インターネットの上手な歩き方 〜湯川鶴章さんの場合〜 vol.2 家庭内でのネット&ガジェット編
古くからITジャーナリストとして活躍されていた湯川さんのご自宅には、さまざまなデジタルガジェットがずらりと勢揃いしているそうです。高校3年生と中学1年生の子供を持つ父親として、平成生まれのデジタルネイティブ世代と、どのように向き合っているのでしょうか。
家族そろって散歩しながらポケモンGO
「2人とも中学に入ってからスマートフォンを持たせたのですが、制限なく使わせていますね。自由にやらせています」
さらにお話を聞くと、ペアレンタルコントロールの設定もしていないし、子供たちが使ったデバイスのログを確認することもしていないとのこと。
「下の子が5歳の頃、テレビ画面に指を当ててピンチアウトしようとしたんですよ。うわ、指で拡大できると思っているんだ、と感心しましたね」
まるでタブレットを操作するようにテレビを操作できると思ったよう。見方によっては放任主義ですが、子供たちが自らできること、できないことを学んでいくように道筋をつけているようにも感じます。
「いつだったか、上の子が、Windowsパソコンが欲しいというから与えたんです。何をしているのかな、と思ったらマインクラフトで遊んでいたんですよ。パソコンはゲームにしか使っていない。彼にとって普段使いのメインマシンはスマートフォンなんです」
据え置きのゲーム機もあるそうですが、今はほとんど使っていないそうです。そのかわりとして、湯川家で流行しているのがポケモンGO。家族ででかけて、みんなでプレイすることもあるそうです。
「下の子のレベルが一番高いんですよ。まだ中学1年生ですし、時間もありますからね」
「次は64GBにしてよ!」
奥さんも子供たちも、それぞれタブレットやスマートフォンを使っている湯川家。家族でのコミュニケーションはLINEを使っています。また子供たちはいろんなゲームをインストールしているそうですが、渡しているスマートフォンのストレージは16GB。ゆえに多くのアプリやデータはインストール/ダウンロードできない。仕方なく、あまり使わないアプリを消してから、他のアプリをインストールしているそうです。
「いつも言われるんですよ。次は64GBにしてよ!って。なんでいいの買ってくれなかったんだよ!と怒られますね」
なおアカウントはすべて湯川さんが管理。有料アプリはダウンロードさせないようにしていますし、無料アプリもインストール時に湯川さんのところまで通知がくる設定にしています。
「悪いことしたら、遠隔でアプリもデータも全部消してやるぞ!と言っていますね。そうなったら嫌なんでしょうね。この言葉が一番効果あるみたいです」
でも、ときどきGPSを切るというテクニックを使ってくるとか。
「GPS切れてるぞー。早く戻さないとデータ消してやるぞ、というと、すぐに戻してきますけど(笑)」
なお奥さんはニュースアプリを使うことが多いそうで「めっちゃくっちゃ、ネットで起きていることに詳しいんですよ。僕なんかより」と笑います。
英語の勉強にHuluが大活躍
ご家庭で、インターネットをどのように活用されているかを尋ねてみました。
「Huluは家族全員で使いますね。家族全員で見ることもありますし…いや、子供たちが使い倒しているといってもいいのかな。映画を見まくっています」
高校3年生の長男は、英語のトレーニングとしてもHuluを活用しているそうです。Huluは音声も字幕も自由に選択できる特徴を持っています。最初に日本語字幕で視聴。次に英語字幕で視聴。そして字幕なしで視聴することで、リスニング力や会話力がぐんぐん伸びていくでしょう。
「ほんとは解約しようかと思ってたんですよ。でも上の子が英語の勉強に使いたいっていうんで、アカウントはそのままにしています」
またWunderlistという、他ユーザーと情報を共有できるタスク管理アプリを使っているそうです。
「妻が帰りに買ってきてほしい牛乳とかタマゴとか、僕のタスクにぽんぽんと入れていくんですよ。牛乳2本とかになると重いし気合い入りますね(笑)」
インターネットと関連するサービス・アプリを使って、家族間のコミュニケーションを活性化している湯川さん。勉強になりました!
さて、次回は湯川さんが見据えるインターネットの未来についてお聞きしましょう。テクノロジーだけではなく科学の発展にも目を配っているからこそ見えているものがあると思うんですよね!
湯川鶴章(ゆかわつるあき)
ITジャーナリスト。学習コミュニティTheWave代表。
1958年和歌山県生まれ。大阪の高校を卒業後、渡米。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立、ブログメディアTechWaveを創業。2013年から、編集長を降り、新しい領域に挑戦中。著書多数。
TEXT:武者良太
PHOTO:合田和弘
Image via. Thinkstock / Getty Images
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