流行るの!? どうなの!?「Mastodon(マストドン)」ってどんなSNSなの?
次々と新しいサービスが出ては消えていき、移り変わりの早いSNS界隈も、ここ数年はちょっと停滞気味? 昨年はSnapchatというSNSが、画像や動画が自動で消滅してしまう機能で若者を中心に流行。それがSNSのネクストウェーブと目されていたところ、Instagramが似たような機能をリリースしてつぶしにかかるなどSNS界では仁義なき戦いが繰り広げられていますが、新興SNSとして話題を呼んでいるのが、ドイツ在住のEugen Rochko氏によって開発された「Mastodon」。その話題のワケと特徴とは?
共通の趣味をもったクラスタに飛び込めるのが「Mastdon」
これまでのSNSは、アカウントを登録したら、自身の興味のある話題や、ユーザーなどをフォローし自らタイムラインを組み上げていくスタイルが基本でした。Mastdonでは、無数のサーバーが存在していて、誰かをフォローすることなく、タイムラインにそのサーバーに存在しているアカウントのつぶやき(トゥート)が流れてきます。これが、新たなSNS「Mastodon」が話題を集めた要素のひとつ。いったいどんなSNSなのでしょうか? 早速みていきましょう。
MastodonはどんなSNSなの?
・Twitter、Facebookとは違うところ
Mastodonの基本的な機能は「トゥート」「ブースト」「CW」の3つ。「トゥート」とは、Twitterでいう「ツイート」のことで、Twitterが140文字なのに対し、Mastodonは500文字までの投稿が可能です。「ブースト」はTwitterなら「リツイート」にあたり、Facebookであれば「シェア」のような機能になります。
ちなみにMastdonという名前は、約4000万年前ごろまでに生存していたといわれる、ゾウやマンモスのような見た目の生き物から名付けられています。なので、ゾウのような見た目のキャラクターが用いられているようです。
「CW」は他のSNSにはあまりみられない機能。これは、投稿が折りたたまれる機能なんです。CWボタンを押すと、上部にテキスト枠が表示され、その枠に入力した文字列以外は折りたたまれて表示されるので、たとえば「ネタバレ」や、刺激の強い内容などをトゥートする際に使います。ちなみに、CWというのはコンテンツワーニング(Contents Warning)の略語です。
・ 「中心」が存在しないSNS
Mastodonの最大の特徴は「中心が存在しない」ということ。これが分散型SNSと呼ばれるゆえんです。Twitterの場合はtwitter.comにすべてのユーザーのツイートが集約されているのに対し、Mastodonではmstdn.jp、pawoo.netなど無数のサーバーが存在。それらは「インスタンス」と呼ばれ、ユーザーはいずれかのインスタンスに登録するかたちとなります。趣味や住んでいる地域、プログラマーなどの職種等、個人がつくったものや企業が作ったものまでさまざまな個性を持ったインスタンスが存在。それではどんなインスタンスがあるのか、みてみましょう。
- mstdn.jp(日本最大級)
- pawoo.net (pixiv公式)
- friends.nico (niconico/ドワンゴ公式)
- mast.moe (オタク向け)
- mstdn-workers.com (労働者のためのMastodon)
- mstdn.studio (コスプレ)
- mbstdn.tokyo (スマホ写真・スマホ写真家・趣味のスマホ写真)
- otoya.space (音楽/クリエイター)
これでもまだまだごく一部。Googleなどで「カメラ Mastdon」などと検索すると、きっとあなた好みのインスタンスが出てくるはずですよ。
・ フォローしなくてもゆるく繋がれる
Mastdonには「ローカルタイムライン」と呼ばれる、インスタンスに投稿された全トゥートが集約されるタイムラインがあるため、特定の誰かをフォローするというSNSではあたり前の行動をせずとも、インスタンスに登録するだけで多くの共通点を持つ仲間とつながることができます。
もう一つ、上記画像の右端の列に「連合タイムライン」というものがある。これは、インスタンスを横断して、フォローをした人や、その人がブースト(Twitterでいうとリツイート)したトゥートが流れてくるタイムラインで、いわば多国籍交流の場のようなもの。
・SNS疲れを防ぐ、投稿プライバシー設定
Mastodonは各投稿に対し「公開」「未収載」「非公開」「ダイレクト」といった4つのプライバシー設定をすることができます。「公開」では公開タイムラインと、フォロワーのタイムラインの両方に表示、「非公開」ではフォロワーだけに表示させることができます。こうした投稿ごとのプライバシー設定によって複数のアカウントを使い分けることなく、パブリックな発信からプライベートな話題まで自由に楽しめます。
・登録方法
まずは登録したいインスタンスのMastdonにアクセス。
TOPページから、ユーザー名、メールアドレス、パスワードを入力するだけ。その後、登録したメールアドレス宛に、アカウント認証用のメールが送信されてくるのでそのメール内のリンクをクリックして登録したインスタンスにログインをしましょう。もちろん実印は必要ありません!
SNSの未来を見られるかも? まずは体験してみよう
Mastodonを楽しめるかどうかは、どんなインスタンスに登録するかが大きなカギ。お好みのインスタンスを見つけるまではちょっと手間かもしれませんが、うまくハマれば気の合う人同士が集まる、インターネットのような楽しさを体験できるはずです。
Photo By Thinkstock / Getty Images
TEXT:坂上春希
イラスト:おほしんたろう
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