eスポーツで超高額賞金が出るゲームや世界大会5選|日本が低い理由とは?
今話題のeスポーツですが、日本の賞金は世界と比べると低いのをご存じでしょうか?世界大会では優勝者に数十億円の賞金が出されることもあります。
そこで、今回は日本の賞金額が低い理由や、気になる世界と国内の高額賞金が出るゲームや大会、日本のeスポーツトッププレーヤーの収入などについてご紹介します。
eスポーツ初心者の方にもわかりやすいようまとめたので、最新トレンドの収集にお役立てください。
POINT
- eスポーツが今アツいのは「誰もが楽しめるスポーツ」「スポンサーがつきやすい」などが理由
- eスポーツ大会で超高額賞金が出るゲームは「Dota 2(ドータ・ツー)」や「Counter-Strike: Global Offensive」(CS:GO)など
- 日本の大会の賞金額は海外より低い
- 日本の賞金額が低い理由は「景品表示法」に関係している
- 日本のトッププレイヤーは年収1億円超え
- eスポーツ大会で何位まで賞金が出るかは決まっていない
eスポーツが今アツいと言われる理由は、以下の4つです。
1. eスポーツは成長市場
2. インターネットの世界的な普及
3. 誰もが楽しめるスポーツ
4. スポンサーのメリットが多く資金が流入しやすい
意外な理由もありeスポーツの裏事情に詳しくなれるので、ぜひ参考になさってください。
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2019FY/030486.pdf
(引用:「日本の e スポーツの発展に向けて ~更なる市場成長、社会的意義の観点から~」,経済産業省,2020年3月,17ページ )
上記の2020年に発表された経済産業省の資料から、eスポーツは右肩上がりの成長市場であることがわかります。
特にゲーム大国の日本では、今後の成長が期待されるでしょう。
eスポーツが人気の理由は、世界的なインターネット利用者の増加にあります。
総務省の統計によると、2010年時点でのインターネット利用者比率はインド7.5%、メキシコ31.05%、イタリア53.68%でしたが、2018年にはインド20.08%、メキシコ65.77%、イタリア74.39%といずれの国も2倍近く上昇しています。
また、先進国のインターネット普及率は80%以上とかなり高く、国境を超えて多くの人々がeスポーツを楽しめる環境が整っています。
障害や物理的な制約にとらわれないeスポーツは、誰もが楽しめるスポーツです。コロナ禍では感染リスクがない娯楽としても、多くの人々に受け入れられました。
オリンピックの正式種目としても検討されており、肉体的な制約なく楽しめるスポーツとしてより注目度が高まるでしょう。
eスポーツはスポンサーのメリットが多く、今までもHonda(本田技研工業株式会社)やコカ・コーラ(日本コカ・コーラ株式会社)など日本を代表する大企業がスポンサーになっています。
スポンサーの主なメリットとしては、以下が挙げられます。
● eスポーツは若者に人気が高いため、若年層へのイメージアップや広告効果が大きい
● eスポーツ大会は、視聴者数の多さやSNSでの拡散効果などで注目が集まりやすい
市場規模も伸びているため、今後ますます多くのスポンサーが集まり、成長が加速するでしょう。
eスポーツで賞金総額が高いゲームは、主に以下の5つです。
1. Dota 2(ドータ・ツー)
2. Counter-Strike: Global Offensive (CS:GO)
3. Fortnite (フォートナイト)
4. League of Legends (LoL)
5. Arena of Valor (アリヴァラ)
賞金総額のデータは、賞金をかけた全eスポーツ大会の記録を目指すゲーム特化の情報メディア「ESPORT EARNINGS」を参照しています。(2022/6/29確認)
日本の大会の賞金はトップレベルで数億円ですが、海外では数十億円レベルの賞金が出ることもあります。
ゲームの概要やメジャーな大会の賞金総額も紹介しますので、挑戦したいゲームや観戦したい大会の参考になさってください。
賞金総額 : $283,120,855.73
大会数 : 1658
ゲームジャンル : MOBA*
公式サイト : https://www.dota2.com/home
*MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)とは、味方チームと協力して敵チームの本拠地の破壊を目指すゲームのことです。
Dota 2は、5対5の2チームに分かれ、敵チームの本拠点の破壊を目指すというシンプルなゲームですが、100種類以上のヒーローを選択でき、その組み合わせに最適な連携をとったり戦術を考えたりするところに面白さがあります。
Dota 2の公式世界大会である「The International 10」は、賞金額が高額であることで知られており、2021年開催時の優勝賞金は、$18,208,300(約20億円)でした。
賞金総額 : $136,165,893.54
大会数 : 6241
ゲームジャンル : FPS*
公式サイト : https://blog.counter-strike.net/
*FPS(First Person Shooter)とはキャラクター視点でプレイし、敵を撃ち倒すことがメインとなるゲームです。
CS:GOは、PC向けFPSゲーム「カウンターストライク」の続編にあたります。
テロリストと彼らに対する組織との戦いがメインストーリーで、多種多様な武器を使用した現代戦を楽しめます。
2021年に開催された大会「PGL Major Stockholm」では、賞金総額200万ドル(約2億円)が出されました。
賞金総額 : $123,742,791.05
大会数 : 775
ゲームジャンル : TPS*
公式サイト : https://www.epicgames.com/fortnite/ja/home
*TPS(Third-person Shooter)とは第三者視点でプレイし、敵を撃ち倒すことがメインとなるゲームです。
フォートナイトではバトルロイヤルを行います。100人のプレイヤーが何も持たずに島に上陸して、武器やアイテムを獲得しながらバトルし、最後に残った1人が勝者となります。
2019年に開催された「Fortnite World Cup」の賞金総額は、約3,000万ドル(約33億円)でした。
賞金総額 : $93,250,307.73
大会数 : 2701
ゲームジャンル : MOBA
公式サイト : https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/
LoLはMOBAの代表的なタイトルで、5対5の2チームに分かれて敵チームの本拠地の破壊を目指します。
使用できるキャラクター数は100種類以上で、多様なスキルを使い分けてチームと連携した立ち回りを考えるのが醍醐味です。
2018年開催の「World Championship」の賞金総額は、645万ドル(約7億円)でした。
賞金総額 : $51,730,548.55
大会数 : 109
ゲームジャンル : MOBA
公式サイト : https://www.arenaofvalor.jp/
アリヴァラでは、ヒーローを操作して5対5で戦います。
戦略に合わせたキャラクターの使い分けや、スキン(ゲーム内でキャラクターや武器の見た目を変更するためのアイテム)のクオリティの高さが魅力です。
2021年に開催された「Arena of Valor International Championship」では、前回の倍になる賞金総額100万ドル(約1億円)が出されました。
日本で高額賞金が出された主な大会は、以下の5つです。
1. PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON2(総額3億円)
2. Shadowverse World Grand Prix 2021(総額2億8,000万円)
3. Sony Japan Cup 2021 featuring Fortnite(総額300万円)
4. MONSTER STRIKE GRANDPRIX 2019(総額8,000万円)
5. 2022荒野CHAMPIONSHIP(総額1億円)
海外と比べると桁が一つ違う印象ですが、これには日本の法律が関係しています。
詳しい理由については次の章で解説しますが、初期に比べると高額賞金を出す大会の割合やスポンサー数は増加しているため、今後も高額賞金が出される大会は増えていくでしょう。
また、プロのアスリートがチームとして参加したり、人気アーティストがオープニングでパフォーマンスをしたりするなど特色のある大会が増えているので、賞金の他にもいろいろな楽しみ方ができます。
eスポーツで日本の賞金額が低い理由には、日本の法律が関係しています。
日本では不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)上の規制から、課金でプレーヤーが強くなるゲームの大会賞金の最高額は10万円に限られると考えられてきました。
この法律が適応されると、海外のように数億円レベルの賞金を出すことは違法になります。
しかし、それでは日本のeスポーツ業界の発展に影響すると考えた日本eスポーツ連合(通称JeSU)は、景品表示法の規制対象にならない「仕事の報酬」として賞金を出すことを目指しました。
そうした努力の結果、近年では日本で高額賞金を出すeスポーツ大会が増えてきました。
他にも、JeSUは警察庁と話し合いを重ねて法整備を進めており、市場も拡大しているためeスポーツは今後ますますの発展を遂げるでしょう。
大会の優勝経歴から考えた日本のeスポーツトッププレーヤー3名の年収は、以下の通りです。
ふぇぐ : 約1億円以上(ワールドグランプリ2018で優勝時)
ときど : 約400万円以上(2017年のEvolutionで優勝時)
glory : 約2,000万円以上(Hearthstone World Championship 2020で優勝時)
3名ともプロゲーマーで、ときど氏は東大卒のプロゲーマーという異色の肩書きです。
プロゲーマーの場合は配信などの収入もあるため賞金以上の年収を稼いでいると考えられます。
世界大会で優勝すると1億円以上獲得できる可能性も十分あり、トッププレーヤーはかなりの高収入が期待できるでしょう。
eスポーツの大会で賞金が出される決まった順位はありませんでしたが、10位までに入賞すれば受け取れる可能性が高い印象です。
国内で開催された大会の場合「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE」(2022年)では12位まで賞金が出されました。
12位の賞金は400万円で1位の5,500万円と比べると少なくなりますが、サラリーマンの平均年収と同レベルであり十分高額でしょう。
「Shadowverse World Grand Prix」(2021年)では24位まで賞金が出され、24位の場合は25万円受け取れました。
また「MONSTER STRIKE GRANDPRIX」 (2019年)では地方予選大会優勝者チームの8チームまで、それぞれ25万円賞金が出されました。
ただしチーム戦の大会が多いため、必ずしも1人で受け取れるわけではありません。
今後eスポーツ市場が大きくなりスポンサーが増えると、eスポーツプレイヤーの収入はますます増加するでしょう。
こちらの記事では日本の賞金額が低い理由や、世界と国内の高額賞金が出るゲームや大会、日本のトッププレーヤーの収入などについて紹介しました。
海外に比べるとまだまだ賞金額は低い印象ですが、eスポーツは成長市場のため、資金流入による賞金額の増加が期待できます。
また、オリンピックの正式種目に決定すれば、世界的にもeスポーツへの注目は高まるでしょう。
勢いが止まらないeスポーツの世界で最先端のトレンドを楽しんでみてはいかがでしょうか?
PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部
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