タブレットでのオンライン学習は快適なネット環境で!最適なネット回線は?
新型コロナウイルスの感染拡大により、学校で授業を受けずに自宅でオンライン授業を受ける機会が多くなりました。オンライン授業は主にライブ配信で行われることが多いため、速度が速いネット環境を利用して授業を受けます。
ネットを利用するなら光回線が適していますが、さまざまな事情によって光回線を利用できない場合もあります。他の回線を利用してオンライン授業を受けることは可能なのでしょうか。
この記事では、オンライン授業を受ける場合のネット環境について掘り下げていきます。
POINT
- オンライン授業に適しているのは、速度の面で安定している光回線
- モバイルWi-Fiルーターを利用する場合、速度が速く、1か月の通信量が多いものを選ぶ
- 通信速度の速さをチェックするには、ネット回線の速度を測定できるサイトを利用する
オンライン授業を受けるなら、ネット回線は光回線が適しています。その理由は、光回線は通信速度が速いこと、そして通信制限がないためです。光回線が適している理由をくわしく説明するために、通信速度とデータ通信量の面からみていきます。
オンライン授業を受ける場合、ライブ配信、または事前に録画された授業の動画を視聴する形となります。そこで重要となるのはネットの速度が十分な速さであることです。
もし、ネットの速度が安定せず、時々遅くなってしまうと、映像が途中で途切れてしまう原因となり、授業の内容を理解しにくくなってしまいます。
それを踏まえると、ネットの速度が速い光回線はオンライン授業に適しているといえるのです。
オンライン授業で光回線が適している理由は、通信量の制限がなく、使いたいだけ利用できるためです。
ネットで動画を視聴する場合は多くの通信量を消費するため、モバイルWi-Fiルーターのように通信量に制限が設けられている回線を利用すると、一定の通信量を使い切ってしまうことがあり、オンライン授業を視聴することが難しくなってしまいます。
その点、光回線なら通信制限がないため、オンライン授業が数時間にわたって行われても授業を最後まで受けることができます。
通信速度や通信制限の面からみると、オンライン授業で利用する回線は光回線が適していることがわかります。
先の項目で、オンライン授業を受けるなら光回線が適していることを説明しましたが、さまざまな事情によって光回線が利用できず、やむを得ずモバイルWi-Fiルーターを使わなければならない場合もあることでしょう。
モバイルWi-Fiルーターの多くは、通信量が一定の値を超えると通信制限がかかること、そして、光回線よりも通信速度が遅い状態となります。
そこで、オンライン授業を受ける場合、通信量をどの程度消費するのか、どの程度の速度が出ていればスムーズに視聴できるのか、という点を理解しておきましょう。
オンライン授業で消費される通信量の目安は、1時間あたり500~600MBです。なお、ビデオ通話アプリの種類によっては上記の数値よりも多くなる場合があります。
仮に、1時間あたりのデータ通信量が600MBで、1日あたりのオンライン授業の時間が3時間である場合、1日で消費されるデータ通信量は1.8GBとなります。
オンライン授業が1か月あたり20日行われた場合、1か月で消費されるデータ通信量は36GBとなります。
また、普段のインターネットでもモバイルWi-Fiルーターを使用することを考えると、1か月間の最大通信量は少なくとも50GB、できれば100GBのモバイルWi-Fiルーターを選びたいところです。
オンライン授業を受けるとき、画質が安定した状態を保つためにはどの程度の速度が必要でしょうか。
参考として、YouTubeヘルプのページに公開されている「動画の解像度」と「推奨される持続的な速度」をみてみます。
・4K:20Mbps
・1080p(フルHD):5Mbps
・720p(HD):2.5Mbps
・480p(SD):1.1Mbps
YouTubeの場合、解像度が1080pの高画質画像であっても、5Mbps程度の速度が出ていれば十分に視聴できることになります。また、モバイルWi-Fiルーターは下り最高速度が150Mbpsのものが多くみられます。
つまり、一般的なモバイルWi-Fiルーターを使用すれば、高画質の動画を十分に視聴できるといえるでしょう。
なお、通信環境によってはこれらの数値を下回る場合があるため、十分な速度の通信環境を求めるなら光回線が適しています。
速度が速いモバイルWi-Fiルーターとしては、UQ Wimax+5Gに対応しているモバイルWi-Fiルーターがあります。下りの通信速度は最大2.7Gbpsです。なお、この数値は一部のエリアに限られます。
ただし、3日間で15GBを超えると通信制限がかかり、制限後の最大通信速度は1Mbpsに低下します。なお、1MbpsならYouTubeの標準画質の動画を視聴できるレベルです。
そのほか、一定の条件を満たせばデータ無制限で利用できるモバイルWi-Fiルーターもあります。
オンライン授業を安定した状態で受けたい場合、「自分が使用している回線の速度はどの程度なのか」という点を知っておくと、安心して授業を受けられます。
そこで利用したいのが、インターネット回線の速度を測定できるサイトです。主なサイトとして、「Fast.com」や「USEN GATE 02」があります。
Fast.com
Fast.comは、世界的に映画やドラマなどの映像ストリーミングサービスを展開するNetflix(ネットフリックス)が提供しています。
Fast.comのサイトを開くとインターネット回線の速度測定が自動的に開始され、画面の中央には下りの速度が大きな文字で見やすく表示されます。
また、速度表示の下にある「詳細を表示」をクリックすると、データ転送速度を示す「レイテンシ」の数値のほか、上りの速度も表示されます。レイテンシは数字が小さいほどデータの転送がスムーズに行われることを表し、数字が大きいとデータの転送に遅れが生じていることを表します。
なお、レイテンシの数値は「Ping値」で示され、速度測定のサイトによっては、レイテンシのことを単に「Ping値」と呼ぶ場合があります。
USEN GATE 02
USEN GATE 02は、ICTサービスに関わる事業や音楽配信事業を展開する「株式会社USEN」が提供しています。
USEN GATE 02のサイトを開くと「測定開始」の表示があり、それをクリックすると測定が開始されます。
測定が終了すると、下りと上りの速度が大きく表示されるほか、データの転送速度を示す「Ping値」、Ping値のブレ幅を示す「Jitter値」も表示されます。Jitter値とはPing値の安定度合いを示す数値で、数字が小さいほど安定的な状態であることを示します。
そのほか、USEN GATE 02は「用途別回線スピード判定結果」も表示されます。
回線で使用される用途の種類として「Webサービス」「動画閲覧」「ゲーム」「ビジネス」の4種類があり、オンライン授業に関連した用途としては、ビジネスの項目の「ビデオ会議」があります。
回線速度の結果が表示されると、それぞれの用途について「快適」「普通」「ストレス」のいずれかの結果が示されます。
結果が「快適」または「普通」であればネットを利用していてストレスを感じることはほとんどありませんが、「ストレス」と表示された場合は、途中で映像が途切れやすくなるため、光回線など安定した回線を利用しましょう。
オンライン授業を受ける場合は光回線が適しています。可能であれば光回線を利用したいところですが、さまざまな事情で光回線が利用できない場合は、モバイルWi-Fiルーターを利用する方法もあります。
ただし、モバイルWi-Fiルーターの多くは通信量の制限があること、そして、光回線と比べると速度が遅いことがネックとなります。
しかし、モバイルWi-Fiルーターの中には、1か月間で使用できる通信量が100GBであったり、一定の条件を満たすと通信できる量が無制限になったりする場合があるので、通信量に余裕のあるモバイルWi-Fiルーターを選びましょう。
また、モバイルWi-Fiルーターはある程度の速度が出るため、オンライン授業を問題なく受けられることが多いですが、できれば最大通信速度が速いものを選ぶと良いでしょう。
オンライン授業のメリットは、自宅にいながら授業を受けられることです。オンライン授業の内容を確実に理解するためには、快適なネット環境を整えることが大切です。
PHOTO:PhotoAC/Pixabay
TEXT:PreBell編集部
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