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2020.08.21 「達人の間合い」がスゴい!世界でも活躍するストリートファイターのプロはゼロコンマ何秒の世界で戦っている【にわか歓迎!eスポーツ応援部】

最近日本でも話題となっているeスポーツ。世界競技人口は1億3000万人、世界市場規模は1400億円を超えていると言われています。「ゲームはよくやるけど、eスポーツへの興味はあんまり....」という人もいるかもしれませんが、かつて私たちが熱中したゲームもeスポーツの種目になっているのはご存じでしたか?例えばストリートファイターやウイイレ、グランツーリスモやパズドラなど。

そこでPreBellでは、まだeスポーツのことをよく知らない、いわゆる“にわか”な人でも楽しめるゲームタイトルを紹介!今回は格闘ゲームの金字塔「ストリートファイター」で繰り広げられるeスポーツの戦いに迫ります。

格闘ゲームと言えばストリートファイター!

「昇龍拳」「波動拳」というカッコいい必殺技名は、ストリートファイターのことをあまりよく知らない人でも聞いたことはあるのではないでしょうか。1987年に誕生して以来、世界中で大ヒットを記録し、対戦型格闘ゲームという巨大ジャンルを確立させたタイトル。それがストリートファイターです。

『ストリートファイターV チャンピオンエディション』アナウンストレーラー

キャラクター特有の必殺技やコンボを駆使して相手を攻撃し、倒す。一見シンプルなストリートファイターですが、eスポーツでは数々の熱いシーンが繰り広げられてきました。

格ゲーと言えばストリートファイター!

闘いの様子が直感的に分かる!ストリートファイターは観戦に向いているeスポーツ!!

現在、ストリートファイターでは数多くの世界大会が開かれ、日本勢の活躍にも目覚ましいものがあります。では、ストリートファイターのeスポーツとは一体どんなものなのでしょうか? 格ゲーをあまりプレイしたことがない方は「試合を見てもよく分からなそう……」と思うかもしれません。

しかし実は、数あるeスポーツの中でも、ストリートファイターや格ゲーは闘いの様子が直感的に分かりやすいんです。なぜなら、画面上部の「体力ゲージ」がゼロになったら勝敗が決するから。攻撃が当たったらゲージも減るため、戦況も理解しやすいです。

ストリートファイター

そんな難局から逆転できちゃうの!?プロの闘いはミラクル続き!

ただ、プロの選手は体力ゲージが少し減ったくらいでは全く焦りません。そんな冷静かつ熱い闘いの様子が分かる動画がこちら。世界で行われるCAPCOM Pro Tourの1つ、「EVO 2017」の決勝で、当時世界最強と言われていたアメリカ人選手Punkに、日本人プレイヤーのときど選手が挑んだ試合です。あまり知らない人が見ても、一進一退の攻防には手に汗を握るはず!果たしてその結果は……!

SFV: Echo Fox Tokido vs PG Punk - EVO 2017 Grand Final - CPT2017
「コンピューター的」な正確さのPunkに押され気味だったときど選手が、逆転して勝利した1ゲームが鍵に。EVOは1995年にアメリカで創設された歴史ある大会。会場のボルテージもスゴい……!

先ほどのときど選手など、ストリートファイターの世界では有名日本人プレイヤーが多くいます。その中でもひときわ知名度が高く、国際的なスーパースターなのがウメハラ選手。「Daigo the Beast」の異名も持つウメハラ選手には、ある伝説的なプレイがあります。「EVO 2004」での出来事「背水の逆転劇」です。

準決勝で当時23歳のウメハラ選手が当たったのはアメリカ人のライバル、18歳のジャスティン・ウォン選手。守備的なスタイルにウメハラ選手はフラストレーションが溜まり、あと一歩で負けのところまで体力ゲージを削られてしまいます。しかし最後のジャスティン・ウォン選手の必殺技に対して、ウメハラ選手はなんと超絶難易度の15連続ブロッキングを決めます。その後すぐさま12ヒットコンボのカウンターを決め、大逆転勝利を収めたのです……!まさにミラクル!

YouTubeの公式動画は必見です!ブロッキングのたびに歓声が上がり、会場の盛り上がりも絶頂に達しています。

Official Evo Moment #37, Daigo vs Justin Evo 2004 in HD
EVO 2004の「背水の逆転劇」。対戦動画は史上最も視聴された対戦型ビデオゲームの映像としてギネスに認定されています。

このブロッキングの猶予時間は数フレーム(=0.05秒~0.1秒ほど)と言われており、アクションを入力するタイミングは非常にシビア。多段の技をすべてブロッキングするのは常人にはほぼ不可能な芸当です。

プロ選手たちは対戦相手の癖や技を知り尽くした上で動きを読み、ゼロコンマ何秒のフレーム差で技を当てる、避けるのせめぎ合いをしています。その闘いの様子はまさに「達人の間合い」。

プロの中には毎日10時間以上も練習を積んでいる選手もいるそう。ストリートファイターは「相手を倒す」というシンプルなゲームですが、心・技・体のすべてが必要なスポーツなのです……!

手に汗握る超絶プレイはオンラインで観戦できる!

ストリートファイター

ここまで熱いストリートファイターのシーンを紹介してきましたが、2020年の大会はオンラインに場を移して開催されています。カプコンのストリートファイターのeスポーツに関する映像を配信しているチャンネル・Capcom Fighters JPでは、カプコンの世界大会「CAPCOM Pro Tour」もYouTubeで見ることができます。先ほどご紹介したウメハラ選手も、東アジア地域代表として世界大会出場を決めています。

ストリートファイターでは百戦錬磨のベテランの活躍が目立ちますが、新しい世代も台頭してきています。今年1月に開催されたEVOの日本大会「EVO JAPAN 2020」決勝戦では、若手ホープのNauman選手が登場。これまでベテラン勢の優勝が多かった中で誕生した若手王者・Nauman選手。この先のストリートファイターのeスポーツシーンに期待が膨らみます。
格闘ゲームの祭典「Evolution Championship Series: Japan」の公式チャンネルで熱い闘いが見られます。

また、9月下旬より「ストリートファイターリーグ: Pro-JP」が開催され、本記事で取り上げたような名だたるプレイヤーが出場予定!日本最高峰の対戦格闘リーグをお楽しみに。詳しくは以下のサイトをご確認ください。
https://sf.esports.capcom.com/

それから、現在ストリートファイターリーグの前哨戦として、プレシーズン大会を開催中。 先日オープン予選が終了し、4名のプレイヤーが決勝戦へ進出しました。 9月5日、6日にはストリートファイターリーグに出場するリーダー以外の選手による予選トーナメントを開催。
ここで勝ち残った2名のプレイヤーと先日のオープン予選を勝ち残った4名に加え6名のシード選手(ストリートファイターリーグのチームリーダー)が9月21日に行われる、ファイナルトーナメントで戦います。
ファイナルトーナメントの賞金総額は、なんと300万円! 詳しくは以下のサイトをご確認ください 。
https://sf.esports.capcom.com/sp/preseason/open/

数ある名勝負を生んできたストリートファイターのeスポーツ、白熱のバトルをぜひ追いかけてみてはいかがでしょうか。

©CAPCOM U.S.A., INC. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.

TEXT:弥富文次
イラスト:くまみね

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