Humaneの「AI Pin」1年足らずで終了、HPが事業を買収
米国のスタートアップHumaneが開発したウェアラブルデバイス「AI Pin」が、発売から1年を待たずに販売・サービスを終了することが決まった。2025年2月18日、同社は事業をHPに売却すると発表。すでに購入済みのAI Pinは、2月28日12時(太平洋標準時)をもってオンライン機能が停止し、データも全て消去される。
AI Pinは、スマートフォンに代わるAIデバイスとして2024年4月に発売された。スクリーンレス設計や、手のひらへの映像投影機能が注目されたものの、バッテリー寿命の短さや発熱問題が指摘され、ユーザーからの評価は低迷した。さらに、充電ケースの発火騒ぎも報じられ、販売は伸び悩んだ。
その結果、Humaneは事業売却の方針を固め、当初10億ドル(約1520億円)での売却を目指していたが、最終的にはHPに1億1600万ドル(約176億円)での売却を決定。これに伴い、Humaneのソフトウェアや特許を含む知的財産はHPに移ることとなった。HPは、買収した技術を自社製品のAI活用へ応用する計画を示している。
ユーザーへの影響
AI Pinのサービス終了により、ユーザーは端末の主要機能を失うことになる。通話やメッセージ送受信、クラウド機能などは全て停止し、デバイス内のデータも削除されるため、Humaneは2月28日までにWi-Fi経由でデータをバックアップするよう呼びかけている。
また、サポート終了後は返品や交換対応も行われず、HumaneはAI Pinのリサイクルを推奨している。ただし、購入から90日以内のユーザーには返品・返金対応が用意されており、申請期限は2月27日となっている。
一方、HPはHumaneの開発チームを吸収し、「HP IQ」という新部門を設立。PCやプリンター、会議室向けのAI技術開発を進める方針を明らかにした。これにより、Humaneの技術がAIデバイスの分野でどのように活用されるのかが今後の焦点となる。
【関連リンク】
・Humane AI Pin終了。1年もたずに完全ディスコンへ(GIZMODO)
https://www.gizmodo.jp/2025/02/humane-ai-pin-finished.html
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:Freepik
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