個人情報保護委員会、破産者情報を同意なく掲載しているサイトに停止命令。
個人情報保護委員会は、3月23日、破産者の情報が掲載されたWebサイトの運営をおこなっている事業者に対して、サイトを通じた個人情報の提供を停止するよう命令したと発表した。
どのWebサイトへの停止命令なのか、サイト名は明らかにされていない。理由として、サイト名を出すことでアクセス数が増加するのを防ぐためだとしている。
停止命令が出されたWebサイトでは、官報に掲載された破産者の氏名や住所を、本人の同意を得ることなく無断で掲載していることから、個人情報保護法23条1項に違反しているのだという。
個人情報保護委員会は、事業者が今回の停止命令に応じない場合には、刑事告発をすることも考えている。
対象のWebサイトに関する約150件もの苦情
今回の対象となっているWebサイトでは、本人の同意なく掲載しているにもかかわらず、掲載された情報を消してもらうには2,980円の手数料が発生する。
しかし、お金を払っても削除されなかったケースもあるようで、個人情報保護委員会に苦情が届いたこともあるという。
さらに、苦情が届いたのは情報の削除をしなかったという内容だけではない。就職活動に影響を及ぼすといったものや、精神科に通院しているといったものなど、およそ150件もの苦情が寄せられた。
破産者に関する情報をWebサイトに掲載した事業者に停止命令が出されたのは、今回を含めて3件目だという。今までに停止命令が出された2件は、Webサイトが閉鎖される結果になったようだ。
個人情報保護委員会の措置により、破産者が差別されるかもしれない情報が、本人の同意なく掲載されるWebサイトが一つでも多く減ることに期待したい。
【関連リンク】
・個人情報の保護に関する法律に基づく行政上の対応について(個人情報保護委員会)
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/220323_houdou.pdf
・破産者サイトに停止命令 個人情報保護委「差別の恐れ」(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE237470T20C22A3000000/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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