もうすぐADSLのサービスが終了!終了前にやるべきこと、自分に合った通信回線の選び方
東日本電信電話株式会社(略称:NTT東日本)と西日本電信電話株式会社(略称:NTT西日本)は、「フレッツADSL」を2023年1月31日に終了すると発表しています。
ADSLは光回線が普及する以前は主流のインターネット通信でしたが、今は新規入会もストップし、終了へ向けたカウントダウンが始まっています
なぜADSLは終了することになったのでしょうか。
この記事ではADSLの歴史や終了理由、乗り換え先の本命である光回線のメリットを中心に紹介していきます。
POINT
- ADSLから光回線の乗り換えは早めが良い
- ADSLを解約する前に光回線を契約しておく必要あり
- 光回線はADSLに比べて通信が速く、月額料金も遜色ない
そもそもADSLとは、どのような通信回線なのでしょうか。ADSLはLANケーブルや無線通信ではなく「電話回線」を利用したインターネット通信を指します。
1999年頃に長野県でADSLサービスが開始、その後イー・アクセス、フレッツADSLなど様々なADSLサービスが始まります。2002年には加入者が500万人を突破し、さらに2年後の2004年には1000万人を超えています。
しかし、2005年頃から光回線が普及し始めてからは、ADSL利用者は減少し続けています。
ADSLは、なぜ普及していったのでしょうか。普及した理由として、下記の利点が挙げられます。
ADSLは月額料金が低めです。一例としてNTT東日本のフレッツADSLの月額利用料金を参考にすると、電話共用タイプであれば3,000円ほどでインターネットを利用できました。
■電話共用タイプ(固定電話の電話線を利用するタイプ)
・モアⅢ(データ受信47Mbpsタイプ):3,080円(税込)
・モアⅡ(データ受信40Mbpsタイプ):3,025円(税込)
・モア(データ受信12Mbpsタイプ):2,970円(税込)
・8Mタイプ(データ受信8Mbps):2,915円(税込)
■ADSL専用タイプ(ADSL専用の電話線を新設するタイプ)
・モアⅢ(データ受信47Mbpsタイプ):5,555円(税込)
・モアⅡ(データ受信40Mbpsタイプ):5,445円(税込)
・モア(データ受信12Mbpsタイプ):5,335円(税込)
・8Mタイプ(データ受信8Mbps):5,225円(税込)
ADSLは電話回線さえあれば、一部例外を除き全国で利用できるインターネットサービスです。
光回線の開始間もない頃は地方では光回線が開通しておらず、ADSLが魅力ある選択肢になっていました。電話回線だけでインターネット接続が行えることは、ADSLの大きな利点になっていました。
ADSLは家庭の電話回線を利用するので、インターネット回線を提供する事業者から受け取ったモデムを電話回線につなぐだけでインターネットを始めることができました。申し込みから利用可能になるまで1~2週間ほどしかかからないうえに、工事が不要で初期費用を安くできることは、大きなメリットでした。参考としてNTT東日本のフレッツADSLの初期費用は下記の通りになります。
■NTT東日本スタッフがADSLモデムなどの取り付けを行う場合
●電話共用タイプ:計20,515円(税込)
●ADSL専用タイプ:計17,600円(税込)
■契約者自身でADSLモデムなどの取り付けを行う場合
●電話共用タイプ:計3,355円(税込)
●ADSL専用タイプ:計2,420円(税込)
ただ、通信がうまくいかない、ルーターの調子が悪いといったトラブルにも自己責任で対応できる高いリテラシーが求められていました。
ADSLが普及する前は、ISDN回線を使ったダイヤルアップ接続が主なインターネット接続の方法でした。
ISDNでの通信速度は最大64kbps、ADSLでの通信速度は最大12Mbps、実に180倍以上の差が生まれています。ADSLが普及した頃はISDNが比較対象にあったため、快適な通信速度を誇るADSLを採用する傾向にあったと考えられます。
ここまでADSLの利点や普及した理由を記載しましたが、次は終了することになった理由について挙げていきます。
ADSLの利用者はピーク時の約1,400万件から年々減少し、2020年の今では200万件を切っております。そのためサービス提供会社からADSLを扱ったサービスの終了が続々発表されています。
ADSLは10年以上前のサービスであり、通信を維持するための機器の一部が生産終了になっています。その結果、壊れた機器を直すこともできなくなっているため、各社ADSLサービス自体を維持することが徐々に困難になっている状況です。
NTTは2025年に電話回線をアナログからデジタル化すると発表しています。アナログ電話回線を使うADSLではデジタル回線に対応できないため、回線のデジカル化に伴ってADSLを使ったインターネット接続は強制的に使用できなくなります。
ADSLが終了した場合、光回線など他のインターネット接続サービスと契約しない限りインターネットを利用できません。
フレッツADSLのサービス終了は2023年ですが、サービス終了間際に別のインターネット接続サービスと契約しようとする場合は、申込みの殺到を受けて回線準備に時間がかかってしまう可能性があります。そのため、次のインターネット回線の準備が完了するまでの期間、数ヶ月インターネットに接続できない…という最悪のパターンも起こりえます。
また、使っていなかったとしてもADSLがサービス終了になるまで移行・解約を行わなかった場合、プロバイダー料金だけの請求が継続して発生してしまう可能性があります。
インターネットを使う予定がある場合には早めに乗り換えの手続きを、使わない場合はすぐに解約する旨を連絡しておきましょう。
インターネットサービスプロバイダーの略称で、ISPや接続事業者とも呼ばれます。
主な役割はインターネット接続になりますが、これ以外ではメールアドレスやセキュリティソフト、IP電話など様々なサービスの提供も行っています。日本にあるプロバイダーの例としては、OCNやSo-net、Yahoo!BBなどがあります。
ADSLは廃止が確定していると書きましたが、終了前にできることはあるのでしょうか。インターネットを続けて利用したい場合、いますぐやるべき事をリストアップしました。
まず考えるべきことは、自分が普段どのような用途でインターネットを使っているか確認を行うことです。確認を行い、インターネットの用途・利用頻度によって、どの回線に乗り換えるかを検討する必要があります。
乗り換えをするべき回線の種類は下記になります。
自宅で安定したインターネット環境を構築したい場合は、光回線の導入を検討した方が良いでしょう。光回線では独自の光ファイバーケーブルを使うため、ADSLよりも通信が速く通信制限などもありません。
光回線を扱うサービスは複数あるため、選び方によっては月額料金を抑えることもできます。また、光回線は下記用途で利用する人におすすめできます。
・通信制限を気にせずインターネットを楽しみたい
・快適にオンラインゲームを楽しみたい
・快適に動画を見たい
・しばらく引っ越す予定がない
外出先でインターネット回線に接続したい場合は、モバイルルーターの導入を検討した方が良いでしょう。
工事不要でモバイルルーターが届き次第すぐ使える点がメリットですが、動画視聴やオンラインゲームといった大容量の通信を行うと速度制限がかかってしまうので注意が必要です。
また、モバイルルーターは下記用途で利用する人におすすめできます。
・外出先でもパソコンを使う時がある
・引っ越しが多く、固定回線を導入しづらい
・無料Wi-Fiスポットをよく使う
自分のインターネットの利用頻度や方法に適したインターネット回線を確認したら、その回線に申し込みましょう。
申込みの手続きは、インターネット上で済む場合が多いですが、家電量販店等に設置されている店舗でも行うことができます。店舗によってはキャッシュバックなどのキャンペーンをやっている場合もあるため、事前の情報収集は欠かせません。
また、契約の際には本人確認資料等の書類が必要な場合がほとんどですので、どのような書類が必要か事前に確認しておきましょう。
新規回線の契約が完了したら現在使用しているADSLの解約を行います。
解約手続きは電話かインターネットで行えます。現在使用しているサービスがどちらの方法で解約できるかをまずは確認しましょう。
利用している回線事業者のADSLプランを解約する際には、固定電話の番号が使えなくなる場合があるので注意しましょう。
ADSL回線の利用終了の時期を指定できる場合には、新規回線の利用開始時に合わせると、スムーズに新規回線への移行が可能です。
参考として、ADSLから光回線に乗り換えた場合のメリットを考えてみます。
ADSLの通信速度は最大12Mbpsです。対して光回線の通信速度は最大1Gbpsであるため、理論上は約80倍ほどADSLに比べて通信が速いことが分かります。
※ただし環境によってスピードが1Gbpsまで行かないことともあるため、注意が必要です。
ADSLはNTTの通信基地局との距離が遠ければ遠くなるほど通信が遅くなります。また、周囲のISDN回線やラジオの電波をによって悪影響を受けてしまうため、通信が不安定になる場合があります。
対して光回線は通信基地局との距離や電波による影響を受けにくいため、安定した通信を行うことができます。
ADSLの月額料金は、データ受信が最大50Mbps程度で3,000円程度とされています。対して一般的な光回線は、データ受信が最大1Gbpsで5,000~6,000円程度とされています。
一見すると2倍になってしまいますが、実際にはプロバイダ各社が積極的に値段を下げるキャンペーンを実施していることが多いため、ADSLの月額料金3,000円と同じくらいの金額で光回線でのインターネットを始めることができるでしょう。
光回線に乗り換えるメリットを紹介しましたが、光回線のインターネット接続サービスは複数あって悩む方がいるかと思います。
そんなあなたには、So-net 光 プラスをオススメいたします。ADSLからSo-net 光 プラスの光回線への乗り換えには、下記のメリットがあります。
・通信制限なしで最大1Gbpsの高速通信であるため、ADSLよりも通信が速い
・月額割引やauスマートバリュー適用で、ADSLの月額料金とほとんど変わらない月額料金で光回線に乗り換えられる。
月額料金は、戸建ては実質3,080円~+税、集合住宅は実質1,980円~+税です。サービスの詳細に関しては是非下記URLをチェックしてみて下さい。
ADSLの終了理由や光回線のメリットなどを紹介していきました。
ADSLサービスを扱っている各社のサイトでは終了日時が告知されているため、是非チェックしてみて下さい。そしてご自宅でインターネット接続を行っている方は、早めに光回線への乗り換えの準備を進めると良いでしょう。
PHOTO:写真AC / unsplash / pixabay / So-net
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