スマホの通信速度制限がウザい!なぜ始まったのか、詳しい人に聞いてみた ネットの疑問・お悩み

スマホの通信速度制限がウザい!なぜ始まったのか、詳しい人に聞いてみた

通信速度制限がかかった状態でのインターネット利用はストレスフル。そうなったあとに快適にネットを使うには、データ容量が回復する締め日を待つか、お金を払ってデータ容量を追加し速度制限を解除するか、常にWi-Fiを利用するしかありません。厄介な通信速度制限、いったいなぜ行われるのでしょう?

我々の生活に欠かせないスマホ。でもその快適な利用を邪魔する存在が…。

InstagramやYouTubeなど、最近は動画を観る機会も多くなっています。あくまで目安ですが、YouTubeで5分の動画をみると約25MBの通信量に。そして、携帯料金の締め日が近づくと「速度制限まで残り1Gです」というメールが届くという方も多いはず。

そう「通信速度制限」です。ネット利用、データ使用量が月々のプランを超えるとはじまるあの憎き速度制限。

一度はじまると動画だけでなく写真の表示すらままならなくなってしまい、ストレスが溜まってしまいますよね。スマホ/ケータイジャーナリストとして広く活躍される石川温さんになぜ通信速度制限が行われるのかをお聞きしました。

「通信速度制限」はいつから、なぜ導入された?

——ガラケー時代はデータ容量が使い放題の「ダブル定額(au)」や「パケットし放題(ソフトバンク)」「パケ・ホーダイ(NTTドコモ)」などのプランがあったはずですが、なぜスマホではデータを使いすぎると通信速度制限が行われるようになったのでしょうか。

石川「ネットワークの容量には限りがあるからです。そのため、全てのユーザーに公平にネットワークを使ってもらうために、通信速度制限を実施しています。膨大なデータを使う人がいると、他の人がネットワークを使えないという状況が発生するため、使いすぎた人に対して、速度制限を実施しているんです」

——ガラケー時代にはなかったはずですが、いつから「通信速度制限」がされるようになったのでしょうか

石川「ガラケーは、キャリアが仕様を決めたうえでメーカーによって作られており、日本のネットワークの容量を考慮して、通信速度を規定することが可能でした。そのため、ネットワークと端末がバランスのよい状態を維持できたのです。しかし、スマホの場合は、Appleなどのメーカー側が、より速く、より大容量のネットワーク通信ができるような端末を作りました。彼らはグローバルなメーカーなので、日本一国の事情だけを見て端末を作ることはありません。こういった端末を持ったユーザーが大量に通信を行うとネットワークが破綻してしまうことがあり、キャリア側は通信速度制限を実施することになったのです。iPhoneが普及しはじめた頃から、通信速度制限が本格化しました」

——将来的に通信速度制限が無くなることはないのでしょうか?

「無線ネットワークには限りがあるため、今後も数年は通信速度制限が続くと思います。しかし、2020年には次の世代である『5G』がスタートします。5Gはこれまでよりもさらに高速・大容量のネットワークになりますので、場合によっては通信速度制限がなくなる可能性もあり得るかもしれません

まだまだ続きそうな速度制限。希望は2020年の「5G」

通信速度制限は、キャリアが各端末の基本仕様を定めていたガラケー時代から、メーカー主導による端末開発が行われるスマホ時代への移行期に行われるようになったのだとか。それにガラケー時代はテキストや低解像度の画像がデータ通信の中心で、現在のように頻繁な通信や映像などのやりとりをするSNSはここまで普及していませんでした。

より多くのデータを使うようになったからこそ、生まれた通信速度制限。2020年からはじまるとされている5Gの時代には通信速度制限がなくなることを期待しましょう。

TEXT:坂上春希

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