2020.10.06 好きな場所でいつでも視聴できる?!インターネットテレビを徹底解説
パソコンやスマホで使っているインターネットと、地上波放送や衛星放送を見られるテレビ。どちらも毎日使っている、という方も多いのではないでしょうか。
その両方を融合したスタイルで映像を楽しめるのが「インターネットテレビ」です。インターネットテレビというのは、インターネットを通じてテレビ番組や映画・動画などを見ることができる放送形態です。
よく似ているように思えるインターネットテレビとテレビですが、配信方法や番組の内容、視聴方法などが、実は大きく異なっています。
またインターネットテレビの配信方法やサービス内容は種類が多いため、どんなインターネットテレビを使いたいのかを、選択することも必要になります。
インターネットテレビが気になるけれど、テレビと何が違うのかが分からないという方や、どんなインターネット放送があるかを知りたいという方向けに、詳しくご説明していきます。
POINT
- インターネットテレビの視聴は、スマホやパソコンで可能
- インターネットテレビには、過去に放送されたテレビ番組・映画・ネット配信専用番組・投稿動画などがある
- インターネットテレビには、いつでもどこでも何度でも見ることができる配信もあり便利
インターネットテレビとは、インターネット回線を利用して放送される映像配信のことで、ネットテレビとも呼ばれます。類似のものにインターネットラジオがあります。
テレビ放送は総務省から認可された特定の放送局による放送ですが、インターネットテレビ放送は認可制ではないため、多種多様なサービスがあるのが特徴です。
主なインターネットテレビに、テレビで過去に放送された番組をインターネットでもう一度見ることができる、テレビ番組の再配信があります。
またインターネットテレビ配信事業者が独自に番組を制作する番組や、リアルタイムなライブ配信などがあります。
過去の映画や番組など、数多くのコンテンツから選んで見ることができる、オンラインビデオレンタルのような配信や、アマチュアの投稿動画の配信もあります。
このようにインターネットテレビの内容は非常に幅広く、多くの事業者がインターネットテレビ配信サービスに参入しています。
インターネットテレビの配信は自由度が高いため、配信形態も一様ではありません。現在はテレビ局からの配信、課金型のオンデマンド配信、ビデオ共有サイトなどが、主な配信形態になっています。
●テレビ放送局からの配信
テレビ放送・ケーブルテレビ局・衛星放送などの事業者が、過去にテレビ放送した番組をインターネットで再配信する「見逃し配信」や、「ライブラリ」「アーカイブ(過去番組の配信)」などがあります。
そして2020年3月から、NHKが「NHKプラス」というインターネット配信を開始しました。「NHKプラス」では、NHKテレビ放送の「総合」と「Eテレ」がネットでも同時配信されます。
民放でも2020年の秋以降に、テレビ放送をインターネットでも同時に流す同時配信が計画されているようです。
●課金型オンデマンド
「課金型オンデマンド」は、サービスの提供者が多数のコンテンツを用意して、利用者が見たい番組を選んで視聴するオンデマンド形式の配信です。「ビデオ・オン・デマンド(VOD) 」とも呼ばれています。
月額制の有料配信で無制限に好きなだけ見ることができる課金方式や、利用したコンテンツのみに課金される都度課金方式、無料コンテンツのみの無料型、複数の方法を使い分けえる複合型などがあります。
例えば株式会社USENの動画配信サービス「U-NEXT」では最新ドラマや映画が充実しており、NHK運営の「NHKオンデマンド」では過去のNHK番組を見ることができます。民放でもフジテレビの「フジテレビ FOD」やTBS(東京放送)の「TBSオンデマンド」などでドラマやバラエティを楽しめます。
●ビデオ共有サイト
「動画共有サービス」などとも呼ばれています。不特定多数の動画投稿者が、不特定多数の視聴者と動画を共有する配信方法です。
主に広告を付けた投稿動画や広告付きコンテンツを配信することで、サイトが運営されています。広告が付く代わりに、無料でコンテンツを視聴できるサイトが多いです。
作りこまれたコンテンツだけではなく、日常生活の何気ない一コマをアマチュアが撮影した投稿動画が中心のサイトもあります。例えば、面白い動物動画投稿サイトなども人気があります。
テレビ放送とは
テレビ放送には、主に「地上波」「衛星放送(BS放送やCS放送など)」「有線放送(ケーブルテレビ)」の3つがあります。
公共放送であるNHKは受信料支払いが義務化されていますが、地上波の民放は無料で見ることができます。
テレビの「地上波」は放送局から届く電波を受けて見るというシステムです。「衛星放送」は人工衛星を使った放送で、人工衛星からの電波を自宅のパラボラアンテナで受信します。
テレビは電波の届くところであれば、どこでも見ることが可能です。電波は一部の地形を除けば、一度に広範囲に電波を届けることが可能であり、多くの視聴者が一度に同じ番組を見ることができるという便利さがあります。
テレビ放送の一種である「有線放送」は、ケーブルテレビ(CATV)とも呼ばれる有線ケーブルを使った放送のことです。自宅に回線を引き込む工事をする必要があります。
地上波が届かない地形にある家でもテレビを見られるようにするために、有線放送が始められました。専門的な内容に特化した番組や、地元に密着した番組が多いのも特徴の一つです。
インターネットテレビとテレビは何が違うか
インターネットテレビはインターネット回線を使用しているところが、テレビとは異なります。そのためインターネットテレビは、自宅に動画を見ることができるインターネット環境が整備されている必要があります。
テレビの電波は多くの情報を一度に届けることが可能なため、テレビが電波状況が悪くて見ることができないというトラブルは稀です。
しかしインターネットテレビの場合は、インターネット回線を通じてサーバの動画にアクセスする仕組みです。
そのため、同時に同じサーバーや番組にアクセスが集中してしまうと、アクセスが不可になることやスムーズな視聴が不可能になることも珍しくありません。
インターネットテレビのメリット
一方でインターネットテレビのメリットは、いつでも何度でも見たい番組を選んで見られることです。
インターネット放送にはテレビ放送のような生放送もありますが、見たい時に何度も見直すことができる配信も可能であり、大きな特徴となっています。
それからインターネットテレビには、配信にかかるコストを安くできるというメリットもあります。番組の制作費やインターネット放送に必要なコストが、テレビよりも安くできるため、個人や企業などによる配信も可能です。
インターネットテレビの配信コストが安い理由は、配信にインターネット回線を利用するため、配信にかかる設備や費用が少なくて済むためです。
またインターネットテレビ番組の制作費には幅があり、画質や音質、クオリティなどに規制や決まり事があまり無いため、安く制作することも可能なのです。
インターネット回線を利用したインターネット放送には、どんな放送の種類があるのでしょうか。主なものをご紹介いたします。
インターネットテレビ型
インターネットテレビ型というのは、配信事業者がサーバーにアップロードしたデータに、ブラウザからアクセスしてストリーミング再生で視聴するシステムです。
インターネット接続したテレビだけではなく、パソコンやスマホからも視聴が可能です。視聴にはインターネットに接続できる環境やデバイスが必要です。
インターネットテレビ型のサービスには、 ヤフーと株式会社GYAOが運営する無料動画配信サイト(一部有料コンテンツあり)の 「GYAO!」、楽天グループの有料動画配信サイト「ShowTime」などがあります。
「NHKオンデマンド」はNHKが放送した番組を、パソコンやスマホ、インターネット接続したテレビで、いつでも見ることができるサービスです。利用するためには受信料とは別に、料金が必要になります。
ユーザー投稿型
誰でも自由に動画を投稿できるのが、ユーザー投稿型です。代表的なものに「YouTube」などがあります。
「YouTube」は、Googleが提供する投稿型動画共有サービスです。誰でも撮影した動画を自由に「YouTube」にアップロードすることができます。視聴も無料です。
「ニコニコ動画」は、ドワンゴが提供する日本最大級の投稿型動画共有サービスで、無料視聴が可能です。利用するための登録は必要です。
「ニコニコ動画」は、配信される動画に、閲覧者がコメントを投稿できるのが特徴です。そのほかにも閲覧者や動画をアップロードする人同士が交流できる機能があり、コミュニケーションの場にもなっています。
ダウンロード販売型
インターネットサーバーにアップロードしたデータを、パソコンやスマホにダウンロードしてから視聴するのが、ダウンロード販売型です。
代表的なサービスに、Appleが提供するコンテンツ配信の 「iTunes store(アイチューンズ・ストア)」があります。
音楽・動画・映画などのコンテンツを、有料でダウンロードできるサービスです。このサービスの特徴は、パソコンやスマホにデータをダウンロードするところです。
データはパソコンやスマホに保存されるため、インターネットに接続できない環境でも視聴することが可能になります。
IPTV型(Internet Protocol Television)
IPTV型とは、サービス提供事業者の専用の機器を使って視聴する動画配信サービスです。代表的なものにKDDI株式会社が提供する 「auひかりのテレビサービス」、NTTぷららが運営する 「ひかりTV」などがあります。
auひかりのテレビサービスは、セットトップボックスと呼ばれる専用機器を使って専用放送やネット動画を視聴します。
「ひかりTV」は、ケーブルテレビや多チャンネル放送、ビデオオンデマンドなどを、専用チューナーや専用チューナーを内蔵したテレビで視聴することができます。
国内メーカーのテレビは、 「ひかりTV」などに対応したチューナー内蔵テレビも作られています。
また中には、専用機器が不要なものもあります。So-net提供のテレビ視聴サービス「So-net 光 テレビ」が該当します。こちらのサービスでは新4K8K衛星放送や、スポーツ・アニメなどの専門チャンネルが充実しています。
インターネットテレビはテレビと比較すると、かなりサービスの種類が多いことがお分かりいただけたでしょうか。
放送時間が決まっているテレビとは異なり、番組を選んでいつでも視聴することが可能なのも、インターネットテレビの大きなメリットです。
お試し視聴期間などを利用して、いくつかの異なる配信方法を試してみるのもいいですね。
配信方法や番組が多種多様なだけに、どのような配信方法が自分に合っているのか、いろいろ検討してみてくださいね。
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:写真AC / Unsplash
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