iDeCo(個人型確定拠出年金)の利用率は全体の2.6%。資産形成で大きな差が出るネット証券について徹底解説
現在、ネットで気軽に投資できる時代になり、国内でも少しずつ株式投資をしている人が増えてきています。
若い時から少しずつ投資を行うことで、60歳、70歳になる頃には、老後の生活費に困らない程度の資産が得られるでしょう。
しかし、税金の控除の対象になるiDeCoでさえ、利用者は2.6%と多くありません。まだまだネット証券や株式投資に抵抗がある人も多いようです。
この記事では、ネット証券の基礎や投資の方法について詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
POINT
- ネット証券はインターネットのみで株や投資信託などの取引が行える証券会社のこと
- ネット証券会社は手数料が安く、手軽に取引ができる
- 複数の会社へ少額ずつ投資することでリスクを最小限にできる
ネット証券とは、店舗を持たない証券会社のことを言います。インターネットで株式や投資信託などの投資を行えることが特徴です。
代表的なネット証券会社として、SBI証券、楽天証券、松井証券などがあります。会社によって、購入できる株式や受けられるサービスが異なります。
反対に、店舗をもつ証券は店頭証券といい、投資家に担当者がついて投資を行えることが特徴です。
株式銘柄のアドバイスや金融商品の紹介をしてもらえるため、手厚いサポートが受けられます。担当者がつく分、手数料が高くなるのがデメリットです。
代表的な証券会社として、野村証券、大和証券、みずほ証券などがあります。
ネット証券でできる投資として、以下のものがあります。
● 株式投資
● 投資信託
● NISA・つみたてNISAを用いた株や投資信託の取引
● iDeCo
それぞれ詳しくお伝えします。
株式投資とは、株式会社が発行した株式を売買する取引のことです。株式の価格は常に変動しており、安い時に買って、高い時に売ることで差額分の利益を得られます。
また、株式を保有していることで、配当金や株主優待を受け取れます。
配当金とは、企業が得られた利益の一部から投資家に配分されるお金のことです。株主優待は、企業のサービスや商品をお得に利用できる特典のことをいいます。
投資信託は、投資家からお金を集めて、運用会社のプロが運用する金融商品のことです。プロが運用して得られた利益が投資家に還元されます。投資先は、国内株式や外国株式、債券など金融商品によってさまざまです。
投資信託の種類には、日経平均の株価と同じ変動をするインデックスファンドと日経平均以上の価格を目指すアクティブファンドがあります。
NISAとは、株式や投資信託で得られた金額を非課税にする制度です。
通常の投資の場合、得られた利益から20%程度の税金が発生しますが、NISAを利用することで一定期間非課税となります。
NISAには、一般のNISAとつみたてNISAがあります。一般のNISAは株式投資に利用でき、5年間有効です。つみたてNISAは投資信託が対象で、年間40万円までの投資で20年間利用できます。
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金といわれる私的年金のことです。自身の選択した運用商品に掛金を使って運用し、老後に年金として掛金と運用益を受け取れます。
運用商品は投資信託、定期預金、保険商品などがあります。iDeCoもNISAと同様、得られた運用益は非課税です。また、運用中は所得税や住民税も軽減できる制度にあります。
ネット証券には、店舗を持つ証券会社と比べて、メリットとデメリットがあります。それぞれ詳しく見てみましょう。
株の売買をするときに証券会社に手数料を支払う必要がありますが、ネット証券の場合、手数料が低いです。
店舗を持たない分、人件費が店頭証券よりもかからないため、取引を行うコストを抑えられます。
また、パソコンやスマートフォンでいつでも簡単に取引できるのもメリットの1つです。購入する株さえ決まれば、1分程度で取引を行えます。
また、店頭証券の場合、営業時間内に店舗に行かないと取引できません。しかし、ネット証券はインターネットさえ利用できれば24時間いつでもできるのです。
ネット証券は店頭証券のように担当者からアドバイスをもらえないため、自身で判断して取引を行わなければなりません。
そのため、株式や投資信託に関する知識がないと、損するリスクが店頭証券よりも高くなります。
また、セキュリティ面のトラブルもあります。ネット証券会社はセキュリティ対策を徹底的に行っているため安全に利用できます。
しかし、誤って迷惑メールのリンクを開いて個人情報が流出し、不正アクセスされる危険もゼロではありません。資産を守るためにも、自身で情報リテラシーを身につけておく必要があります。
ネット証券を選ぶポイントとして、以下の3つがあるのでそれぞれ紹介します。
● 手数料が安いか
● 良質な情報が多いか
● 取引できる商品が豊富か
手数料ができるだけ安いところを選びましょう。
手数料は証券会社によって制度が異なり、1回の取引で支払う会社もあれば、1日や1か月ごとに定額で支払う会社もあります。取引した金額によっても手数料が異なります。
各ネット証券会社の手数料をまとめているサイトなどを閲覧し、自分に合うものを選んでください。
どの株式や投資信託を選べばいいかを判断するには、正確な情報が必要です。各証券会社のホームぺージからどのような情報があるかを確認して選びましょう。
特に、初心者の方であれば、セミナーや学習サイトのあるネット証券会社をおすすめします。投資に関する基礎知識や運用の仕方を学べるため、投資をより慎重に行えます。
有料で入手できる情報の概要も見ておくといいでしょう。
取引できる商品が多い会社を選びましょう。投資の幅が広がることでさまざまな投資が行えるようになるためです。
一般的にどの会社でも国内株や投資信託は投資できますが、米国株、中国株、債券などは会社によって限られます。
取引できる金融商品を比較してみて、将来取引したいものがある会社を選択しましょう。
初心者がいきなり投資を行うと損するリスクが高いです。そこで、できるだけリスクを減らす方法を紹介します。
以下の方法があるので詳しく見てみましょう。
● 分散投資を行う
● 少額から投資する
● 投資信託やiDeCoを利用する
複数の会社に分散して株を購入しましょう。
1社の株式に集中投資した場合、もし業績が悪化したら株価が下がって大きな損をしてしまいます。
しかし、複数の会社を購入すれば、たとえ1社の株価が下がったとしても、全体の資産への影響を最小限に抑えられます。
株価は会社の業績や国内外の景気、社会情勢などで変動するため、業種の違う企業に分散して投資しましょう。
少額から始めることで、リスクを減らせます。
初心者の場合、株価の変動を予測するのは非常に難しいです。株価が相場より高い状態の時に購入してしまい、下落して大きな損をすることがよくあります。
損を減らすためにも少額から投資し、徐々に購入額を増やしていきましょう。
なお、株式は100株単位で購入するのが一般的で、購入するのに1万円以上もの資金が必要です。しかし、ネット証券会社によっては、ミニ株という制度もあり、1株単位で購入できます。
株を初めて取引する方は、少額で購入できるミニ株から始めるといいでしょう。
「株式投資はリスクが高くて心配」という方は、投資信託やiDeCoを利用しましょう。
投資信託は1つの金融商品に複数の株式や債券が含まれているため、低リスクで投資できます。また、最低100円から投資できるところもあり、少額から始められます。
iDeCoについても、運用できる対象が投資信託や定期預金のため低リスクです。毎月5000円から積み立てを行えるシステムのため、少額からの投資を実現できます。
ただし、どちらも元本割れするリスクはゼロではありませんので注意してください。
ネット証券の基礎知識について紹介しました。ネット証券は手数料が安く、取引できる金融商品が多い会社を選びましょう。
また、はじめての投資で損失を抑えられるよう、複数の金融商品を少額で購入することをおすすめします。もし自身で株を買うのが不安であれば、投資信託やiDeCoを利用するのも一つの手段です。
あなたに合ったネット証券会社で口座を開設し、無理のない投資をしてみてください。
PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部
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