「インスタ映えの奴隷」ポックリボーイ直伝、うまそに撮れていいねがもらえるグルメ写真撮影テクニック
インスタ映えするグルメ写真を撮りたい。でも「おしゃれ」とか「かわいい」ではなく、本当に美味しいものを「うまそー!」に撮りたい。しかも、手軽にスマホだけで。そんなあなたにいいね! を平均で約1000件、時には2000件を超えることもある美味しそうなグルメ写真で食欲を刺激する! と人気のインスタグラマー「ポックリボーイ」さんに、すぐに真似できる心構えやテクニックを伺いました。
SNSで「いいね!」をもらうためには写真が重要
美味しそうな料理が運ばれてきたら、食べる前にスマホで写真を撮ってSNSにアップする。いまでは日常に溶け込んだ光景となりました。せっかくアップするなら、たくさんの「いいね」がもらえる写真を撮りたいものですよね。そこで今回は、写真をポストするたびに「いいね!」を平均1000件もらっている人気インスタグラマーのポックリボーイさんに「スマホで撮れるグルメ写真テクニック」を聞きました。
自身を「インスタ映えの奴隷」と称し、インスタグルメ写真に並々ならぬ情熱を注ぐポックリボーイさん。もともと食べ歩きが趣味だったということもあり、インスタグラムには全国にわたる膨大なグルメ写真が掲載されています。
「インスタ映え」のための前提
2003年からwebサイト「ポクポクライフ」(現在は更新お休み中)を開設し、たくさんのグルメ画像をインターネットにアップしてきたポックリボーイさん。今回お話を聞くにあたって、テクニックよりもまず最初に大切なことがある! と教えてくれました。それがこちらです。
前提
- 撮影禁止の店には行かない。
- 照明の明るい店を選ぶ。
- 食べかけの写真は撮らない(食べる前に撮る)
- できるだけ自然光で撮ることを心がけ、スマホのフラッシュは使用しない。
- 使用中の灰皿、使ったおしぼり、メニュー、調味料(醤油やコショウ)など、画面のなかに余計なものが写り込まないようにする
「インスタ映え」を目指すなら、もちろん撮影禁止のお店での撮影はNG!そして照明が暗いお店はやはり美味しそうに撮るのが難しいとのこと。同じお店でも明るさが異なる場合は、明るい席に座ることが重要となりそうです。ポックリボーイさんは、逆光の席が空席だったらそこを指定して座るようにしているとか。
逆光とは、カメラに対して被写体を挟んで正面から光があたる状態のこと。なぜ逆光の席を選ぶのかというと、正面から光が当たった時にくらべて、影が落ちることでメリハリがつき、食品の立体感が増すことで、より美味しそうに写真を撮ることができるからです。
この前提を踏まえた上で、ポックリボーイさんは「いいね!」を獲得できる撮影方法を独自に導き出したそう。どういったテクニックを使っているのでしょうか。
●インスタ映えポイント その1「赤さ(暖色)」
「経験上、食べ物が赤ければ赤いほど、いいねは増えます」とポックリボーイさん。「赤は血の色であり、リアルな生命感と躍動感を持つ色。赤い食べ物は美味しそうに見えるんです」。
たしかにレアなステーキの赤は美味しそうですよね。ポックリボーイさんは、目の前に赤い食べ物があることを「いいねの追い風が吹いている状態」と話します。「本末転倒ですが、インスタ映えの奴隷の僕としては、パスタなら白いペペロンチーノよりも赤いミートソース、刺身なら鯛よりもマグロを頼みます。」ステーキを頼んだらわざわざ自分で盛り付けなおして断面の赤が見えるようにしてから写真を撮るそうです。
テクニック:赤い食べ物を目立たせる!
同じ画面に複数の色の食べ物がある場合、最も目立つ赤いものを手前に配置することで、印象的な画作りを。食材の配置だけではなく、たとえば上記画像のようにトマトの豚肉巻きなどを頼んだら、豚肉を外してなかのトマトが見えるようにするのも手です。
●インスタ映えポイント その2「高さ」
「天に届く『バベルの塔』伝説に語られるように、古来から人は高さに憧憬の念を持ち『塔』を作ってきました。二郎系ラーメンなど盛り付けが高いものは立体感が出て美味しそうに見えるんです」
テクニック:高さを表現できるアングルを探す
おしゃれな写真の撮り方として真上から見下ろして撮るアングルがありますが、せっかく盛り付けが高いものを真上から撮ってしまっては高さが伝わらずもったいない。斜め上や横からなど、高さが伝わるアングルで撮影しましょう。
テクニック:自分で盛り付け、高くする
ラーメン屋で別皿で提供されるネギなどがあればチャンス! ここぞとばかりに高く盛り付け「インスタ映え」を目指しましょう。
上記画像のように、定食屋でご飯の上におかずを盛り付けるテクニックもポックリボーイさんの得意技です。
●インスタ映えポイント その3「なまめかしさ」
3つ目にして、最大のインスタ映えの重要要素だと教えてくれたのが、なまめかしさ。「なまめかしさは官能と同義であり、赤さと並ぶ生命感と躍動感を持つテクスチャーです」とのこと。代表的なところでは、刺身が挙げられます。そして焼肉は、焼いたものではなく焼く前の生肉を撮影するのがポックリボーイさん流。
テクニック:「生卵」で手軽になまめかしさを
生卵を加えることで、本来はなまめかしくない料理にも後からなまめかしさを加えられます。さらに、卵黄は黄色なので暖色の要素も備えています。これだけでインスタ映えポイントを2つ押さえることができる反則技のような食材なんだとか。
ここまでの3つのポイントを押さえて写真をアップすることで「いいねが暴走する」とポックリボーイさん。さらに、いくつかの料理別に、撮影のテクニックも教えてくれました。このテクニックを使えばあなたの写真もいいね!が暴走するかもしれません! さっそく秘伝のテクニックをチェックしていきましょう。
料理別テクニック集:ラーメン編
レンゲ外し
丼にレンゲが入ってくることもあるラーメンですが、写真を撮る時にそのレンゲを構図から外すことで「食べ物としてのヴィジュアルの純度が上がる」のだそう。確かに、ラーメン雑誌を注意して見ると、レンゲは外されていることが多いんです。
麺出し
「これはいいねに直結するかは不明ですが…」という前置きとともに紹介してくれたのがこのテクニック。豚骨などの白濁系のラーメンだと麺がスープに沈んでいて見えにくいことがあります。 そんな時は麺を表面に引っ張り出して、どんな麺なのかを見る人に伝える技です。
料理別テクニック集:牛かつ編
断面見せ
提供されたままのかつを撮影してしまうのは非常にもったいない! 「赤さ」の説明のときにも書きましたが、牛かつが席に届いたら、数切れ倒して食欲をそそる肉の断面を見せるテクニックを使いましょう。牛かつは「赤さ」が際立つ料理のため、これでもかと多めに倒して撮影するのがオススメです。
料理別テクニック集:定食編
メインディッシュ以外左遷
定食は全景を収めようとすると印象が散漫に。そこでメインディッシュにフォーカスして、残りの料理は引き立て役にするため、配置を移動させ、遠近法を駆使して撮影しましょう。「和食には本来決まった配置があるともされ、無粋かもしれませんが、僕は作法より楽しさを優先させています」とはポックリボーイさんの弁。上記の画像を左にフリック(PCの方は矢印をクリック)して2枚目、3枚目の写真をご覧いただくと、驚きの配置で撮影されていることがわかりますよ。
「美味しそう!」と思う気持ちが重要
数多くの撮影テクニックをご紹介いただきました。今回のお話を聞くと、インスタグラムの登場以降に流行した食べ物、ローストビーフ丼は「赤さ」「高さ」「なまめかしさ」の全てが押さえられた料理だと気づかされます。これらの撮影テクニックは、お店側にも発見がありそうな内容です。
そして最後にポックリボーイさんが一番重要な心構えとして教えてくれたのは「これから自分が口にする食べ物への憧れであり、美味しく写ってくれ!という強い願い」でした。撮影技術はもちろんですが、グルメ写真においてもっとも重要なのは料理へのリスペクト。これらのテクニックと心構えを活用し、どうぞ素敵なインスタライフをお過ごしください。
TEXT:坂上春希
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