は施されていませんが、問題には発展していないようです。また、繁華街や目抜通りで歩きスマホをしていると、観光客だと思われて物乞いに絡まれる可能性も高くなるので要注意です。

  • レポート:YUKI ロンドン在住。現在はイギリス国内のビール工場を訪ねる旅に。

タイ:祭りの時期とゴキブリには気を付けたい!

タイ:祭りの時期とゴキブリには気を付けたい!

タイでは治安や車の運転の荒さ、道路の整備が進んでいないことも影響しているのか、日本人から見れば歩きスマホは格段に少なく感じられます。

歩きスマホを表す「สังคมก้มหน้า(サンコンコンナー)」という言葉があるものの、店番の店員さんがスマホをいじってる姿を見かける回数の方がはるかに多いです。しかし、怖いなと感じたことが一度だけ。

今年の水かけ祭り(ソンクラーン)期間中はバックパッカーの聖地と言われる通りに滞在したのですが、祭りの熱気が高まり、通りはかなりカオスな空気に。スマホでの撮影に夢中な人も多く、結果的に男性同士が接触してトラブルになっていました(水はどんなに掛けても怒らないのに)。

私個人としては何よりもタイで歩きスマホをすると、いつゴキブリを踏むかわかりませんよということをお伝えしたいです。特に都市部では要注意!

  • レポート: 河野成美 世界各国移住中。台湾・タイを渡り歩き現在はベトナム・ホーチミン

その3 絶対に歩きスマホをしたくない国

ベトナム(ホーチミン):歩きスマホよりも危険なバイクスマホ!

ベトナム(ホーチミン):歩きスマホよりも危険なバイクスマホ!

ホーチミンでは皮肉にも、ひったくりが歩きスマホの抑止力です。ベトナムの中でもホーチミンはひったくりが多く、現地の人からも注意してと釘を刺されるほど。もし歩きスマホをしたいなら、周囲に対する注意力が必要です。後ろからバイクで迫るひったくりに、スマホをむんずと掴まれ、あっと思った瞬間にバイクは遥か彼方へ。

高価なスマホは格好の獲物なので、ホーチミンでは歩きスマホをしないことが当たり前です。むしろ、バイク社会のベトナムで危険なのは「バイクスマホ」。バイクスマホで警察官に捕まっても、賄賂で解決することが頻繁にあり、厳格に取り締まっていないためでしょうか。

ホーチミンでは、かなりの頻度でバイクスマホを見かけます。大したスピードは出ていませんが、もちろん当たれば死にかねない。法で規制できていない以上、ドライバーの良心に訴えるほかないのかもしれません。

  • レポート: 河野成美 世界各国移住中。台湾・タイを渡り歩き現在はベトナム・ホーチミン

ボリビア:高い機種は格好の獲物!スリに用心

ボリビア:高い機種は格好の獲物!スリに用心

ここ南米の内陸国ボリビアでは若者たちの間で歩きスマホ姿を見かけることはありません。

もちろん町の中心の広場で座ってスマホをいじる若者たちは居ますが、歩きスマホはほぼありません。こちらで売っている安い機種のスマホの事を「チーノ」、中国製の意味でそう呼びますが、チーノを使うボリビア人の若者たちはスマホを手にイヤホンをして音楽を聴きながら歩いているのをたまに見ます。それでもたまにです。なぜなら、ひったくられたりすられたりするから。

外国人旅行者は町では目立ちます。そして、外国人はお金を持っていて新しいスマホの機種を持っているとボリビア人のスリたちは知っているので、外国人というだけでマークされます。なので、旅行で訪れる際は絶対に街中での歩きスマホは避けたほうがベター。私も、ボリビア人の友人から街中でスマホを出さないほうが良いと注意されました。

  • レポート:ZIC ボリビア在住。ウユニ塩湖以外もスポットライトが当たるよう活動中

世界の歩きスマホ事情から、あなたはなにを考える?

以上、世界各国の歩きスマホ事情をお伝えしました。一言に歩きスマホといってもそれをとりまく環境はさまざま。対策が取られていたり、いなかったり、問題化していたり、していなかったり……いまはまだ歩きスマホがない国や問題になっていない国も、今後の状況によっては問題化もあり得るかも。

しかし、どの国でもどのような状況でもいえることは、歩きスマホするもしないも、本人の心持ち次第。スマホを利用するシーンや場所を考えての利用が、歩きスマホによる危険を遠ざける一番の対策のようです。

TEXT:TRIP’S編集部

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