Convoy、トラックドライバーと運送会社をつなぐオンラインプラットフォーム、事業破綻へ ニュース

Convoy、トラックドライバーと運送会社をつなぐオンラインプラットフォーム、事業破綻へ

米シアトルを拠点とする物流トラックのオペレーター「Convoy(コンボイ)」は、10月19日に「大規模な物流不況」の中で事業を閉鎖すると発表した。

コンボイは、2015年に元アマゾン幹部のダン・ルイスによって設立され、トラックドライバーと運送会社をつなぐオンラインプラットフォームとして活動していた。

同社は、数千台のトラックの中から最適な車両をマッチングし、行き先が同じ荷物を束ねることで効率的な輸送を実現していた。コンボイは、ベゾス(Amazon.comの共同創設者)やゲイツ(マイクロソフトの共同創業者)、アル・ゴアの投資会社のジェネレーション・インベストメント・マネジメント、スコットランドの投資会社ベイリー・ギフォード、ティー・ロウ・プライスなどから出資を受けていた。

しかし、大規模な物流不況の中で買い手が見つからず、事業を継続することができない状況となった。コンボイは、累計9億2500万ドルを調達し、評価額は38億ドル(約4880億円)とされていた。

コンボイは8月には事業の売却を模索し始め、世界最大のスーパーマーケットチェーンのウォルマートやアマゾンなどが候補に挙がっていたが、最終的には事業停止を選択した。

運送業界の深刻な問題!迫る労働法改革の矛盾

物流問題は日本でも同様だ。2024年4月からの働き方改革により、自動車運転の労働者の年間時間外労働時間が1176時間から960時間に短縮される。

この変更により、物流業界と運送業界にいくつかの問題が生じる。しかし、2024年まで数ヶ月しかないにもかかわらず、運送業界の運用や仕組みの変化は見られない。

ドライバー数の減少にもかかわらず、付帯業務や荷物量の増加などが問題とされている。東京都千代田区の野村総合研究所によると、2025年には28%の荷物が運べなくなると試算されている。

運送業界の人材確保の課題は、労働時間が他の業界に比べて2割長く、賃金が1割低いという労働環境の問題にある。人材を増やすためには、労働時間の短縮と賃上げの両方が必要だ。

【関連リンク】

・コンボイ——ベゾス氏とゲイツ氏が支援するトラック運送スタートアップ——買い手が見つからずに廃業、と報告書が報じた(Forbes)
https://www.forbes.com/sites/tylerroush/2023/10/19/convoy-trucking-startup-backed-by-bezos-and-gates-shutting-down-after-failing-to-find-buyer-report-says/?sh=2d3eb5ef4ac9

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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