紙工作×プログラミングでカーレース?ワクワクさんこと久保田雅人さんと未来の工作を考えてみた【MESHであそぼう!】
小学校でプログラミングの授業が必修となり、「ヤバい、プログラミングのことなんてわからない……子どもに聞かれたらどうしよう!」と困っている保護者もいるのでは?(私もそうなる可能性大です)
そこで今回は、「特別な知識がなくてもプログラミングができる」というIoTブロック「MESH」を少し体験してみることに!
そもそもMESHって何?
MESHはソニー株式会社が開発した、手のひらにすっぽり収まるサイズのIoTブロック。各ブロックには、それぞれ「ボタン」「LED」「動き」「人感」「明るさ」「温度・湿度」「GPIO(拡張)」といった全部で7種類の機能が付いています。
ブロックは専用のアプリとBluetoothでつながっていて、アプリ画面でブロックとアイデアをつなげることで「○○したら△△する」というような条件で、思い通りにシステムを動かすことが誰でもできるようになっています。
アプリ画面を触ってみましたが、画面上を指でなぞるだけなので、本当に簡単でした!
これなら小さな子どもでも問題なくできそうです。
そんなMESH、どうやって使えばいい? 子どもと一緒に遊ぶなら、やっぱり工作……!?
ということで、迷った末にあの工作名人を頼ってみることにしました。そう、NHK教育テレビ「つくってあそぼ」のワクワクさんとして知られる久保田雅人さんです!
さっそく連絡を取ってみることにしました。
久保田さん:はーい、僕に任せて!(早っ!)
とは言ったものの……。うーん、どうやって遊ぼうかなー?
ちょっと悩んだ末に、おもむろに材料を取り出した久保田さん。
いざ、工作スタート!
空き箱やペットボトルでかっこいい車を作ろう!
久保田さん:今日は、MESHを使ってカーレースをして遊びましょう!
まずはペットボトルで車を作っていくそうです。
材料はこちら!
用意するものは……。
左から、セロハンテープ、ハサミ、ペットボトル、ストロー、竹串2本、画びょう、薄いプラスチック製のアイスのフタ(もしくはペットボトルのキャップ)4個です。
ペットボトルは丸いものより四角いもののほうが安定するので作りやすいとのこと。また、アイスのフタは薄いプラスチック製のものを使用してください。ペットボトルのフタはできるだけやわらかいものがおすすめです(炭酸飲料のフタは固い傾向があるんだとか)。
(1)ストローを切る
ストローをペットボトルの幅くらいの長さに切ります。曲がるストローのまっすぐな部分を使用しています。
2本同じ長さに切ります。
久保田さん:ストローの余った部分は捨てないでね!
(2)アイスのフタに穴を開ける
薄いプラスチック製のアイスのフタの裏側から、真ん中に画びょうを刺して穴を開けます。4個すべて同様に開けます。
※このとき、指を刺さないように注意。小さなお子さんは大人と一緒にやってください。
(3)竹串を刺し、ストローを通してタイヤを作る
アイスのフタの表側から、穴を開けたところに竹串を刺します。
※指を刺さないように注意。ここは保護者の方が手伝ってあげましょう。
竹串をググッと押して刺していきます。このとき、竹串をすべて通すのではなく、1㎝くらい残しておきます。
ストローを通します。
竹串の先端をアイスのフタの裏側から刺します。
※指を刺さないように注意。ここは保護者の方が手伝ってあげましょう。
飛び出した竹串の先端は、1cmくらいのところにハサミの根元で傷をつけます。
こうすると簡単にポキッと折れます。
久保田さん:ジャーン! タイヤの完成!
同じようにタイヤをもう1組作ります。
(4)ペットボトルの車体にタイヤを取り付ける
ペットボトルの中心に合わせ、セロハンテープでタイヤを貼ります。
タイヤを2組貼ったところ。これで1台目の車が完成です!
(5)ペットボトルのキャップもタイヤに!
久保田さん:薄いプラスチック製のアイスのフタが家にない時は、ペットボトルのフタでもタイヤを作れるよ!
※ペットボトルのフタは、アイスのフタより固いので注意。保護者の方が手伝ってあげましょう。キャップを机に置いて上から刺したほうがやりやすいです。
4つに穴を開けて、アイスのフタの時と同じようにつなげると……!
2台のペットボトルカーが完成です。
(6)コントローラーを作る
まだ終わりではありません! 車を操縦するコントローラーを作ります。
コントローラーの材料はこちら。左から、テグス(手芸などに使われるナイロン製の糸)、小さめのペットボトル、わりばし、糸です。糸とテグスはどちらかでOKなので、家にあるものを使ってください。
作り方はとっても簡単。ペットボトルにセロハンテープでわりばしを貼りつけます。
久保田さん:グラグラしないよう2か所留めるよー!
テグス(または糸)を60cmくらいに切り、両端をわりばしの先とペットボトルカーのキャップ部分にセロハンテープで留めます。取れないように、テープを貼った上から爪でこすって密着させます。
久保田さん:さぁ、車とコントローラーがつながったぞ!
そして、最後に貼ったのは先ほどのタイヤを作る工程で余ったストロー。
久保田さん:何かわかるかな? これ、コントロールレバーだよ!
実際は糸で引っ張って動かすのでレバーで操縦できるわけではありませんが(笑)、こういうのがあるとより親子で楽しめます。材料をできるだけ無駄にしないのも久保田さんのモットーのようです!
2台のペットボトルラジコンカーが完成しました!
久保田さん作のラジコンカーコレクション!
ここまで紹介したのは、基本のラジコンカー。飾りつけをすればさらにカッコイイ車になるそうです。
久保田さん:僕が作ったコレクションを紹介するよ!
ペットボトルで作ったレーシングカー。青いストローの飾りがCOOL!
牛乳パックをベースに作った車。ピンと立った尾翼がスポーツカーのようです。コントローラーも牛乳パックを使用しているのがポイント!
ティッシュやお菓子の空き箱を組み合わせて作ったトラック。小さなタイヤが8個ついています。
車がそろったところで、いよいよコースを走らせてみましょう!
MESHをコース上に配置してレーススタート!
今回、久保田さんが作ってくれたコースはこんな感じ。このコース上の三箇所にMESHを配置しています。
① には、「動きを感知する」ブロックを置きました。車がコースを外れてブロックにぶつかり、倒れたりして「状態が変わるとガシャン!という音が鳴る」設定です。
② には「明るさを感知する」ブロックを。コースを走る車がブロックに近づいて「明るさが変わったことを察知すると、クラクションが鳴る」という設定にしました。
そして③のゴールには、「人やモノの存在を感知する」ブロックを置いて車がセンサーの前を通って「動きを感知すると歓声が鳴る」という設定に。
iPadのアプリの画面ではこのようにレシピをつくり、ブロックのセンサーを感知して、iPadから音が鳴るように設定しました。
ブロックとアイデア(音を鳴らすなどのアクション)をつなげるだけ。指でなぞって簡単に操作できます。
いよいよスタート!
久保田さん:慎重に慎重に…。
MESH:ガシャン!
久保田さん:そっちじゃな~い!
MESH:ププー!(クラクション音)
久保田さん:あたたたたた!コースに戻れ〜!
大はしゃぎで遊ぶその様子、MESHの歓声が鳴り響くゴールの瞬間は動画でどうぞ!
コースを走らせるだけでもとっても楽しいのですが、MESHを反応させながらゴールするまでのタイムを競うなど、工夫すると複数人で遊ぶことができそうです。
また、少し難しかったのは、MESHを配置した際、なかなか反応しなかったり、逆に反応しすぎて音が鳴りっぱなしになってしまったりしたことです。
置き方を変える、感度の設定を変えるなどの工夫が必要です。そんな試行錯誤も成功のもと。やっていくうちにだんだんとコツがつかめるようになると思います!
MESHはアナログ工作をもっと楽しくするツールだった!
「プログラミングって何?」というレベルだった筆者ですが、MESHを通じて、プログラミングの楽しさを実感することができました。
今回のカーレースも、アイデア次第でさらにおもしろいものが作れそうです。たとえば、MESHブロックをコースの両脇に置いて、「がんばれー!」の声や拍手を録音した音声が流れるようにすれば、観客が盛り上がっている雰囲気になりそう。もしくは、コースをサファリパークに見立てて紙で作った動物をいくつか配置し、象にぶつかったら「パオーン!」と鳴くようにするとか。考えただけで楽しい!
プログラミングって難しそう……という大きな壁をMESHが取り払ってくれた気がします。
最後に、久保田さんにMESHを使ってほかにどんなことをやってみたいか聞いてみました。
久保田さん:紙で作ったお相撲さんでとんとん相撲みたいにして、倒れたらワーッと歓声が鳴るようにするとか、射的を作って的が倒れたら音が鳴る仕組みにするとか……。
とどんどん出てくる…。久保田さんのほかのMESH工作も見てみたい…!
MESHはアナログ工作をさらに楽しく、グレードアップさせてくれるツールとしても優秀! 筆者には小さい子どもがいるので、もう少し大きくなったら、一緒にMESHを使って工作してみたいと思います!
TEXT:明道聡子
PHOTO:宇佐美亮
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