ネットのギモン・お悩み

2023.01.24 Cookie(クッキー)とは? 仕組みや気になる危険性をカンタン解説!

ネットをしていて「Cookie同意」を求めるポップアップが気になることはありませんか? この記事ではそもそも「Cookie」がどういうものなのか、その仕組みや種類について解説します。そして、利点や危険性、安全に使うための設定方法についても併せて紹介していきます!

Cookie(クッキー)って何?

Cookieのイラストイメージ

CookieとはWebサイトにアクセスした際に付与されるテキストファイルのことを指し、そこには利用者のログインIDやサイトへのアクセス履歴、訪問回数などの情報が付与されています。

このCookieがあることで、SNSなどログインが必要なサイトに再度アクセスした際に改めてログインする必要がなくなります。またショッピングサイトなどでカートに商品を保存することができるのもCookieによるものです。

Cookieの種類

Cookieには「ファーストパーティ」「サードパーティ」の2種類があります。

ファーストパーティ
実際に訪問したWebサイトのドメインから発行されるCookieです。Webサイトごとに独自発行されるため、発行元のサイトでしか機能しません。異なるブラウザやデバイスでアクセスした場合は同一ユーザーだと認識されません。

サードパーティ
訪問したWebサイトのドメインではなく、第三者ドメインから発行されるCookieです。Webサイトに掲載されている広告などから発行されることが多く、サイトを横断してユーザーの追跡を行うことができます。「一度検索したサイトや、商品に関する広告がよく表示されるようになった」という経験は誰にでもあると思いますが、これはサードパーティCookieによるものです。

混合しがち!? キャッシュとの違い

Cookieと混同されがちな言葉として「キャッシュ」があります。両者ともにWebサイト閲覧履歴を保存する仕組みですが、その仕組みや内容は別物です。キャッシュはWebサイトの情報をブラウザに保存しておく仕組みで、それによって同じページに再度アクセスした際の表示速度が向上します。

最近よく見かけるCookie同意バナーについて

Cookie同意バナーのイラストイメージ

近頃、アクセスした際「Cookieの使用に同意しますか?」といったポップアップが表示されるWebサイトが増えています。これはヨーロッパのデータ保護に関する法律「GDPR(General Data Protection Regulation)」と日本の改正個人情報保護法の影響によるものです。Cookieには個人情報が含まれると考えられるようになり、サイトがCookieを扱う際には閲覧者の同意が必要となるようになりました。

Cookieの良いところと問題点

ここまで解説してきたように、Cookieには利点だけではなく個人情報保護の観点でのリスクが含まれています。ここではその両者を紹介します。

良いところ

1.ログイン情報を記憶してくれる
ユーザー視点でのCookie最大のメリットはログイン情報の記憶にあると言えるでしょう。SNSやAmazonなど自身のアカウントにログインして使うWebサイトは非常に多く、これらのサイトにアクセスするたびにログイン作業を行うのは大きな手間となってしまいます。そのため、毎日あるいは毎時間行うログイン作業を簡略化してくれる点で、多くの人にとってCookie利用のメリットとなるでしょう。

2.カートの中身を保存してくれる
ECサイト利用時にまとめ買いをする際など、とりあえずカートに商品を入れておくというアクションを取ることは珍しくありません。時には一度サイトを離れて、気になる商品についてGoogleやYouTubeで口コミを検索してみることもあるでしょう。その後ECサイトに戻ってきた際、もしもカートの中身が空にリセットされていたら、再び購入するのが億劫になってしまうはずです。ユーザーにとっては手間となり、サイト側としては販売機会の損失となってしまいます。Cookieによってユーザーの行動を保存できることに、利便性を感じている方も多いのではないでしょうか。

3.企業のマーケティング施策に役立てることができる
企業側は、サードパーティCookieを使ってユーザーの行動データを収集して分析することで、個々人に適した広告を表示させることができるようになります。ユーザー視点からは、自分に無関係な広告が表示される機会が減るということもメリットとして感じられる場合もあるでしょう。

問題点

1.個人情報の流出や不正利用などのリスク
Cookieには氏名や住所、年齢、性別などの基本的な個人情報は含まれません。しかし、ログイン情報を含んでいるため、それらを悪用された場合に個人情報が流出したりECサイトなどを不正利用される恐れがあります。

2.プライバシーの侵害
Cookieが個人を特定できる情報を含まないとは言え、Web上の行動履歴からは趣味嗜好や購買動向の補足が行えるため、個人を特定できる情報以上の個人情報と捉えることも可能です。そしてそれらの情報が売買されたりして流出される危険性も存在しています。

さらに、それらの嗜好情報をもとに、一度検索しただけの商品やキーワードに紐づいた過剰なパーソナライズ広告に追跡される可能性があります。そうした広告に対して不快感を覚える人も少なくないでしょう。

Cookie規制の動きも

PCに置かれたクッキーのイメージ

こうしたCookieの問題点から、欧米諸国ではCookie規制の動きが生まれています。先述の通りヨーロッパのデータ保護に関する法律「GDPR」ではCookieが個人情報として扱われることになり、ユーザーの同意なしに利用できないようになりました。この法律に違反した場合、2000万ユーロ以上の罰金が科せられることになり、実際にGoogleやAmazonが莫大な制裁金を支払うよう命じられています。

日本もこの動きに追従し、2022年4月施行の改正個人情報保護法で、特定条件に該当する事業者がCookie取得の際に同意が必要となりました。

Cookieと安全に付き合うためのポイント

Cookieを安全に使うため気をつけたい最大のポイントは「誰かと共用する可能性があるデバイスではCookieを使用しない or 使用した後はCookieを削除する」という点です。先述の通り、クレジットカード情報やアカウントIDなど、Cookieにはユーザーの情報が含まれていることも多いため、貸出し用のPCや知り合いから一時的に借りたスマートフォンなど、自分以外が使うデバイスには個人情報を残さないことが大切です。自分の個人情報を守るためにも、第三者の不正利用によるトラブルを未然に防ぎましょう。     

Cookieの設定方法

安全にネットを利用するため、パーソナライズ広告に追跡されないようにするためなど、ユーザーによって目的は様々ありますが、Cookieの設定方法を知っておいて損はありません。一度方法を知っておくと、ここぞというときに役立つ知識なので、ぜひ試しに設定してみてください。

パソコンでの設定方法(Google Chrome)

パソコンでのCookieの設定方法(1)

1.Chrome右上の「設定」をクリックします。

パソコンでのCookieの設定方法(2)

2.「プライバシーとセキュリティ」を選択して「Cookie と他のサイトデータ」をクリックします。

パソコンでのCookieの設定方法(3)

3.Cookieを使用しない場合「すべてのCookieをブロックする」をクリックするか、「すべてのウインドウを閉じるときにCookieとサイトデータを削除する」をオンにします。後者の場合、ブラウザ利用終了後にすべてのウインドウを閉じることを忘れないようにしましょう。

Cookieを削除したい場合は、「すべてのサイトデータと権限を表示」をクリックして、次の操作に移ります。

パソコンでのCookieの設定方法(4)

削除したいサイトの右側にあるゴミ箱ボタンをクリックするか「データをすベて消去」を選択して、Cookieを削除します。

iPhoneでのCookie設定方法

iPhoneでのCookieの設定方法(1)

1.「設定」から「Safari」をタップします。

iPhoneでのCookieの設定方法(2)

2.Cookieを使用しない場合「すべてのCookieをブロック」をオンにします。
Cookieを削除したい場合は、「履歴とWebサイトデータを消去」をタップして削除します。

AndroidのChromeでのCookie設定方法

1.Chomeを開いて右上のアイコンから「設定」をタップします。

2.「サイトの設定」から「Cookie」をタップします。

3.Cookieを有効または無効にします。

なお、AndroidでCookie情報を削除したい場合は以下の手順で行います。
1.Chromeのメニュー「設定」をタップします。

2.「プライバシーとセキュリティ」、「閲覧履歴データを消去する」の順にタップし、1時間以内、全期間など削除したい期間を選択します。

3.削除対象の「Cookie とサイトデータ」ボックスにチェックをつけて、「データを削除」をタップしCookieを削除します。

まとめ:Cookieを安全に活用しよう

以上のようにCookieは私たちのネット利用を快適にしてくれる反面、個人情報保護の観点などでリスクもはらんでいます。
特に、共用デバイスを利用する際はセキュリティ面での設定に気をつけ、安全にネットを利用するようにしましょう!

TEXT:坂上春希
PHOTO:PreBell編集部、Getty Images

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