シニア世代のスマホセキュリティ対策に警鐘!80代の約4割が無対策
2024年、シニア層のスマートフォン保有率が98.9%に達し、デジタル活用が当たり前の時代となった。特に70代の利用率は他の年代に追いつきつつあり、調べ物やWeb検索、オンライン決済、フリマアプリなど、活用の幅も着実に広がっている。
しかし、このデジタル化の波には深刻な課題が潜んでいる。NTTドコモモバイル社会研究所が1月に実施した調査によると、スマートフォンセキュリティ対策について、70〜80代の約6割が「十分な対策ができていない」と感じていることが明らかになった。
特に懸念されるのは、年齢層が上がるほどセキュリティ対策の実施率が低下する傾向だ。80代では約4割が「何も対策を行っていない」と回答。基本的な「画面ロック」の利用でさえ、60代の66%に対し、80代ではわずか28%にとどまっている。
深刻な知識不足と具体的な対策の必要性
調査ではセキュリティ対策が不十分な理由も明らかになった。約半数のシニアが「何をどこまですれば十分なのかよくわからない」と回答し、約4割が「対策の実施方法がわからない」と答えている。
さらに警戒すべきは、約4割のシニアが「不審なメールが届くことがある」と報告している点だ。提供元不明のアプリのダウンロードを控える対策も、どの年代でも50%以下の実施率にとどまっており、サイバー犯罪の危険にさらされている可能性が高い。
セキュリティアプリの利用率も極めて低く、無料・有料を合わせても全体の約3割程度。OSの最新版へのアップデートについては、60代で25%、70代で14%、80代では5%と、年代が上がるほど実施率が低下している。
専門家は、家族による支援の重要性を指摘する。本体設定やアプリのインストール、個人情報の保護設定など、具体的な対策を子や孫世代が手助けすることで、シニア層のデジタルライフをより安全なものにできるという。今後、スマートフォンの利用促進とともに、セキュリティ対策の啓発活動を強化することが急務となっている。
【関連リンク】
・シニアの多くがスマホの画面ロックをしていない! NTTドコモの調査で明らかに(+Digital)
https://news.mynavi.jp/article/20241106-3059532/
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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