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2021.08.06 ネット契約で耳にする「ブロードバンド」とは?回線の種類など基本をチェック

インターネットを契約するときに耳にする単語として「ブロードバンド」があります。ブロードバンドはイメージとしてなんとなく理解できそうではありますが、具体的な内容について知っている人は少ないのではないでしょうか。

この記事では、ブロードバンドに関する基本的な内容に触れ、ブロードバンドにはどんな種類の回線が含まれるのか、という点について説明します。

POINT

  • ブロードバンドとは、大容量の通信ができるインターネットサービスの総称
  • 大容量の通信ができるため、高速のインターネットが利用可能
  • 日本国内のブロードバンドの普及率は約9割、ブロードバンドは一般的な接続方法に

ブロードバンドとは

ブロードバンドとは、大容量の通信ができるインターネットサービスを指します。ブロードバンドの「ブロード(broad)」とは幅の広い状態を意味し、「バンド(band)」とは帯状のものを意味します。なお、この場合の「帯状」とは「帯域幅」を表します。

帯域幅とは、データ通信において使用する電波や光の幅、つまり周波数の幅を指します。周波数の単位は、アナログ回線の場合は「Hz(ヘルツ)」ですが、デジタル回線の場合は「bps」で表されます。帯域幅が広くなるほどデジタル回線におけ周波数の数値が大きくなり、データを送受信できる量も多くなります。

ブロードバンドは、データの送受信における帯域幅、つまり周波数の幅が広いために大量のデータを短時間に送受信できる点が特徴です。それにより、インターネットを快適に利用できます。

ブロードバンドのインターネットを利用する場合は、回線とデバイスを接続する機器である「ルーター」が必要となります。現在では、無線を使って複数のデバイスにつなぐことができる「Wi-Fiルーター」が広く利用されています。

ブロードバンドの対義語は「ナローバンド」

ブロードバンドに対する単語として「ナローバンド」があります。ナローバンドとはデータの送受信の速度が遅い状態のことです。回線の種類としては、電話回線(ダイヤルアップ)やISDNがあります。

なお、ナローバンドの「ナロー(narrow)」とは狭い状態を意味し、ここでは帯域幅が狭いことを表しています。ナローバンドにおいてデータの送受信が遅い理由は、帯域幅が狭く、データの送受信に時間がかかってしまうためです。

かつて、インターネットの利用がメールの送受信や文字ベースのサイトの閲覧のみに限られていた時代はナローバンドでも十分でした。

しかしながら、画像の多いサイトの閲覧、または動画の視聴など、ファイルのサイズが大きいものをナローバンドでダウンロードすると、データの送受信が遅いため、インターネットの利用にストレスを感じてしまいます。そのため、現在ではインターネットの利用はブロードバンドが主流となりました。

ブロードバンドと光回線はどう違う?

ブロードバンドと光回線の関係について説明すると、光回線はブロードバンドの一種となります。

ブロードバンドとは大容量の通信ができるインターネットサービスの総称です。ブロードバンドに含まれる回線の種類としては、以下のものがあります。

・光回線
・ケーブルテレビ
・ADSL

ADSLはブロードバンドに含まれているものの、通信速度は下り最大50Mbpsにとどまっています。光回線(下り最大1G ~2Gbps)やケーブルテレビ(下り最大160M~320Mbps)と比較すると最大速度は遅めです。

そのため、ブロードバンドに関する集計を行う場合は「固定系超高速ブロードバンドサービス」という項目に分類することがあります。

固定系超高速ブロードバンドサービスとは、光回線および下り30Mbps以上のケーブルテレビ回線のことを指します。このサービスの場合、ADSLは除外されます。

ブロードバンドの種類は?

先の項目で、ブロードバンドの種類としては以下の3種類があることを説明しました。

・光回線
・ケーブルテレビ
・ADSL

それぞれの回線の種類について、以下でくわしく説明します。

光回線

光回線は、現時点で広く利用されているブロードバンド回線です。データの送受信に光ファイバーケーブルを用いるため、高速での通信が可能となります。

下りの最大速度は一般的には1Gbpsとなっていますが、事業者によっては下り最大2Gbps、あるいは10Gbpsの場合もあります。

なお、インターネットの下り最大速度はあくまでも理論値であり、実際の速度は実測値となります。下り最大1Gbpsのサービスであれば、多くの場合は実測値が100Mbpsを超えることが多いため、インターネットを安定性の高い状態で利用できます。

光回線でインターネットを利用するためには、自宅の中に光ファイバーケーブルを引き込む必要があること、また、自宅の周辺の電柱に光ファイバーケーブルが敷設されていることが条件となります。

都市部など、人口の多い地域では光ファイバーケーブルが敷設され、光回線が開通しているために光回線を自宅内に引き込めますが、人口の少ない地域では採算性の問題から光回線を利用できない場合があります。

ケーブルテレビ

ケーブルテレビ用の回線を利用してインターネットのサービスを提供します。

光回線と比べると速度の面ではやや低下するものの、ケーブルテレビ回線を利用しているため大容量の通信を安定的に行えます。また、ケーブルテレビはテレビの視聴とインターネット利用の両方が行えるため、ケーブルテレビを利用している家庭ではインターネットをお得に利用できます。

また、光回線が整備されていないエリアの場合、ケーブルテレビが最も速いインターネットサービスとなります。光回線ほどの速度は期待できないものの、ある程度の速度が出れば十分であれば、ケーブルテレビの契約も選択肢の一つとなります。

ADSL

ADSLとは、電話回線を利用したインターネット回線です。インターネットの利用が始まった時期は、送受信したデータ量に応じて料金が決まる「従量制」が一般的でしたが、ADSLは月額料金が一定であったため、当時としては画期的なサービスでした。

インターネットの「常時接続」という言葉が広がったのは、ADSLが普及したことによるものです。

しかしながら、ADSLは下りの最大速度が50Mbpsに過ぎず、高速でインターネットが利用できる「光回線」が一般化したことによって、ADSLの利用者は減少の一途をたどっています。NTT東日本・西日本はADSLのサービスを2023年1月末に終了し、ソフトバンクはADSLのサービスを2024年3月末で終了とします。

ブロードバンド回線の普及率はどれくらい?

ブロードバンド回線の普及率については、総務省が2020年5月に公表した「令和元年通信利用動向調査の結果」を参照します。

それによると、自宅のパソコンやタブレットなどのデバイスからインターネットに接続している世帯のうち、ブロードバンドを利用している世帯の割合は89.0%となりました。

このことから、多くの家庭にブロードバンド回線が普及している様子が読み取れます。

一方で、ナローバンド回線を利用している世帯は6.8%であり、少数ながら現在においても引き続き利用されています。その理由としては、ナローバンド回線は全国各地にくまなく設置されている電話回線で利用できるためです。

なお、光回線を利用したい場合は、家の近くの電柱に光ファイバーケーブルが設置されている必要があります。

都市部なら光回線の利用者が多いため、光ファイバーケーブルを設置しても十分に元を取ることができますが、地方において人口が特に少ないエリアの場合、光ファイバーケーブルの設置費用に対して利用者が少ないと、採算が合わないことにもなりかねません。

そのため、現在においても光回線などのブロードバンド回線が開通していない地域では高速のインターネットを利用できないため、ナローバンド回線を引き続き利用するユーザーも少数ながらいるのです。

ブロードバンドの時間帯別通信量をチェック

ブロードバンド回線はどの時間帯に最も利用が多いのか、という点について調べるために、総務省が2020年7月に公表した「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果」を参照します。

調査内容の中に「時間帯別トラヒックの変化」がありますが、それによると、通信量が最も多い時間帯は20時頃となりました。この調査結果より、夜の時間帯にブロードバンド回線の利用が多い様子が読み取れます。

まとめ

まとめ

ブロードバンドとは、大容量の通信ができるインターネットサービスの総称です。そのため、ブロードバンドの中には光回線が含まれるほか、ケーブルテレビやADSLも含まれます。

ブロードバンドの「ブロード」とは「幅が広い状態」を指しますが、この場合は高い周波数と低い周波数の幅が広い状態を表します。それにより、大容量のデータを送受信することが可能となり、高速のインターネットを利用できるようになるのです。

日本国内におけるブロードバンドの普及率は約9割に達しており、ほとんどのユーザーが光回線を利用できる状況となりました。インターネットを快適に利用するなら、ブロードバンドが最適です。

PHOTO:PhotoAC/Unsplash/Pixabay/Pexels
TEXT:PreBell編集部

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