マーク・ザッカーバーグが考える未来のメタバースの世界について徹底解説
現在、「メタバース」や「VR」といった言葉を聞くことが増えてきました。
それに伴い、MetaやGoogleといった超大手企業のCEOがメタバースを使った未来について言及をすることが増えてきました。
実際、MetaがOculus(VRのプラットフォーム)を買収したことに際して、CEOであるマーク・ザッカーバーグがメタバースの未来について言及をしています。
ですが、Metaがどのような未来を予想しているか、具体的に理解している方は少ないのではないでしょうか?
この記事では、MetaやそのCEOであるマーク・ザッカーバーグがどのようなメタバースの世界の未来を予想しているか、解説していきます。
POINT
- メタバースとは「現実世界とは異なる次元」の意味であり、ネット上の仮想空間のことを指している
- マーク・ザッカーバーグは「コミュニケーションの形が変わる」、「雇用が生み出される」という未来を予想している
- すでに、ビジネスのコミュニケーションの形が変わり、雇用が生み出されているケースが存在している
- 日本企業もメタバースを使ったビジネスを展開しており、2026年には国内だけで約1兆円の市場になることが予想されている
目次
まず初めに、「メタバース」という言葉はどのような意味なのか解説していきます。
メタバース(英語Metaverse)は、VR等で入ることが出来る、インターネット上での仮想空間を指しています。
なぜ、そもそも「メタバース」という言葉がネット上の仮想空間のことを指すのか、メタバースの言葉を以下2つに分解して解説していきます。
・メタ
・バース
メタとは、「異なる次元」という意味の英語です。
小説のジャンルでも「メタフィクション」(小説を分析する小説のこと)という言葉があります。
「メタフィクション」でも、別次元から分析をするという意味で、「メタ」という言葉が使われています。
このように、別次元のことを「メタ」と呼びます。
一方でバースとは、「Universe」(宇宙、現実世界)の英単語の後ろのVerseを取った単語です。
この「メタ」と「バース」を合わせて考えると、メタバースは「現実世界と別次元」という意味になります。
仮想空間は、現実の世界とは別の空間をネット上で作ることを目的としています。
このことから、ネット上に作られている仮想空間のことを「メタバース」と呼ぶようになりました。
MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグによると、このメタバースは様々な分野で大きな影響を与えるとされています。
2022年3月11日、MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグは、アメリカのオースティンで行われたSXSW(映画祭)で、メタバースが作り出す世界について講演を行いました。
その講演によると、以下2つの影響があるとされています。
・メタバースでコミュニケーションの形が変わる
・メタバースでの雇用が増える
以下に詳しく解説していきます。
1つ目の世界の変化が、コミュニケーションの形が変わるとされていることです。
マーク・ザッカーバーグによると、メタバース空間では「他の人がそこにいるという実感」がもたらされるとしています。
今までのメッセージやメールでのコミュニケーションでは、「意思疎通」は出来ましたが、「人とコミュニケーション」をしているという感覚が少し薄いと感じることがありました。
ですが、メタバースでは通常の対面におけるコミュニケーションのような「そこに人がいるという実感」がもたらされるとしています。
これをマーク・ザッカーバーグは、メッセージやメール、テレビ電話の次に来る、「インターネットの次の章」と呼んでいます。
マーク・ザッカーバーグは、メールがメッセージアプリ、電話がSkypeやZoomに置き変わってきたように、メタバースでコミュニケーションが置き変わってくる場面が増えると分析しています。
2つ目が、クリエーターの活躍の場がメタバース上に移行し、雇用が生み出されるという点です。
インターネット上での仕事の歴史を見ると、2000年代はブロガー等の文字メディアでのクリエーターが主流でした。
2010年代に入って、YouTuberといった動画メディアで活躍するクリエーターが活躍するようになりました。
マーク・ザッカーバーグは、クリエーターの活躍の場所が文字→動画と変わってきたように、メタバース上でのクリエーターが増えると予想しています。
巨大な市場になるとも推測をしており、何百万もの雇用を生み出すと予測をしています。
このように、クリエーターの活躍の場所がメタバース上に移行し、それに伴って巨大な市場が形成されると予想されています。
マーク・ザッカーバーグが予想していた未来のメタバースの世界は、すでに一部実現されつつあります。
「コミュニケーションの形」、「雇用」という点では、すでに以下2点が実現されつつあります。
・ビジネス用のVRソフト
・NFTを使ったメタバース上での取引
以下に詳しく解説していきます。
1つ目が、ビジネスシーンでのメタバースの活用です。
コロナ禍になってから、ZoomやSkypeを通じたビデオ通話を使ったビジネスが大きく成長しました。
ですが、「細かい表情が分かりにくい」、「非言語コミュニケーションが使えない(ジェスチャー等)」のデメリットもありました。
この問題を、メタバースは解決し始めています。
ビジネス上での会議をメタバース上で行う、Metaが開発したHorizon Workroomsというアプリです。
会議をメタバース上で行うことにより、ビデオ会議にはないような臨場感やジェスチャーや目配り等が、通常の対面の会議と同じような形で実施出来るようになっています。
マーク・ザッカーバーグはこの臨場感を「魔法のようだ」と表現をしています。
すでにメタバース上での雇用が生み出されているケースがあります。
その例が、「メタバース上でのフィットネス」です。
スポーツクラブで行われるような、フィットネスクラブをメタバース上で実施して、月額の定期サービスを実施している業者があります。
通常のスポーツクラブであれば、物理的な場所や器具を借りて実施しなければいけないようなものが、すでにメタバース上に移行され始めています。
実際このサービスで生活を立てている人や業者もいます。
このように実際の場所で実施していたことをメタバース上に移行して、雇用が生み出されていることについて、マーク・ザッカーバーグは「興味深い」と話しています。
メタバースは今後大きな市場として拡大していくことが予想されています。
矢野経済研究所の調査によると、日本国内のメタバースの市場規模は2026年には約1兆円に達すると言われています。
日本でも、実際にビジネスに活用する例が出てきています。
たとえば、大手百貨店の三越伊勢丹は2021年に、「REV WORLDS」の事業に乗り出し、メタバース上で三越伊勢丹新宿本店を作って実際に購入が出来る形のショッピングスタイルを作っています。
マーク・ザッカーバーグが「他人との繋がり」と「雇用」において大きな影響を与えると言っていた通り、日本においても大きな市場になっていくことが予想されています。
メタバースはネット上で作られた仮想空間のことを指しており、「人との繋がり」、「雇用」という点で大きな影響を与えると、マーク・ザッカーバーグは予想しています。
日本においても、2026年には1兆円規模の市場になると予想がされており、今後も伸びていくことが予想される分野です。
ぜひ今後「VR」という言葉をニュースで聞いたら、メタバースの作り出す未来についても注目していってみてください。
PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部
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