メルカリが「スキマバイト」サービス拡大、闇バイト(組織的強盗犯)対策を強化
近年ネット上で人員を募り違法行為を行わせる闇バイト、いわゆる「組織的強盗犯」が深刻な社会問題となっている。SNSや求人サイトが主な勧誘の場となっており、特にXでは投稿の真偽を見分ける方法などが頻繁に話題に上がっている。この状況は、急成長を遂げる「スキマバイト」産業にも影響を及ぼしかねない事態となっている。
このような中、スキマバイトサービス「メルカリ ハロ」を展開するメルカリは23日、中小事業者による求人掲載を可能にすると発表した。これまで大手企業に限定していた求人掲載を、審査を通過した中小事業者や個人事業主にも開放する。事業者はウェブサイトから利用を申し込み、審査通過後に求人を掲載できるようになる。
しかし、求人掲載の門戸拡大は、組織的強盗犯に類する不正な求人の増加リスクも伴う。メルカリの太田麻未執行役員は「同業他社や関連省庁、業界団体との密接な連携のもと情報収集を行い、トラブルの未然防止に努める」と述べ、厳格な監視体制を敷く方針を示した。
大手企業の参入相次ぐ中、安全性確保が課題に
メルカリ ハロは新たに、すしざんまいやヤマト運輸といった大手企業の本格参入も発表した。すしざんまいは11月から全国展開を、ヤマト運輸は10月から全主要エリアでの求人掲載を開始する。さらに電動モビリティシェアの「Lime」も、従来の倉庫作業員に加え、安全講習のイベントスタッフ募集を新たに開始する。
サービス開始から7カ月半で登録者数が800万人を突破するなど、急速な成長を遂げているメルカリ ハロだが、安全性の確保が最重要課題だ。太田執行役員は「メルペイでの審査のベストプラクティスを活用しながら、不適切な事業者を排除する仕組みを構築している」と説明。また、専用のカスタマーサービスを設置し、トラブル発生時の迅速な対応体制も整えているという。
このように、拡大するスキマバイト市場では、利便性の向上と安全性の確保という二つの課題の両立が求められている。メルカリは引き続き、監視体制の強化と利用者保護に注力していく方針だ。
【関連リンク】
・“メルカリ版タイミー”の「闇バイト」対策は 中小企業や個人事業主からの求人が可能に(ITmedia NEWS)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2410/23/news130.html
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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