【ピーヒョロヒョロ】今どき、ダイヤルアップ接続でTwitterにポストしてみた
ダイヤルアップ接続というものがある。あった、と言うべきかもしれない。電話回線を使ってインターネットをするのがダイヤルアップ接続だ。接続する時に、ピーヒョロヒョロと音がして、懐かしいと感じる人も多いだろう。
ただ、現在のインターネット利用は光回線などが主流で、ダイヤルアップ接続をする人は少ない。だって遅いのだ。私のイメージだが、光回線と電話回線は世界最速といわれた旅客機コンコルド(最高速度、2,179km/h )と3歳児の徒歩(約3.6km/h)くらい速度に差がありそうだ。しかし、今もダイヤルアップ接続は現役。ぜひ使ってみたいと思う。
気軽に投稿できちゃうのがTwitter
現代はスマホが普及して、いつでもどこでも、インターネットの世界に浸ることができる。街を歩けば、多くの人がスマホで何かをしている。街で見かけた何かや、自分に起きた何かを、TwitterなどのSNSに投稿したりするのだ。
この日、私にもTwitterにポストしたい出来事が起きていた。急いで家を出たために、靴下の左右が違っていたのだ。このようなささいなことを気軽にTwitterにポストできるのは、インターネットの速さのおかげだ。
ただ問題も起きる。スマホが圏外になることがあるのだ。Wi-Fiスポットに行こうにも、日本ではWi-Fiサービスへの会員登録が必要だったりもする。家に戻り投稿すれば良いけれど、家が遠い。そんな時にこれなのだ。
ダイヤルアップ接続とは電話回線を使ってインターネットを利用する方法だ。とはいえ、最近は電話回線を家に引いていない家もあるので、むしろ探すのが大変な気がするけれど。グレーの公衆電話(アナログ端末かISDN端末を差し込む事ができるタイプのもの)があればそれでも良いのだけれど、近くにはない。偶然、知り合いの知り合いが電話回線を持っていたので、その家にお邪魔することにした。
ダイヤルアップ接続をする
ダイヤルアップ接続はパソコン通信時代によく使われていて、現在31歳の私は1998年頃に自宅でダイヤルアップ接続を使いインターネットを利用していた。グラビアアイドルの画像をよく見ていた。優香だ。優香を見ていた。上から徐々に読み込まれる優香の画像を見ていたのだ。
事前にソフトバンクのダイヤルアップサービスに申し込んだ。基本使用料が無料なので、これに入っておけば、いつでもダイヤルアップ接続ができる。「アナログモデム」と「モジュラーケーブル」と「電話回線」をそろえて、「ダイヤルアップサービス」を契約していると、スマホが圏外でもインターネットができるのだ *1 。より面倒臭い気もするけれど。
- *1 ダイヤルアップ接続をするには、パソコン側に「モデム」が必要。しかし、現代のパソコンには、ほぼ搭載されていないので、USBポートに接続するタイプのアナログモデムを購入して、LANケーブルではなく、モジュラーケーブルを使い電話回線に接続する。
「ダイヤル」というボタンを押すとピーヒョロヒョロという懐かしい音が聞こえた。ただ最近のパソコンはスピーカーが良いからだろうか。昔よりも重低音が聞こえて、体中に響く音になっていた。ただ、それでも懐かしい音なのだ。
ダイヤルアップ接続でTwitterのトップに繋がった。我々の知るTwitterのトップとは大きく異なるけれど、ダイヤルアップ接続ではこれがトップなのだ。ページが重すぎて、ダイヤルアップ接続では全てを読み込むことができなかっただけだけど。
ダイヤルアップ接続の速度は、下りが最大54kbps。光通信だと下り最大2Gbpsなどがある。2GBをKBにすると「2097152KB」になるので、光回線はダイヤルアップ接続の3万8,836倍も速いということになる。もう差がありすぎてわからない。つまりダイヤルアップ接続はかなり遅いということだ。
画像が重い
Twitterにログインできたので、いよいよツイートする。私が靴下の左右を間違えたという、Twitterでよく見かけるたぐいの、日常のどうでも良いことをツイートするのだ。文字を打ち込み、写真をUPし、いよいよツイートボタンを押す。
できなかった。ツイートボタンを押して2分ほどすると「メディアをアップロードできませんでした」と表示された。つまり重いのだ。画像が重くて、ダイヤルアップ接続ではアップロードできないようである。
iPhoneで撮った写真のサイズは4MBほどあった。これでは重い。そこでペイントを使い、画像を小さくした。まず2MBに。ダメだった。次に思い切って「11KB」まで小さくした。ダメだった。最終的に「2KB」まで小さくした。
そして再びツイートボタンを押した。願うような気持ちだ。記事では大きく端折っているけれど、実はここまでにすでに1時間半もかかっているのだ。回線が途切れて再び読み込んだり、画像のアップロードができず、その度にペイントで画像を小さくしたりなど、どうでも良いツイートに1時間半もかかっているのだ。
靴下を左右間違えてた pic.twitter.com/Ks6tduk1XE
— 地主恵亮 (@hitorimono) 2017年4月10日
画像がとにかく小さいけれど、ついにダイヤルアップ接続で画像つきのツイートすることに成功した。こんなにツイートに時間をかけたことはない。だって、時間をかけてするような内容ではないのだ。靴下の左右が違うだけなのだから。
トータルで1時間半以上かかったツイートだった。ダイヤルアップ接続ではこんなに時間がかかるのだ。サイト自体が昔と比べると重くなっているからだとは思うけど、こんな時代もあったのだ。技術の進歩を感じる。
3秒のツイートになんの喜びを感じれば良いのだ。こちらは1時間半以上である。渾身のツイートだ。アップできただけで嬉しい。それがダイヤルアップ接続によって可能なのだ。ただこちらの頑張りが、Twitterを見た人の心に刺さるわけではないのも覚えておいて欲しい。
技術ってすごいね
田舎に行くとスマホが圏外で、Wi-Fiも飛んでいない、ということがまれにある。アサリに小さなカニが入っているくらいの感じでまれにある。そんな時にダイヤルアップ接続なのだ。時間はかかるけれど、インターネットをすることができる。ぜひそういう環境でも貪欲にインターネットをしていただきたい。
ライター
地主恵亮 (じぬしけいすけ)
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。無職でもリア充になれる方法を紹介した「インスタントリア充」(扶桑社)発売中です。ほかに「妄想彼女」(鉄人社)、「東京おのぼり観光」(アスペクト)もあります。
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