みんなのインターネット

2017.01.05 インターネットの上手な歩き方 ~岩佐琢磨さんの場合~ vol.4 モノ・サービスの選び方

ハードウェアメーカーCerevo(セレボ)の代表取締役、岩佐琢磨(いわさたくま)さんに、同社のモノづくりについてのお話を伺ってきましたが、最後は、そんな岩佐さんのモノ・ライフスタイルについてインタビュー。他社とはひと味もふた味も異なるモノづくりをしてきた岩佐さんが、どういったモノを使っているのか、その選び方、探し方について聞いてきました。

高くて無難なものを選ぶのは「ダサい」

生まれも育ちも関西人の岩佐さん。モノ・サービスを選ぶときは「コストパフォーマンス(以下コスパ)が良いこと」を重要視しています。

「お金を積んで良いモノを買うということに全く美しさがないと考えていて。高級スポーツカーに乗ることが、かっこいいと思えないんです。むしろ、みんなが知らない、安くて良いモノを見つけ出してくるというのが、僕の美学だったりします」

その代表例として、岩佐さんが挙げてくれたのが、現在愛用中のスマホ『HUAWEI P9』。中国の大手携帯電話メーカー、Huaweiのハイエンドモデルです。

「これがね、メチャクチャ高性能なのに安い、と。今、ちょうど、iPhone 7が人気ですけど、僕としては、それは無難なものを高い値段で買っているだけに見えちゃうんですよね」

欲しいモノがあれば、あの手この手を尽くして手に入れる岩佐さん。こうしたコストパフォーマンスへのこだわりは、実際に利用するサービスの選び方にもつながります。

「やっぱり同じようにコスパ最重視なんですが、その点で素晴らしかったのが、容量無制限で使えるクラウドストレージAmazon Cloud Driveの米国版。日本でも先日、サービスインしたのですが(※国内ではAmazon DriveのUnlimitedストレージとして展開中)、米国アカウントで契約すると半額くらいで使えるんですよね。速度も速くてとても気に入っています」

日本のサービスだけでなく、海外のサービスにも着目して利用できるものは積極的に使う。そんな“裏道”を探すのが、岩佐さんの賢さであり、やりがいでもあるようです。

岩佐琢磨さん

インターネットはあくまでも「手段」

誰も知らないサービスを、自分だけが使っていることに楽しみを感じるという岩佐さん。普段使っているアプリも「Zello」という聞きなれないサービスです。

「トランシーバー感覚で使えるグループトークアプリですね。話しかけると登録している全員にほぼリアルタイムで音声が届くのが面白い。例えばツーリングの時などに役立ちますよ。日本ではまだあまり使われていませんが、香港のタクシードライバーはみんな、これで他の車とやりとりしていますね」

Zello

そんな岩佐さんですが、ネットの情報収集については「特別なことはしていません」と話します。海外のサイトを一通り探し、気になった単語を少し深堀する程度だそうです。一方で「最近では海外イベントに積極的に出席しています。インターネットは確かに調べ物に便利なのですが、現地で対面でしか聞けないことってあるんですよね。人と直接話すというのはやっぱり大事なんですよ」

ティプロン

Tipron(ティプロン)

インターネットが発達しても、最後に戻るのは人と人のつながり。テクノロジーを有効活用しながらも、目先の技術にではなく、本当に大事なところはブレないのが岩佐さんのやり方です。

岩佐琢磨(いわさたくま)
松下電器産業(現・パナソニック)でカメラやレコーダーなど、インターネット対応家電の商品開発に携わった後、2008年独立。ハードウェアベンチャー「Cerevo」代表取締役に就任。東京・秋葉原(あきはばら)近くの本社を拠点に、少数精鋭のスタッフたちと、これまでになかったガジェットの開発・販売を行っている。

TEXT:山下達也
PHOTO:合田和弘

この記事を気にいったらいいね!しよう

PreBellの最新の話題をお届けします。

ページトップ