4G回線の進化版「VoLTE(ボルテ)」とは?使い方やメリットのおさらい ネットの疑問・お悩み

4G回線の進化版「VoLTE(ボルテ)」とは?使い方やメリットのおさらい

格安SIM(MVNO)に乗り換えるときによく聞く「VoLTE」という単語。「聞いたことはあるけど、よくわからない…」「なんて読むんだ…」と感じている方もいるのでは? 簡単に言うと、VoLTE(ボルテ)とは、携帯電話の通話に関係した用語で、高速モバイル通信「LTE」を使って音声通話を行う方法のことを意味します。今回は、今さら聞けない「VoLTE」の仕組みや、スマホでVoLTEを利用する際の注意点などを詳しく解説します。

「VoLTE(ボルテ)」とは?

「VoLTE(ボルテ)」とは?

VoLTEとは、「Voice over Long Term Evolution」の頭文字をとった略称で、データ通信技術・通信技術規格の名称です。

このVoLTEは、高速モバイル通信「LTE」を使って音声通話をするというもので、音声データをデジタルデータに変換し、他のデータと同じように“パケット”として扱い、LTE回線を使って通話をするというものです。仕組みとしては、050アプリやSkype、LINEなどに代表されるIP電話に近く、現在は多くのスマートフォンで採用されています。

VoLTEを使うには?

VoLTEは、docomo、au、SoftBankの大手携帯電話会社(3大キャリア)すべてから提供されているサービスで、キャリアごとに回線の種類があります。また現在では、一般的な通話規格となっています。

なお、格安SIMサービス(MVNO)は、この3大キャリアの通信サービスを安く借りて人件費などのコストをできるだけ削り、SIMを安く消費者の私たちに提供しているため、前述と同様に格安SIMにおけるVoLTEにもキャリアごとに回線の種類があります。

また、利用にあたってはいくつか注意があり、docomo回線を使った格安SIMサービスは、利用している端末がVoLTEに対応していれば利用することができますが、ビデオコールは使えません。また、au回線の場合は、端末側のSIMロックの解除が必要になるなど、互換性の問題などがあります。さらに、端末によっては「docomoのVoLTEに対応していても、auのVoLTEには対応していない」「スマホのSIMロック解除をしても、VoLTEが使えない」などの問題もあります。

このように、VoLTEに対応した格安SIMサービスを選ぶ際は、端末との互換性についてしっかり調べるか、よくわからない場合は、各社に問い合わせる、販売店の店員に確認する、SIMとスマホをセットで提供してくれる格安スマホにするなど、慎重に検討しましょう。

また、VoLTEが使えるのは、VoLTEに対応しているスマホで、かつ同じキャリア間でのみとなっています。たとえば、docomo系のMVNOを使っている場合は、通話相手のキャリアがdocomの純正回線かdocomo系のMVNOであればVoLTEでの通話が成立することになります。

VoLTEの特徴

 VoLTEの特徴

ここまでVoLTEの基本的な知識について振り返ってきました。ここからはもう一歩踏み込んで、VoLTEの特徴について詳しく紹介していきます。

高音質・高画質

1つめの特徴は、「高音質」「高画質」の実現です。
人が聞くことのできる音域は「20~20,000Hz」と言われており、男性の話声で500Hz、女性の話声で1,000Hzほどです。そのため、ガラケーなどでも十分に聞き取れる音声ではありましたが、VoLTEによって音域が拡大されたことにより、音声がよりクリアに聞こえるようになりました。
また、スマートフォンでより精度の高いテレビ電話を使えるようになるなど、高画質の映像を送受信できるようになっています。
なお、繰り返しとなりますが、これらの「高音質」「高画質」が発揮される条件は、電話をしているスマホ同士がVoLTEに対応していて、かつ同じキャリアのVoLTE回線を使用している場合のみとなります(MVNOも同様)。
通話の相手がガラケーなどのVoLTE未対応の機種である場合やキャリアの回線が違う場合、それぞれの機種に従って通信されるため、高音質・高画質化が行われませんので注意が必要です。

高音質

各携帯電話会社によって違いはあるものの、ガラケーなどの携帯電話の場合、音声周波数帯域(おんせいしゅうはすうたいいき)は300Hzから3,400Hzまででした。
この音声周波数帯域の幅を「音域」と言いますが、この幅が広ければ広いほど通話は聞き取りやすくなり、VoLTEの場合、50Hzから7,000Hzほどの幅になります。つまり、ガラケーなどで聞き取りにくかった音声までクリアに聞こえることとなります。
また、VoLTEをさらに高音質にした「VoLTE(HD+)」では、携帯電話会社によって14,400kHzまで音域が広がりますので、近くで人に話しかけられているような感覚を得られるかもしれません。

高画質

VoLTEの高画質については、テレビ電話が特徴的です。VoLTEであれば、テレビ電話でも高画質の映像を相手にもリアルタイムに送ることができます。さらに途中でカメラを切り替えて音声通話に戻したり、音声通話からテレビ電話に切り替えたりなど自由に行うことができます。
ただし、通信の状況によっては映像が乱れたり、画質が低下したりする場合もあるほか、先ほど紹介したように格安SIMはサービスに寄ってはテレビ電話が使用できないケースがありますので注意が必要です。

呼び出し時間が短い

2つめは「呼び出し時間が短い」です。VoLTEに対応していないLTEスマホを利用した場合、発信ボタンを押してから呼び出しになるまでタイムラグが6~8秒ほどありました。これは、電話をするたびに通信をLTEから3Gに変更する必要があったためです。しかし、VoLTEが誕生したことにより、通信方式をLTEから3Gに切り替えることなく相手に発信できるため、待ち時間を短縮できるようになりました。

高速マルチアクセスが可能

3つめは「高速マルチアクセス」です。3G通話がメインのころは、通話中にインターネットに接続しようとしても低速な3G回線にしか接続できませんでした。また、3G通信がうまくできず、インターネットが使えなくなることもありました。

しかし、VoLTEを含めたLTEでは、通話中でもインターネットに接続でき、高速でインターネットを楽しめます。たとえば、友人と食事などの予定を電話で話しながらインターネット検索でお店を探すことなども可能です。

今では多くのスマートフォンで当たり前にできることが、以前の3G通信では難しかったことを覚えている方はもうあまりいないのではないでしょうか。VoLTEが登場してから、この「高速マルチアクセス」によって、より多様な使い方をすることができるようになったのです。

VoLTEの可能性

VoLTEの可能性

VoLTEは、大手携帯電話会社のdocomo、au、ソフトバンクの3大キャリアをはじめ、格安スマホなどでも、SIMのタイプなどの条件が整えばVoLTEに対応した機種を利用できます。たとえば、nuroモバイルの場合は、docomo回線プランを選べばVoLTE対応機種を選ぶことができます。このようにVoLTEは、対応している機種を持っていれば、すぐにでも利用することができるのです。

なお、現在のスマートフォンに利用されている通話回線は「VoLTE」が主流ですが、今後は次世代型通信規格「5G」に切り替わっていくとされています。すでにKDDI(au)は一部3Gサービスの終了を発表しており、他のキャリアも今後、3G事業から撤退していくのかもしれません。

今回ご紹介したVoLTEも、ゆくゆくは5Gに対応し、より快適にで通話やインターネットを楽しめるようになっていくでしょう。

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:Getty Images

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