「もっと楽しく自由にやれたらそれでいいんじゃないか」大好きな彫刻家のYouTubeが、芸術への素直な気持ちを呼び起こしてくれました【暮らし、楽しむ、YouTube】
さまざまなジャンルの動画が存在する、YouTube。日々の暮らしに役立つ情報が意外と眠っているので、ただの暇つぶしで見ているだけではもったいないです!!
今回の「暮らし、楽しむ、YouTube」では、ミュージシャンでマンガ家の劔樹人さんが、見ているだけで幸せになり、絵を描いたり、粘土で作品を作ったりしたくなった彫刻家・はしもとみおさんのチャンネルを紹介します。
うれしい!見ているだけで幸せな気持ちになる大好きな彫刻家がチャンネル開設
皆さま、ご機嫌いかがですか?
劔樹人と申します。
マンガを描いたり、ミュージシャンをしたりの傍、家事育児をメインで担当する主夫として日々を送っています。
新型コロナの影響もあってか、ここ数ヶ月の間にいろいろな方が新たなアウトプットとして次々にYouTubeチャンネルを開設しているわけですが。
「このアーティストのチャンネルがあったら見たいな~」
なんてことを想像していたような人のチャンネルが、ある日突然始まっていることもあるのではないかと思います。
今回は、私にとってのそんなアーティストのチャンネルをご紹介します。
三重の彫刻家、はしもとみおさん。
木彫りの動物、特に犬や猫の彫刻を作られていて、犬好きの妻に教えられて知ったアーティストさんです。
はしもとさんの彫刻は、暖かく柔らかな木の質感がありながらも、今にも動き出しそうな動物たちの表情やしぐさが素晴らしくて、見ているだけで幸せな気持ちになります。
「動物」というより、「どうぶつ」と表現したくなるような彫刻たちは、どれも見ている私たちに対して、気を許してくれているような、一緒に生活しているような、そんな顔をしています。
もちろん、本物のはしもとさんの彫刻が私の手元にあるわけではありませんが、はしもとさんの作品を原型としたガチャガチャが出ていて、それはもう、心底回してよかったと思えるガチャガチャの一つです。
さて私、絵を描くことは多少仕事としてもやっていますが、実は立体にも興味がありまして。
妻に頼まれて、粘土細工を作ったことが幾度かあります。
娘が産まれる時は願かけのような気持ちを込めて、家族を粘土で作ったり。
最近は娘が喜ぶので、ゲームのキャラクターを作ってみたり。
そんな中、一つ、志半ばで止まっている作品があります。
娘のかわいい姿をそのまま立体で残すという使命に対する思い入れが強すぎて、完璧を求めてしまったためか、中途半端なものでは納得できなくなったことが裏目に出てしまいました。
頭と体の大体の形を作っただけで、完成しないままはや数ヶ月。
短かった娘の足もすっかりすらっとしてきてしまったという…。
もちろん妻がそこまでのクオリティーを要求しているわけではないので、完全に私の性格とこだわりの問題です。
はしもとさんの彫刻のように、娘の姿を生きているかのように表現する技術があればいくらでも作りたいのに……。
そんなことを思っていた時、はしもとさんのYouTubeチャンネルが始まりました。
厳密には、もともとYouTubeチャンネルはインスタライブのアーカイブなどとして存在していたのですが、「はしもとみおのきょうはなに描く?」「はしもとみおのつぎはなに造る?」という、おうち時間をアートで楽しむシリーズとしてスタートしたのです。
はしもとさんの解説付きで製作過程を見られるシリーズがもうとにかく素晴らしいんですよ。
<はしもとみおのきょうはなに描く? 第1話 クロッキーのレシピ>
はしもとさんは絵も素晴らしいのですが、ニコニコしながら自由に楽しんで作業されている雰囲気が心地よくて、自分もやってみたくなる気持ちに引き込まれてゆきます。
はしもとさんの自然に囲まれた古民家のアトリエと、静かに流れる時間に憧れてしまいます。
なんで私は、こんな都会のペット不可のマンションで時間に追われて生活しているんだ!!
ま、そんなことを言っても仕方ないんですけども。
好きだよ都会!
「楽しもう!」「やってみたい!」……その気持ちが僕の手を動かす!
そして、私が待ち望んでいた粘土の動画もあります。
40分くらいあるので長めなのですが、ただのしゅろひもを巻いた適当な木の棒だったのに、粘土を盛って犬の筋肉や、毛の流れが見えてくるようになると、時間を忘れてじっと見てしまいますね。
すごく創作意欲をかき立てられるのではないかと思います。
もちろん、はしもとさんがやると簡単そうに見えますが、実際やってみると難しいのはわかっているのですが。
この動画の中で印象的なのは、はしもとさんが、そばで一緒に作業している女の子の作業にアドバイスしながら、「(自分の作品は)真面目すぎて面白くないかも」と笑うところです。
私も完成度にこだわるあまり、娘の姿を作ることができなかったわけですが、もっと楽しく自由にやれたらそれでいいんじゃないかという気持ちになりました。
似てなくたって、自分が気持ちいいと思える作品になればいいのです。
YouTubeには超人的に上手な絵や彫刻の動画があふれていますが、はしもとさんの動画は、上手い下手ではなく、とにかく楽しんでやってみよう! という芸術の基本の気持ちを再確認させてくれますし、やったことはないけど、とにかく描いてみたい、造ってみたい!という気持ちにさせてくれるところが素晴らしいと思います。
他にも、インクを垂らして絵を描いたり、染め物をしたり、いろいろな表現が紹介されているはしもとさんのチャンネルで、皆さんも自分に合った芸術を見つけていただければと思います。
マンガ・文:劔樹人
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