不動産テックとは?話題のサービス9選|オンライン内見・賃貸の口コミ調査などにも役立つ
オンライン内見や賃貸の口コミサイトなど、不動産テックは多くの便利なサービスを生み出しました。日本でも、不動産テックの市場やサービスは急激に伸びています。
この記事では、話題の不動産テックのサービスや、今後について解説します。手軽にマンション価格の査定や、空き家の収益化などが可能なサービスもあるので、ぜひ参考にしてください。
POINT
- 不動産テックとは、テクノロジーで不動産業界の課題を解決する仕組み・価値のこと
- 不動産テックを活用すれば、家にいながら内見やリフォーム業者探しも可能
- 不動産テックでは今後、空き家の活用・リノベーションが促進される
ここでは以下の内容について、解説します。
・不動産テックとは
・不動産テックの利用メリット
また、なぜ今、不動産テックが注目されるのかについても説明します。
不動産テックとは、テクノロジーを活用して、不動産業の課題を解決する仕組みや価値のことです。
AIや、ビッグデータを活用したサービスなどを指します。例えば、物件の口コミサイトやVR、ARを使用したオンライン内見もサービスの1つです。
日本の不動産テックの市場規模は、急激に伸びています。なぜ今、不動産テックが注目されるのでしょうか?それには、以下の理由が考えられます。
・政府が、不動産業のIT化を促進しているため
・情報の透明性が、求められているため
不動産業のIT化を促進する動きは、政府にもあります。従来は対面で行われていた、賃貸を借りる時の契約(重要事項説明)を、オンラインで受けられるようになりました。それに伴い国土交通省では、令和3年に「ITを活用した重要事項説明 実施マニュアル」を発行しています。
また、日本では不動産業者のみが知る情報が多く、購入価格が適正なのかわかりづらいです。そのため、情報の透明性を高める取り組みが求められています。
過去に比べれば、日本の不動産情報の透明性は向上しています。しかし、近年の新興国や世界全体での不動産テックの普及スピードは、著しいです。
日本の不動産取引の信頼性を高めるためにも、不動産テックの普及は重要課題として注目されています。
不動産テックの利用メリットは、以下の通りです。
・不動産情報を簡単に入手できる
・物件探しの手間が減る
・空きスペースの有効活用
・家のセキュリティ強化
従来は、情報を不動産業者が独占していました。しかし、不動産テックの普及により、検索で簡単に情報を入手できるようになりました。自分にあった物件を手軽に探せる点は、メリットとして大きいです。
また、コロナ禍でオンライン内見可能な物件や、賃貸の口コミサイトも注目されています。オンライン内見では、VR映像で家の内部を360度確認できます。
実際に足を運ぶと、物件を3件確認するだけでも1日作業です。しかし、オンライン内見を使うと、ある程度絞り込んだ上で現地に行くので、効率的に物件探しができます。
一般的に利用される不動産テックの種類は、以下の通りです。
1.リフォーム・リノベーション
2.IoT
3.ローン・保証
4.クラウドファンディング
5.価格の可視化・査定
6.スペースシェアリング
7.マッチング
8.物件情報・メディア
9.VR・AR
これらのサービスを利用すれば、物件探しや投資のための情報収集時間を減らせます。詳しく見ていきましょう。
不動産テックの1つに、リフォーム・リノベーション業者とのマッチングサービスがあります。物件を大幅に改造するリノベーションは、メディアでもよく紹介されるなど、近年人気が高まっています。
リノベーションは、破格で都心部に住めるなどメリットが多いですが、リフォーム業者探しには時間がかかりがちです。不動産テックは、そういった手間をなくします。
具体的なサービスとしては、リノベるがあります。リノベーション可能な物件探しからローン、施工、アフターフォローまで依頼できるサービスです。リノベーション向きの物件が手軽に見つかります。
IoTとは「Internet of Things」のことで、モノとインターネットをつなげる技術のことです。例えば、家電とインターネットをつなげれば、遠隔操作でお風呂を入れたりエアコンをつけたりできます。
不動産テックでも、IoTを活用したサービスは多く見られます。例えば、ホームウォッチは、外出先から鍵や家電を遠隔操作できるサービスです。
ドアの開閉センサーを利用すれば、ドアが開いた時に通知がくるように設定できます。不動産テックは、このようにセキュリティの強化や、便利な暮らしも叶えます。
不動産に関するローンや、保証の比較サービスもあります。海外に比べて扱う不動産数が少ないなど課題は残っていますが、今後伸びていく分野として期待されています。
サービスとしては、住宅ローンの窓口があります。複数の住宅ローン商品の中から、自分にあったサービスを比較できます。
不動産テックを利用して、クラウドファンディングを使った不動産投資もできます。クラウドファンディングは、インターネットを使った資金調達方法です。ある商品に対する出資や寄付を募集できます。
Webのプラットフォームから複数投資者を募るため、小口での不動産投資が可能です。
例えば、LENDEXは、資金調達をしたい事業者と投資家のマッチングサービスを行っています。小口投資でも、複数人が投資することで大きなリターンが見込めます。
不動産テックには、不動産価格や賃料がわかるサービスもあります。
物件の提示価格が適正かどうか、わかりにくいことが不動産業界の課題の一つでした。不動産テックを利用すると、物件の参考価格をAIやビッグデータを使用して、表示してくれます。
例えば、すむたす買取ではAI査定で最短1時間以内に売却価格がわかります。
スペースシェアリングは、空きスペースをオフィスなどとしてシェアできるサービスです。空室の活用促進が期待できます。
また、コロナ禍でリモートワークが増えたため、ワーキングスペースとして個人利用できるプランも多くあります。
例えばweworkは、1〜1,000規模の個室が利用できたり、短期間の利用もできたりと柔軟な契約形態が人気です。
不動産テックのサービスとして、物件の所有者と利用者をマッチングするサービスがあります。(シェアリング、リフォーム・リノベーションを除く)近年、空き家の増加が問題になっているので、需要は高いです。
具体的なサービスとしては、空き家ナビがあります。
不動産テックには、物件や不動産に関する情報提供サービスなどもあります。不動産に関する専門家の知識などを発信しているなど、物件探しに役立つ情報を入手可能です。
例えば、マンションノートでは、100万件以上のマンションの口コミを掲載しています。近辺の情報など、内見だけでは気づけない情報を発見可能です。
VR・ARを活用したサービスもあります。住宅展示場をメタバース空間で再現するなど、家にいながら物件を検討できます。
例えば、オンライン内見では賃貸や、新築一戸建てなどのオンライン内見が可能です。物件が遠距離の場合でも、手軽に内見できます。
不動産テックの今後は、空き家の有効利用やリノベーション分野が発展すると考えられます。
その背後には、近年よく耳にするSDGsへの関心の高まりがあります。これらは、不動産テックの今後にどう関わっていくのでしょうか。詳しく解説していきます。
SDGsは、国連サミットで採択された、2030年までに持続可能な世界を目指す国際目標です。
不動産テックの種類の1つである「空き家の活用・リノベーション」は、目標11の「持続可能な都市」に関わっています。増加した空き家を有効活用することは、持続可能なまちづくりにつながります。
こういった活動は自治体でも取り組まれており、調布市では「調布市空き家×SDGs」という空き家対策プロジェクトを進めています。
SDGsへの関心の高まりによって、空き家の活用が促進されるでしょう。国土交通省も、空き家・空き地バンク総合情報ページを作り、空き家の活用を促しています。
また、企業も空き家問題に積極的に取り組んでおり、積水ハウスも空き家活動の相談サービスを行っています。
空き家は放置すると倒壊の危険もあり、大変危険です。不動産テックは、そういった問題を解決し、都市部に安く住みたい若年層のニーズも満たします。
人口減少は今後も続くと考えられるので、ますます空き家の活用やリノベーションが促進されるでしょう。
不動産テックは、不動産業の課題を解決するために重要です。また、不動産テックにより情報の透明化が進めば、一般消費者にとってもうれしい影響があります。
不動産テックは新興国などで急速に普及していますが、日本ではまだ浸透していません。しかし、政府や企業も積極的に取り組んでいるため、今後ますます不動産テックの活用は進むでしょう。
賃貸探しやリフォーム業者探しも、不動産テックのサービスを利用すれば、家にいながら解決することも可能です。ぜひこの機会に、活用しましょう。
PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部
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