Wi-Fiにも世代がある?Wi-Fi6の特徴やメリットをご紹介
私たちが利用するWi-Fiに世代があるのはご存じでしょうか。 2021年5月時点で存在するのはWi-Fi4~6であり、3より前は命名されていません。 主に使われているのはWi-Fi4と5で、2021年5月現在、最新世代のWi-Fi6はあまり普及されていない状況です。後に基準とされるであろうWi-Fi6ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
こちらの記事ではWi-Fiの世代や最新のWi-Fi6のメリットなどをご紹介いたします。
POINT
- Wi-Fiは4~6世代まで存在する
- Wi-Fi6はWi-Fi5に比べて通信速度と安定性が向上する
- Wi-Fi6を活用するには、対応端末が必要
Wi-FiとはWi-Fi Allianceと呼ばれる団体から付けられた無線LANの名称です。
本来は『IEEE 802.11n』など記号のような名称でしたが、利用者が覚えやすいように付けられた名前がWi-Fiになります。
パソコンやスマートフォンなどの通信端末でWi-Fiを利用するには、インターネットにつなげるためのルーターが必要です。
時代の節目に世代と付けられるように、Wi-Fiにも世代が存在します。
2021年5月時点ではWi-Fi4~6まで世代が別れており、10年の間に3世代も生まれました。
ちなみにWi-Fiを世代分けした理由としては、振られる規格ではどれが最新なのか分からないからだとされています。
Wi-Fi4~6までの規格と性能の詳細は下記の通りです。
Wi-Fi4の規格は『IEEE 802.11n』です。
生まれたのは2009年9月で、最大通信速度は600Mbps。
しかし、実際に送受信されるデータ量は200Mbps~300Mbpsほどとされています。
Wi-Fi4の無線LANが使えるルーターが出す最大通信速度は約80Mbpsや240Mbps。周波数帯は2.4GHzと5GHzが使えるので、いずれかの電波が弱くなるような場所での利用でも扱えるでしょう。
周波数帯の違い
周波数帯はWi-Fiなどの無線通信を行う際に、電波の周波数の範囲を表しています。
2021年5月時点のWi-Fiは2.4GHzと5GHzいずれかの周波数が使われます。それぞれの特性は下記の通りです。
●2.4GHz
・壁などの障害物があっても遠くまで届きやすい
・屋内外で利用可能
・電子レンジなどの家電やBluetoothの使用で通信速度が不安定になりやすい
・対応機器が多い
●5GHz
・5GHzの周波数帯を利用する家電などは少ないため、安定した通信がしやすい
・壁などの障害物があると電波が届きにくい
・2.4GHzに比べて通信速度が速い
・対応機器が少ない
・Wi-Fiルーターが安い
使い分けるポイントとして基本は5GHzの周波数帯を使い、壁などの障害物で電波が届きにくいと感じたら2.4GHzを使うと良いでしょう。
Wi-Fi5の規格は『IEEE 802.11ac』です。
生まれたのは2013年12月で、最大通信速度は6.9Gbps。
しかし、実際に送受信されるデータ量は2.3Gbps~3.45Gbpsほどとされています。
Wi-Fi5の無線LANが使えるルーターが出す最大通信速度は約433Mbpsや1.3Gbpsが多く、周波数帯は5GHzが使えます。
Wi-Fi6の規格は『IEEE 802.11ax』です。
生まれたのは2019年9月で、最大通信速度は9.6Gbps。
しかし、2019年10月頃に発売されたBUFFALOのWXR-5950AX12であれば、実際に送受信されるデータ量は最大4.8Gbpsほどとされています。
Wi-Fi4や5と比べても最大通信速度の半分ぐらいの通信速度を出せているのは強みといえるでしょう。周波数帯はWi-Fi4同様に2.4GHzと5GHzなので、使い分けができるのもメリットの1つです。
規格が決められてから2021年5月の間まで約2年半ほどの月日が経っていますが、Wi-Fi6はあまり普及していません。
2021年5月時点はまだ普及し始めであるWi-Fi6には、どのようなメリットがあるのでしょうか。メリットは下記の通りです。
Wi-Fi5の無線LANルーターが出す最大通信速度は約433Mbpsや1.3Gbps、Wi-Fi6は4.8Gbpsで通信速度は最大でも3.7倍近くの差があります。
さらに周波数帯は2種類対応しており、同時通信による通信速度の向上を狙えます。
Wi-Fi6ではMU-MIMOと呼ばれる技術が採用されている影響で、Wi-Fi5の4台から8台まで増えました。
また、OFDMAと呼ばれる技術の採用で電波の順番待ちが無くなり、同時接続数が多くなりがちなフリーWi-Fiでも混雑する可能性は減少します。
MU-MIMOとは
複数のアンテナを使用して、多くのデータ通信経路から同時通信が行える技術です。
Wi-Fi4や5に比べて壁や家具から反射した電波も有効信号として捕まえられるので、高い通信効率を誇ります。
OFDMAとは
周波数ごとに通信を特定の端末に割り当てる技術です。
同時に複数の端末と通信できるようになったので、待ち時間の軽減につながっています。
Wi-Fi6からはターゲットウェイクタイム(略称:TWT)機能が追加されます。
TWT機能で通信タイミングを調整し、通信端末のバッテリー消費を減らせます。通信端末のバッテリー消費を減らす影響で、バッテリー寿命の向上につながるのです。
これまでのWi-Fi5に比べて通信速度や安定性が向上されたWi-Fi6は、なぜ生まれたのでしょうか。
理由は身の回りのモノがデジタル化してきているからです。
スマートフォンでお金を払い、声に反応するAI機器の存在。後に普及してくるIoT機器はWi-Fiなどの通信環境が必要になります。
政府が進めるICT、膨大な情報を処理するAIの能力を上げるためにも、Wi-Fi環境を安定させなければなりません。Wi-Fi6と共にICTやIoTが普及していく未来が想像できるでしょう。
通信技術を活用したコミュニケーションを指しており、これを利用した産業やサービスなどの総称です。
似た言葉にITがありますが、ITよりもコミュニケーションを重視した意味合いを持っています。
通信速度や安定性が向上したWi-Fi6ですが、導入する際に注意点があります。注意点は下記の通りです。
2021年5月時点でもWi-Fi6に対応した通信端末やルーターは少なく、準備する場合は数万円程度みておかなければなりません。
また、LANケーブルはカテゴリー6A以上でなければWi-Fi6の性能は発揮しきれません。
下位互換性を持ったWi-Fi6は、Wi-Fi6対応のルーターを使っても非対応の通信端末と通信できます。
逆のパターンでも同じようにルーターと通信端末は接続可能です。
今回はWi-Fiの世代やWi-Fi6のメリットなどをご紹介しました。
Wi-Fi6はこれまでのWi-Fiに比べて通信速度や安定性が向上しています。
しかし、2021年5月時点ではWi-Fi6に対応した通信端末やルーターは少ないため、有効活用できる機会は少ないです。
今は有効活用できなくとも後に利用できると考えられるため、時機を待ちながら気長に待つと良いでしょう。
PHOTO:Unsplash/PhotoAC/Pixabay4
TEXT:PreBell編集部
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