FEATURE 2018.05.08 地球儀+ARで子どもたちにワクワクを! ほぼ日のアースボールが生み出す直感的な面白さとは

軽くて、丸くて、柔らかくて、ビーチボールのように遊べる地球儀。専用アプリを入れてスマホをかざすだけで、世界の国々や恐竜のアイコンが飛び出してくる最先端の地球儀……。2017年12月に株式会社ほぼ日が発売した「ほぼ日のアースボール」は、アナログとデジタルが一体になったような不思議な体験をもたらし、子どもはもちろん、大人の知的好奇心さえも満たしてくれるAR(拡張現実)地球儀です。

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AR機能と地球儀が一緒になると、いったいどんなおもしろさがあるのでしょうか。今回はほぼ日のアースボールプロジェクトのリーダーを務める古謝(こじゃ)将史さんに話を聞き、アースボールに触れることで得られる独自の「ワクワク体験」の正体に迫りました。

気軽にさわれる地球儀が部屋に転がっていること。それが重要

――アースボールはこれまでの地球儀とは何が違うのでしょうか。

気軽にさわれる地球儀が部屋に転がっていること。それが重要

まず、机に仰々しく鎮座しているような従来の地球儀と違い、アースボールは軽くて、柔らかい。軸がないので北極や南極も簡単に見ることができますし、部屋に転がしておいて、見たいときに見られる気軽さがあります。

アースボールはAR地球儀とも呼ばれますが、別にARでなにかをしなくても、地球儀が家に転がっていること自体が必要なことだと思っているんです。アースボールが家のリビングに転がっていて、暇なときに覗き込む程度でも、ある意味でこちらの意図は達成されている部分がある。そこにモノがあることが重要なんです。

“視覚”と“触覚”で楽しむ11個のARコンテンツ

――そうしたなか、アースボールにARを取り入れられたのはなぜでしょうか。

もっと地球儀を楽しむにはどうしたらいいかと考えた末、ARの技術を採用しました。地球儀にある表面の情報を拡張すればもっと楽しいのではないか、叶えるにはどうやらARがいいらしいぞ、と。

アースボールには専用のアプリがあり、インストールしたスマホを地球儀にかざすとさまざまな情報を得ることができます。

アースボールのアプリで楽しめる11個のコンテンツ(2018年5月現在)アースボールのアプリで楽しめる11個のコンテンツ(2018年5月現在)

そのひとつに『世界の国々』があります。アプリを起動してアースボールにかざし、現れた各国の国旗をタップするとその国の情報を知ることができるコンテンツです。見る位置を移動したり、拡大したりするときは画面を触るのではなく、自分がスマホをアースボールに近づけたり、動かしたりしなければいけない仕様になっています。

気軽にさわれる地球儀が部屋に転がっていること。それが重要

実際に自分がボールに触れて働きかけることで、地球の丸さや国同士の距離感を、触感を伴って理解することができるのです。

地球儀がARとつながることで生まれる、新たな面白さ

――アースボールはAR地球儀とも呼ばれていますが、地球儀にAR機能がついているとどんな楽しみ方ができるのでしょうか

改めて感じたのが、モノがあることの良さです。アースボールはスマホやタブレットを通して地球儀を見ますが、その行為は子どもたちにとって、目を通して見るのと同じ感覚なのだと思います。スマートフォンの画面というフィルターを通して、その先にある物体を見ているような感覚です。

アースボールという物体があると、「見ている場所の反対側には何があるんだろう?」と知りたくなる面白さがあります。たとえば、『おしえてゾウさん』という知りたい場所がどこかを教えてくれるコンテンツを通じて日本を調べていると、日本の裏側にあるのは実はブラジルではないことが分かります。これはスマホとモノが一体になっているからこそ得られる直感的な体験です。

日本の裏側はアルゼンチンの横にある海だった日本の裏側はアルゼンチンの横にある海だった

地球儀というモノが生み出す、家族や友達とのコミュニケーション

もうひとつ特徴を挙げるとすれば、モノがあることでコミュニケーションが生まれるんです。それは親子の会話を生み出したり、友達同士での会話だったり、アースボールが周囲の人たちとのコミュニケーションのきっかけになったという声をたくさんいただいています。アースボールをアプリ完結型にすることもできなくはないのですが、地球儀というモノがあるかないかで生まれるコミュニケーションの量が全然違うと思っています。

モノが生み出す、情報との偶然の出会い

――アプリとモノが一体になっていると、情報の出会いかたはどう変わるのでしょうか。

モノがあると横目がきいて、情報との偶然の出会いがあるんです。

たとえばインターネットで日本を調べてみると、日本のことしか検索結果に出てきません。本来、国の情報は地続きであるはずなのに、隣の韓国や中国の情報がずいぶん遠くに感じられますよね。本当は自分たちのすぐ近くで起きている韓国のニュースが、どこか他人事のように思えてしまいます。でもアースボールなら、日本を見つけたときに自然と隣国の情報が目に入ってくるので、日本と韓国が近くにあることを感じられます。アースボールに触れることで、世界で起きているニュースを立体的に捉えられるようになるんです。

モノが生み出す、情報との偶然の出会い

横目がきくという意味では、アースボールとほぼ日手帳(編集部注:同社が販売している、1日1ページ分の余白が設けられていることに特徴のある手帳)は似ていると思いますね。デジタル上でもスケジュールを管理することはできますが、モノのスケジュール帳をパラパラめくると思いがけずに昔の記録に目が留まって、ついつい読んでしまったとか。これもまた、モノならではの体験ではないでしょうか。

アースボールのアプリカテゴリーは「エンターテイメント」

――アースボールが発売されて、どのような反響がありましたか。

ユーザーは開発した僕らよりもクリエイティブで(笑)。新しく見つけた使い方や、世界の捉え方、地球儀自体に思うことをSNSにアップしてくれています。

また、「もっとこんな機能が欲しい」と言った要望もいただいています。中でも、学校や塾の先生たちから「もっと教育の現場で使えるような機能を充実させて欲しい」という要望をたくさんいただきます。たとえば小学校などにアースボールが置かれて、こどもが楽しみながら学ぶことができるとしたらそれは素晴らしいことだと思います。

正直、「教育」というカテゴリーは競合も少なくてとても魅力的なんです。でも僕たちは学習用だけにアースボールを開発したわけではないですし、大人も含めあらゆる人に楽しんでもらいたいという気持ちがあります。だから僕たちは「エンタメ」を選びました。教材に置き換わるのではなく、楽しんでいるなかで自ずと知識が身につくもののほうが、ほぼ日らしいのかなと思います。

アースボールはみんなと一緒に成長していく

――今後はどのようなコンテンツづくりを考えていますか。

昨年12月に正式に発売してから、アプリに含まれるARコンテンツが7から11にまで増えましたが、今のところ男性の関心のほうが高いようです。今後は女性も含め、できるだけ色んな人が興味をもっていただけるような、自分事化できるコンテンツづくりをしていきたいと考えています。たとえば「旅行」をテーマにしたコンテンツがあれば女性にももっと楽しんでもらえるかなとか、そういったイメージですね。

また、今は僕たちが一方的にコンテンツを提供していますが、僕たちだけがアースボールの情報発信者である必要はないと思っているんです。たとえば実際に海外旅行に行ったユーザーがその国に関する情報をアップしたり、白地図にオリジナルの地球を描いてアースボールに投影したり……。ゆくゆくはユーザー自身がアースボールのコンテンツづくりに関われるようなプラットフォームになるといいなと思っています。余白は世界の広さだけあるのですから。

アースボールはみんなと一緒に成長していく

古謝さんのお話を聞き、これからの子どもたちはアースボールに触れることで、よりリアルに、より直感的に世界の有様を捉えていくのだろうと思い、少し羨ましくなりました。

親子の豊かなコミュニケーションづくりにも一役買ってくれるアースボール。ぜひ日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:ossie

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