auのスマートホーム、ならではの強みは通信事業者として培った「安全性」と「人的サポート」 みんなのインターネット

auのスマートホーム、ならではの強みは通信事業者として培った「安全性」と「人的サポート」

家電のオン・オフが自動でできる、出先から家にいるペットや家族の様子をカメラで見守れる。家具家電をインターネットに繋ぐことで毎日の暮らしが便利になるとされるスマートホーム。ちょっと興味はあるけれど「家電のスイッチぐらいなら手でつければいいんじゃない?」「コストに見合うほど便利なの?」と疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。

通信キャリアであるauも、2017年5月から「au HOME」としてスマートホーム市場に参入しました。auならではの強み、メリットとは? 事業を手がけるKDDIの担当部長に聞きました。

そもそもスマートホームって? という方はまずこちらの記事をどうぞ。
▶【実例つき】スマートホームってなに?導入のメリットと4つの注意点を解説!

お話を聞いた方
渡辺和幸

KDDI株式会社 商品・CS統括本部 商品企画本部 ホームIoT企画部 部長。 滋賀県出身。忍者(甲賀)の末裔。

■au HOMEとは

KDDI株式会社が提供している、誰でも手軽に始められるホームIoTサービス。ネットワークカメラやドアの開閉などを検知するマルチセンサーをはじめとした「au HOME デバイス」を、無線通信アダプタを経由してスマートフォンの「au HOME アプリ」からコントロールすることで便利な暮らしを実現する。

■代表的なau HOME デバイス

マルチセンサー 01
窓、ドア、引き出し等に設置することで、開閉状態を確認できるセンサー。温度・湿度・照度などもわかる。
赤外線リモコン 01
家電(エアコン、テレビ、照明)をスマホアプリで遠隔で操作できるリモコン。
ネットワークカメラ 01
カメラを設置した場所の様子を、音声つきの映像としてリアルタイムに確認できるカメラ。カメラにマイクとスピーカーがついているので、映像の受信者側から話しかける事もできる。
スマートプラグ 01
接続した家電の電気使用量をスマホアプリで確認できるプラグ。

その他、人やペットの動きを感知する「マルチセンサー 02」や、玄関ドアの施錠状況を知らせる「鍵 開閉状況センサー 01」などがある。

▶au HOMEデバイス紹介ページ

見守りカメラは意外と使わない。真髄は「ふわっと見守る」ことにある

——単刀直入にお聞きしますが、スマートホームってどんな点が便利なんでしょうか?

渡辺さん

大きな価値は2つだと考えています。まず、カメラとセンサーによって、見守りが簡単に安心してできるという点。そして家電がより便利に使えるという点です。前者は、共働きで親が子どもより先に家を出るご家族や、離れて暮らすご両親がいる場合、またペットを見守りたい場合などによく使っていただいています。

——気になったときにカメラで室内を見られる、というのは安心につながりそうです。

そうですよね。ただカメラ単体で考えると、意外と使わないんですよ。まず、見守られる側としては、カメラに寄って「見守られる」というより「監視される」という印象を持ってしまいます。

なので、まず遠くに住む方の様子を見守りたいという場合には、人感センサーなどを使って動きがあるかを見ることで「寝たきりになっていないか」「倒れていないか」という点をまず確認して、それからカメラで様子を確認するという見守り方法がよさそうです。

それから、私も自宅にカメラを設置していますが、子どもの様子を見るといっても、なんの目的もなくカメラを見るということはありません。例えば、しっかり学校に行っているか、元気に帰宅しているかを知りたいという目的があるはずです。

そのためには、見守りならドアの開閉を検知するマルチセンサーや人の所在を検知する人感センサーを玄関やリビングにつけておくのがオススメですね。動きがあればスマホに通知が来ますから、子どもが何時に学校から帰ってきたのかがわかります。じゃあ様子を見ようとカメラを立ち上げる、といった具合です。

お子さんだけでなく、離れたところに暮らしているご両親の様子が「今日も起きたな」「最近、ちょっと生活パターンが変わってきたみたいだな」といった感じでわかる、というのも安心につながるでしょう。カメラによる見守りというと、どうしても「監視」のようなイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、どちらかというと「ふわっと見守る」ということが、スマートホームで実現できると考えています。

ペットであれば、カメラはもちろんですが「マルチセンサー 01」が便利でしょう。気温や湿度がわかりますから、急に気温が上下した日などは勤務先からエアコンをつけてあげる、といったことができます。

渡辺さん

並行作業がラクになる、家電のスマートホーム化

——家具家電を便利に使える、というお話のほうはいかがでしょう? 確かに自動で電源をオン・オフできたら便利かなとは思うのですが。

au HOMEでは、「赤外線リモコン 01」を使って、赤外線リモコンを使っている様々な家電をコントロールできるようになります。さらに「Google Home」との連携により、たとえばキッチンで料理しているとき、手が汚れたり濡れたりしていても声だけでタイマーをセットしたり、照明をつけたりできます。料理中でいえば、テレビのボリュームを上げたり、チャンネルを切り換えたりするのもけっこう便利なのではないでしょうか。

今は確かに「ちょっと便利」くらいなのだろうと思います。ただ、ハウスメーカーや家電メーカーなど各社がさまざまな研究をされていますよね。我々としても、今後より便利になるようにいろいろとライフデザインをしていきたいと思います。

たとえば、空気をモニタリングして花粉が多く飛散しているなら空気清浄機をつける、なんてのは花粉症の方には嬉しいですよね。それから火災報知器。鳴ったときに家にいればいいですが、外出時だって危険は察知したいはずです。そんなときにスマホに通知が届くというのは、安心につながるだろうと思います。ヨーロッパではIoT化された火災報知器をつけると火災保険や地震保険の保険料が安くなるしくみがあるそうで、こうした取り組みもおもしろいなと思っています。そんなふうに家の中を再設計して、生活しやすくなるように商品を磨いていきたいですね

auならではの強み、「安全性」と「自社のリソースを活かした人的サポート」

スマートホームデバイス各種

——au HOMEならではの強みというのはなんでしょうか?

まず、安全に利用いただけることですね。au HOMEは複数の機器を専用のアプリひとつで操作できるという点に便利さがあるのですが、それは、もしもアプリがハッキングされると、家の中の家電すべてがクラッカー(編集部注:システムやネットワークに不正に侵入し、顧客情報を盗むといった悪質な行為をする人のこと)の手に落ちるということにもなりかねません。

スマートフォンの画面

しかし、私たちは通信事業者として、通信の秘密を必ず守らなければいけないということが事業の根幹にあります。スマートホームは家の中の生活情報という、ごくセンシティブな情報を扱うものです。だからこそ、カメラは基本的にauホームのアプリで登録設定したデバイスからしか見られないとか、そうした専用の仕組みや設備を必ず用意して安全にご利用いただけるようにしています。

それから、これまでKDDIとして培ってきた経験やリソースを活かしたサービスも独自の強みです。たとえばセコムさまと提携することで提供している「セコム駆けつけサービス」(ココセコム for au HOME)では、自宅に設置してあるセンサーやネットワークカメラから万が一異常を感知した際などに、セコムの対処員に自宅への訪問や同行を依頼することができます(編集部注:1回10,000円/税別)。

他には、au HOMEの各機器の設置や初期設定が上手くできるか不安な方のために、専門のスタッフがお客さまのご自宅に訪問して設定と取り付けを⾏う「訪問設置サポート」などを揃えています(編集部注:9,800円/税抜)。全国に販売店がある弊社ならではの強みです。こうしたサービスによって提供できる安心も、au HOMEならではのメリットと感じていただけるのではないでしょうか。

渡辺さん

——なるほど。住宅メーカーから家電メーカーまでさまざまな企業がIoTに取り組んでいますが、確かにこれらは通信会社ならではの強みですね。よく理解できました。今後はどんなサービス展開を予定しておられますか?

今年の夏(編集部注:取材時は2018年5月上旬)に大きなリリースを予定していますが、詳細はまだ内緒です(笑)。ぜひ、楽しみにしていらしてください。

——わかりました(笑)では、最後にお顔写真を……。

あ、写真はあんまり得意じゃないんですよね。

——えっ、苦手ですか? 他のメディアではお顔も出ているのを拝見していたのですが。

実は私、忍者の末裔なんです。甲賀の方なんですけど。代々、あまり写真に写るのはよろしくないとされていまして。まあでも少しなら大丈夫かな……。

渡辺さん

まあ、昔は隠れて様子を伺う諜報みたいな仕事をしていた人たちの子孫である私が、こうした見守りサービスを作っているというのも、面白いものだなって思いますよね。

体験レポート:機器の設置に苦戦したときは訪問設置サポートがおすすめ

本稿の筆者(独身ひとり暮らし)も実際にau HOMEのデバイスを体験すべく、「ネットワークカメラ 01」と「赤外線リモコン 01」を設置して使ってみました。

まずはカメラの設定から。スマホアプリをダウンロードし、無線通信アダプタをプラグに差し込んで電源を入れます。その後、ルーターについているボタン(編集部注:無線通信アダプタとルーターを無線接続するためのもの)を押してWi-Fi接続完了! ……のはずが、最初は上手く接続できず、少々苦戦しました。何度かボタンを押したらつながって、そのあとはQRコードを読み込んだり、パスワードを入れたりしてサクサクと進めることができました。

赤外線リモコンの設定も、アプリからエアコンのメーカーを選び、接続させてサクッと終了。自分のスマホでエアコンに電源が入ったのを見た瞬間、思わず「おお〜」と声が出ました(笑)。

機器の設置に不安がある場合は、渡辺さんが紹介していた訪問設置サポートを利用すれば安心ですね。日本全国にネットワークをもっているKDDIならではのサービスだと思いました。「一部の離島を除き全国で対応している」とのことなので、どうしてもわからないというときはお願いしただろうなと思います。

ネットワークカメラは離れて暮らす両親の健康状態が気になる方におすすめ

独身ひとり暮らしの筆者としては、一番気になる用途は離れて暮らす両親の見守りでした。マメに電話をするようにしてはいるものの、最近は母の膝の調子が悪く、少々閉じこもりがちになっているとのこと。

「起きて動いているな」「出かけているようだな」ということだけでもセンサーで把握できれば、親の様子も感じられて実家の様子を見に行くタイミングもつかめますし、様子がおかしければネットワークカメラで様子を見て、話しかけることもできます。どうしても実家に行けないときはセコムの対処員さんに代わりに訪問してもらえる駆けつけサービスも使えるなと思いました。

インタビューで渡辺さんがおっしゃっていた「ふわっとした見守り」は、両親と私にぴったりなのです。今はふたりとも健康なのでカメラを見ることはほとんどないでしょうが、いずれ体調を崩したりしたらお互いにとって安心につながりそうだと考えています。今度実家に帰ったら話してみようっと。

エアコンについては、暑いのが苦手な私にとってはこれからの季節に期待です。暑さでぐったりしながら帰ってきたとき、快適に涼しくなったお部屋が迎えてくれたらどれほど嬉しいことか……というわけで、最寄り駅についたタイミングでエアコンが自動でスイッチオンになる設定をしっかり頭に叩き込みました。

あとは朝起きる時間になったら振動して起こしてくれる「スマートまくら」とかがあれば……って、そこは自分でがんばります!

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:ossie

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