いま話題のNFTとは?「NFTとは何か」を初心者にもわかりやすく徹底解説
現在、ブロックチェーン等のIT技術が注目されるようになってきました。
それに伴い、NFTという言葉をネットやその他の媒体でよく聞くようになってきました。
ですが、NFTが何なのか実際に内容をしっかりと理解している人はあまり多くありません。
NFT=「ネット上に存在している、高い値段のついているドットの絵」の理解で止まってしまっている方も多いのではないのでしょうか?
この記事では、初心者にも分かりやすく「NFTが何なのか」について解説致します。
POINT
- NFTとは「世界中に1つしか無い、電子保管されている資産」
- NFTは「作成した人の影響力」、「過去の取引価格」で高い値段が付くことがある
- 主なメリットは、「不正改変が出来ないこと」と「今まで取引出来なかったデジタル作品の取引が可能になること」
- 主なデメリットは、「日本においては法律の制定が追いついていないこと」と「システム上のセキュリティリスク」
NFTとは、Non-Fungible Token(非代替性トークン)です。
特に注目されているのが、高い値段で取引されている、デジタルの絵としてのNFTです。
例えば、2022年1月にはアメリカで、9200万ドル(104億円)で画像が落札されています。
NFTを理解することが出来れば、なぜこのようなことが起きているのかも、しっかりと理解することが出来ます。
NFTを分解し、以下の二つを解説していきます。
● 非代替性
● トークン
非代替性とは、「世界中に1つしか無く、替えが効かない」という意味です。
非代替性のあるものは以下のようなものがあります。
● 世界に一つしかない、有名画家が描いた絵の原画
● 限定品として1つだけ発行された限定ブランド品
逆に「代替性」とは、「世界に同じものが複数あり、替えが効く」という意味です。
以下のようなものが「代替性がある」と考えられます。
● 有名画家の絵をコピーした画像
● 工場で同じものが大量生産されている日用品
これを考えると、NFTは「全く同じものの替えがなく、世界中に1つしか無いトークン」という意味になります。
以下に「トークン」が何なのかを解説をしていきます。
Token(トークン)とは、「暗号化されて電子保管されている資産、著作権等」のことです。
ネット上の資産である、仮想通貨などもこれにあたります。
このトークンの技術を可能にしているのが、ブロックチェーンの技術です。
ブロックチェーンとは、「データの改ざんが出来ないようにする技術」のことです。
企業では「個人情報」や「契約情報」等の、改ざんがあったら問題になるようなデータの保管に用いられています。
このブロックチェーンの技術によって、トークンには「どこの誰が保有しているか」、「どこで作成されたか」等の情報が改ざんできない情報として記載されています。
これによって、トークンを「第三者が同じものをコピーして作る」といったことが出来なくなり、資産としての価値を担保されるようになります。
「非代替性」と「トークン」を合わせて考えると、NFTとは、「世界中に1つしか無いために替えが効かない、電子保管されている資産」と考えることが出来ます。
NFTには「資産」という側面があるため、一部のNFTに高い価格が付くことがあります。
英国政府の調査機関(Alan Institute)が、NFTの価格に影響を与える要因の調査結果を発表しました。
その発表によると、大きく分けて2つの要因があります。
● NFTを作成した人の影響力
● 過去の取引価格
以下に詳しく解説していきます。
作成した人にどの程度の影響力があるかが大きな要因の一つです。
前述の通り、NFTは「世界唯一」(非代替)のものです。
なので、誰かがNFTでデジタル上の絵等を作成した場合、「その人が作成した」ことが保証されます。
もし、SNSで影響のある人が作成をした場合は、データとして「その有名人が作成した」ことが情報として残ります。
たとえば、ポケモンのアニメやポケモンカードのイラストで知られている、さいとうなおき氏の作成したNFTが約600万円の価格で落札されたことがあります。
NFTで「ポケモンを作ったさいとうなおき氏が作成した」ことが証明されているため、さいとうなおき氏の影響力から、このような高い価格で取引がされました。
過去の取引価格もNFTの価格に影響を与える要因の一つです。
高い価格で取引がされるようになると、そのデータはブロックチェーン技術で、「過去この価格で取引がされた」情報が証明されるようになります。
そうなると、「高い価格」=「高い価値」と感じる人が買うようになり、さらに価格が上がっていきます。
その例の一つが、「CryptoPunks」と呼ばれるNFTのアートです。
世界最古のNFTアートと呼ばれ、過去何度も取引をされていることから、徐々に値段が上がり、現在も高い価格で取引がされています。
このように、NFTは「過去どの程度の値段で取引をされたか」が改変出来ない情報として残るため、過去の取引価格もNFTの価格に影響を及ぼします。
以上の2つの主な理由からNFTには高い値段がついています。
NFTの大きなメリットとしては以下の2つがあります。
● 不正改変が出来ない
● 今まで取引できなかったデジタル作品が取引可能となる
それぞれ以下に解説していきます。
NFTは、「世界で唯一のものであること」(非代替性)が保証されています。したがって、不正改変が出来ないことがメリットの一つです。
NFTには、ブロックチェーン技術によって、「この人が作成した」、「いつ作成された」等のデータが改ざん出来ない形で紐づいています。
したがって、電子作品をコピーして偽物を作成することは、NFTを使うと不可能に近いです。
たとえば、世界初のTwitterの投稿がNFTとして約3億円で落札されましたが、本物のツイートには「〇〇年〇〇月〇〇日〇〇時〇〇秒」に「△△さんがツイートをした」という情報が改ざんできない形で紐づいています。
今、全く同じアカウントを作成して、同じツイートをして偽物を作ろうとしても、この情報を含めた全く同じものは作成が出来ません。
このように、不正な改変や改ざんが出来ないというのが、NFTのメリットの1つです。
NFTは、絵といった物だけではありません。
デジタル上の音楽、画像やSNSでのつぶやき等、デジタル上に存在するものであれば、どのような物でもNFTとなります。
NFTには「非代替性」と「唯一性」があることから、ネット上で出品することが可能となります。
たとえば、NBAのプロ選手のダンクシュートの「映像」が290万ドル(約3億円)で落札されたケースもあります。
このように、「NFT」として「世界で唯一のものである」ことを証明出来るようになったことで、今まで取引出来なかったものも取引出来るようになりました。
NFTにはさまざまなメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
● 法律の制定がNFTに追いついていない
● システム上のセキュリティリスク
以下に詳しく解説していきます。
NFTは近年急速に発達した技術のため、法整備が整っていないことが課題の一つです。
特に「資産」としてNFTを考えた場合、デメリットが大きいです。
現在の日本の法律では、実体の無い物に「所有権」も認められていません。
したがって、デジタル上の使った作品や資産においても、権利に関する法律が整っておらず、NFTを保有、取引をする上の法的な取り決めが少ない現状です。
そのため、物理的な所有物よりも、相続等の法律的なトラブルに巻き込まれる確率が高いというデメリットがあります。
デジタル上で管理されている性質上、セキュリティ上の問題からは避けられません。
日本でも数年前、仮想通貨の取引所での大きなセキュリティ問題があり、仮想通貨が盗まれる事件がありました。
デジタル上のものを扱っている以上、事件に巻き込まれる可能性が排除できません。
こういったハッキング事件等に巻き込まれるリスクが、NFTの大きなデメリットの1つです。
NFTとは、ブロックチェーン技術を使った、「世界で唯一の、電子保管されている資産」です。
ブロックチェーン技術を使って、「作成者の情報」や「作成の日時」等の情報が改ざん出来ない形でNFTに紐づいているため、数百億円単位の高い価格で取引がされることがあります。
また、「世界で唯一」であることが保証されているため、今までネット上で取引が出来なかった画像や動画、ネット上の絵等の取引が可能になりました。
一方で、日本の法律において相続法で想定されていないといった、法律の未整備の問題や、セキュリティ上の問題等の課題もある技術になります。
ぜひこのような特徴を持ったものであると理解した上で、ぜひNFT関連のニュース等もチェックしてみてください。
PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部
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