2022.10.14 【今さら聞けない】孫正義の何がすごいのか?意外な生い立ちから功績・人柄・名言などを徹底解説
世界的にも有名なソフトバンクグループ創設者の孫正義氏。日本を代表する経営者であり、ずば抜けた行動力とスピード感が評価されています。そんな孫正義氏ですが、実際の功績や生い立ちについて説明できる人は、意外に少ないのではないでしょうか。
天才的な経営者の生き方や名言には、多くの学びがあります。この記事では、孫正義氏の生い立ちや功績、人柄、名言なども合わせて徹底的に解説するので、ぜひ参考にしてください。
POINT
- 孫正義氏は大学時代に起業し、24歳でソフトバンクを創業する
- 孫正義氏はiPhoneを日本独占販売・マイクロソフトとパートナー契約・Yahoo! Japan立ち上げを実現する
- 孫正義氏には根っからの商売人で人たらしな一面がある
- 孫正義は「情報革命で人々を幸せにする」ことを目標にしている
目次
ここでは以下の流れで、孫正義氏の生い立ちからソフトバンクの創業まで紹介します。
・在日韓国人実業家の家に生まれる
・高校を飛び級卒業し大学生で起業する
・24歳でソフトバンクを起業する
孫正義氏は、佐賀県鳥栖市の朝鮮人集落に生まれました。豚のエサやふん尿、密造酒の匂いの中で育つなど、当時の壮絶な生活は著作でも書かれています。幼少期に石を投げられるなど、在日朝鮮人に対する差別意識の中で育ちました。
小学校の頃、北九州市に引っ越してからは「安本」と名乗り、日本人として過ごします。孫正義氏の父親はそこで事業を始め、裕福な暮らしができるようになりました。孫正義氏は、そんな父親から経営を学びます。
孫正義氏は、高校時代にカリフォルニアへ短期留学しました。10代で渡米を決意したのには、東大卒でも韓国籍では官僚になれないなど、根強い差別の影響も考えられます。また、当時の1970年代は、インターネット時代の幕開けの年でもありました。
PCが大衆に普及し、1975年にはマイクロソフト社をビル・ゲイツ氏が創業します。そんなアメリカの空気を吸った孫正義氏は、サンフランシスコの高校に編入学し、3週間で飛び級合格して退学します。そしてカリフォルニア大学在学中に、ソフトウェア開発会社「Unison World」を起業しました。
ソフトバンクの起業には、孫正義氏がアメリカで知り合ったシャープの技術者佐々木氏が深く関わっています。佐々木氏は孫正義氏の開発した「自動翻訳機」を2,000万円で購入するなど、彼の技術を高く買っていました。
その佐々木氏の進言を受け入れ、ソフトバンクの前身である「日本ソフトバンク」を創業します。その後、1983年に慢性肝炎で入院するなど不遇の時期がありながらも、孫正義氏はソフトバンクを日本の代表的な企業へと成長させていきます。
孫正義氏のすごい功績は、以下の通りです。
・iPhoneを日本独占販売
・マイクロソフトとパートナー契約
・Yahoo! Japan立ち上げを実現
詳しく解説します。
2008年に、ソフトバンクはiPhone2代目の「iPhone 3G」を、日本唯一の正規キャリアとして発売します。なぜ他の大手企業との勝負に、打ち勝つことができたのでしょうか?答えは孫正義氏の交渉力にあります。
孫正義氏は、交渉は「自然と交渉相手が寄り添ってくるような状態を作り出すのが重要」と語っています。ソフトバンクのロゴの変更やiPodの取り扱いなど、着実にアップル社との協業態勢を作った上での交渉が功を奏しました。
孫正義氏は、得意の交渉力でマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏も口説きます。ソフトバンクは、マイクロソフト社とのパートナー契約で大きく発展することになりました。2020年2月には、マイクロソフトから「 Microsoft Azure Expert MSP 」の認定を受けます。
Yahoo!の創業者であるジェリー・ヤン氏と交渉して、1996年1月に米国Yahoo! Inc. との共同出資でYahoo! Japanを立ち上げます。2001年9月には、ビー・ビー・テクノロジー株式会社(現 ソフトバンク株式会社)が「Yahoo! BB」の商用サービスを開始しました。
リーズナブルな価格とスピードの速さは、日本のインターネットの普及に大きく貢献しました。
ここでは、孫正義氏の人柄と名言5選について紹介します。天才といわれる孫正義氏の素顔に迫ります。
孫正義氏は根っからの商売人といわれています。ビジネスモデルを考えるのがとにかく好きで、朝から晩まで考えていることも。しかし、研究者のように1つのことに集中するわけではなく、次から次に新しい事業を作っていくタイプです。
孫正義氏は、人たらしな一面も持っています。いつもは怒鳴りつけている部下にも、「期待している」とメッセージを送るなど憎めないところがあります。また、ジョブズ氏やゲイツ氏など名だたる大物達と関係を築けたのも、こういった人懐っこく人たらしな一面が関係しています。
孫正義氏は数々の名言を残しています。ここでは、そこから以下の5選を紹介します。
1.最初にあったのは夢と根拠のない自信だけ。
2.頭がちぎれるくらい考えろ。
3.負ける戦いはしない。負けるだろうという戦いはもちろん、負けるかもしれないとか、苦戦するだろうという戦いは最初からしないことです。
4.目標は明確に口に出した方が良い。周りにコミットする事で自分を追い込んで行けるから。
5.登りたい山を決める。これで人生の半分がきまる。
特に「頭がちぎれるくらい考えろ」は、孫正義氏の口ぐせです。孫正義氏は、「頂情略七闘(ちょうじょうりゃくしちとう)」という言葉を大切にしています。
これは、ビジョン(頂)・情報の収集や分析(情)・死ぬほど考えた戦略(略)・勝率7割で闘う(七闘)ことを意味しています。頭がちぎれるくらい考えた戦略を次々に実行に移す、彼らしい言葉です。
起業家として輝かしい功績を納めてきた、孫正義氏のこれからに迫ります。2010年の定時株主総会後に発表された「ソフトバンク 新30年ビジョン」を参考に、以下を解説していきます。
・情報革命で人々を幸せにする
・世界時価総額トップ10入りを目指す
・ソフトバンクアカデミアで後継者を育てる
孫正義氏は、ソフトバンクグループの新30年ビジョンを「情報革命で人々を幸せにする」ことのために考えて、実行すると語っています。これはソフトバンク創業からの思いです。
孫正義氏は「情報革命で人々を幸せにする」ために、「世界時価総額トップ10入りを目指す」ことや、「ソフトバンクアカデミアで後継者を育てる」ことについても言及しています。
孫正義氏によると、世界時価総額トップ10にはその時代に最も必要とされたり、必要な資源を提供したりした企業がランクインしています。人々から必要とされる企業であるためにも、世界時価総額トップ10に入ることはソフトバンクグループの目標の一つです。
目安として時価総額200兆円をあげているため現状の数十倍にする必要がありますが、孫正義氏はこれを本気でやる考えです。
孫正義氏は、自身とソフトバンクグループの次期後継者育成のため、ソフトバンクアカデミアを開校しています。孫正義氏自ら10数年かけて、直接指導する育成プログラムです。
受講費用は無料で、一度退学になっても何度でも再チャレンジできる仕組みになっています。孫正義氏がそうであったように、高い志さえあれば誰にでもチャンスはある、というメッセージなのではないでしょうか。
孫正義氏は、高い理想を掲げ、実行にうつすことで成功しました。孫正義氏のような成功者が「最初にあったのは夢と根拠のない自信だけ。」と語ったことに、力をもらえた人も多いのではないでしょうか?
途方もない夢でも、孫正義氏が語ると説得力が生まれ、人を引き寄せます。孫正義氏ほどでなくても、高い志を持って何かに挑戦してみるのは人生に良い影響を与えることでしょう。
PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部