米ウォルマート、オンライン事業強化でAmazonに対抗!デジタル戦略の加速
米小売大手ウォルマートが、Amazonに対抗するべくオンライン事業の強化に乗り出している。サンフランシスコで開催された第2回セラーサミットにおいて、同社は自社オンラインマーケットプレイスの新機能を多数発表した。
注目すべき点は、プレミアムビューティカテゴリの導入だ。ビーチウェイバーやT3など20ブランドのラインナップを揃え、美容分野での優位性確保を目指す。また、中古品・コレクターズアイテム市場への参入も見逃せない。「リソールド アット ウォルマート」と銘打ち、1700以上の販売者から500万点の商品を取り揃える。
ウォルマート・マーケットプレイスのマイケル・モッサー氏は「新しい品揃えは消費者需要を反映している」と述べ、全米の実店舗ネットワークを活かした独自のポジショニングを強調した。週2億5500万人を超える顧客基盤を武器に、販売者にとって魅力的なプラットフォームを目指す。
日本市場での苦戦と新たな挑戦
一方、ウォルマートの日本市場での展開は苦戦が続いている。2002年に西友と提携して日本に進出したものの、累積赤字は56億8,000万円に達した。「EDLP(エブリデー・ロープライス)」戦略が日本の消費者に受け入れられず、折込チラシを重視する日本の購買習慣との齟齬が指摘されている。
しかし、ウォルマートは日本市場からの撤退を選択せず、新たな挑戦を続けている。2018年には楽天との業務提携を発表し、ネットスーパー事業の強化に乗り出した。専用の配送センターを設立し、西友の店舗から生鮮食品や加工食品を発送する体制を整えている。
この提携は、アメリカ本国でのAmazonとの競争を見据えた戦略とも言える。世界最大の小売企業であるウォルマートにとって、オンライン販売の強化は喫緊の課題だ。楽天の持つeコマースのノウハウと、西友のネットスーパー事業の経験を融合させることで、日本でのオンライン販売の飛躍的成長を目指している。
ウォルマートの挑戦は続く。グローバル市場でのAmazonとの競争、そして日本市場での再起。デジタル時代の小売りビジネスの行方を占う上で、ウォルマートの動向から目が離せない。
【関連リンク】
・ウォルマート 、Amazonに対抗するためオンライン事業を強化中。美容分野と中古品分野を続々拡充(Microsoft Start)
https://x.gd/p8K3l
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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