今さら聞けないイーロン・マスクとは何者？ジョブズを超えた起業家の今後

この記事では、イーロン・マスクの壮絶な生い立ちや、莫大な資産の内訳などについて、徹底的に解説します。

また、世界中の投資家が注目するイーロンの今後についても迫ります。イーロンの常識を超えた野望を知れば、彼から目が離せなくなることでしょう。

イーロンがスペースXを起業し、テスラ会長に就任するまでには何があったのでしょうか？壮絶なその半生について、以下のフェーズごとに紹介します。

・南アフリカで生まれ育つ
・スタンフォードを2日で退学し起業
・スペースXの起業・テスラ会長就任へ

1971年、南アフリカ人で実業家の父とカナダ生まれの母の間に、イーロンは生まれました。それから1989年にカナダに移住するまで、南アフリカ共和国のトランスヴァール州（現・ハウテン州）にあるプレトリアで育ちました。プレトリアはアフリカ最大の経済都市で、各国の大使館も立ち並ぶ近代的な都市です。

子供の頃からイーロンは大の読書好きで、百科事典を暗記するほど読み込んでいました。特にSF小説が好きで、愛読書に『銀河ヒッチハイク・ガイド』を挙げています。後に航空宇宙メーカーのスペースXを起業する、彼らしい愛読書です。

10歳の時にコンピューターを購入し、プログラミングにのめり込みます。そして、わずか12歳で自作のゲームソフト「Blaster」を作成し、「PC and Office Technology」という雑誌に500ドル（約12万円）で売却しました。（リンクからゲームをプレイできます）宇宙人を倒す内容のシンプルなゲームですが、彼の商才と宇宙への憧れを感じる内容です。

1995年、イーロンはスタンフォードの大学院に入学しますが、2日で辞めます。退学後、イーロンは弟のキンバルと、オンラインコンテンツ会社の「Zip2」を起業しました。

1995年は、マイクロソフトがOS「Windows 95」を発売し、インターネット時代の幕開けの年ともいわれました。世界屈指の名門をあっさり辞めてインターネットビジネスに乗り出したのも、そんな時代の空気感があったと考えられます。

起業当初は、ファストフードをごちそうにする貧しい生活が続きました。しかし、ITブームやイーロンのアイデアで会社は成長し、コンパック社に3億700ドルで買収されました。この資金を元にインターネット決済の会社「X.com」を設立します。後に合併して、PayPal社となりました。同社はeBayに買収され、イーロンは1億8,000万ドルを手に入れます。イーロンは、30歳にして資産家となりました。

巨額の資産を手に入れた後も、イーロンは事業への情熱を絶やしません。2002年には、宇宙ロケットの開発会社「スペースX」を起業します。

民間では難しいと考えられていたロケット開発ですが、民間企業初となる国際宇宙ステーションへの物資輸送に成功するなど、快進撃が続いています。2004年には電気自動車ベンチャーのテスラ・モーターズ社に出資し、会長に就任しました。

イーロン・マスクと言えば世界一の資産家ですが、その莫大な資産の内訳が気になりませんか？ここでは、資産の内訳と意外な私生活について紹介します。

2022年の世界長者番付で、Amazon.comの創業者ジェフ・ベゾス氏を抜き、イーロンは世界一の資産家となりました。その個人資産額は、2,190億ドル（約26兆9,400億円）と、小さな国の国家予算なら上回ってしまう額です。

イーロンの資産内訳の半分は、創業したスペースXにあると考えられます。スペースXの評価額は、10兆円を超えるともいわれるためです。また、共同創業者兼CEOであるテスラの株式の20％程度を保有しており、共同設立したニューラリンクの株式も持っています。その他、役員報酬などから、莫大な個人資産を持つことになったと考えられます。

イーロンは世界一の資産家ですが、その自宅はプレハブ小屋です。お城も買える資産を持ちながら質素な暮らしをする理由は、スペースXの事業に集中するためでした。以前はイーロンも豪邸をいくつか持っていましたが、家は所有しないという方針のもと、すべて売却してしまいます。

イーロンは、週に120時間以上働いているともいわれるワーカホリックです。食事も5分で終えたり、子供の世話をしながらメールをチェックしたりと私生活も仕事中心にまわっています。

イーロンは起業家として賞賛される一方で、その驚くような言動にも注目が集まっています。ここでは、イーロンの発言を3つ紹介します。

Twitterの買収撤回は、世界を大きく騒がせました。イーロンは、当初Twitterを完全買収することに合意していましたが、偽アカウントの多さを理由に取引を保留しました。

そして、Twitter側の情報提供が十分ではなかったと主張し、買収取引を一方的に打ち切ります。関係者の中でも賛否がわかれ、今後の展開が注目されています。

イーロンの「日本消滅」発言は、ネット上で大きな議論を巻き起こしました。彼は、出生率が死亡率より高くならないと日本は消滅してしまう、とツイートしています。衝撃的な発言ですが、日本の少子化問題について深く考えさせられました。

イーロンは日本のカルチャーを好んでおり、好きなアニメに『新世紀エヴァンゲリオン』や『千と千尋の神隠し』を挙げています。この発言からも、日本への興味は相当強いと言えるでしょう。

イーロンは自らがCEOを務めるテスラ・モーターズ社の株について、「高すぎる」と言及しました。これによって、テスラの株価は一時12％下落しました。市場を操作しているなど、批判的な反応も多くあります。

イーロンは他にも「テスラ株の非公開化」など、市場を騒がせる発言を多くしています。しかし、ガールフレンドへのジョークだったという報道もあり、真意はつかめません。

イーロンは今後、火星に人類を連れていくと発言しています。壮大な夢ですが、多くの投資家がこの事業に賛同し、巨額の資金が集まっています。ここでは、イーロンの今後とその驚くべき実行力について、解説します。

2002年にイーロンは、人類を火星へ移住させることを目指して、スペースXを起業しました。ロケットの打ち上げには莫大な費用がかかり、民間での開発は難しいとされています。ましてや当時、イーロンはロケットに関する知識を、全く持っていませんでした。

しかし、彼はあのグーグルの創業者ラリー・ペイジに、「莫大な財産を残せるならイーロンに」と言われた天才起業家です。史上初の快挙を次々と成し遂げ、2021年にスペースXは評価額1000億ドルを超える企業となりました。

イーロンが次々と事業を成功させた理由の1つに、常識を超えた実行力があります。自動操縦がまだSFだと考えられていた時代に、彼はそれを実現可能な未来として語っていました。

周りから馬鹿にされても、イーロンは思い描く未来に向かって努力を怠らず、常に考え続けました。彼のその熱量に、多くの人が動かされていったのです。人類の火星移住も夢物語のように聞こえます。しかし彼ならと、信じさせる実行力がイーロンにはあります。

世界一の資産家として有名なイーロン・マスクは、常識を超える実行力の持ち主でした。億万長者になった後も、火星への移住を目指すなど情熱を燃やし続けています。前澤氏が「火星なう」のツイートをする日も、そう遠くはないでしょう。

1億人以上のフォロワーがいるTwitterアカウントでは、最新の彼の情報がつぶやかれています。今後の彼の動きが気になる人は、チェックしてみましょう。

PHOTO：iStock
TEXT：PreBell編集部