2021.05.06 読みたい本がどんどん出てくる!知的好奇心が刺激されっぱなしの文学YouTuberチャンネル【暮らし、楽しむ、YouTube】
さまざまなジャンルの動画が存在する、YouTube。日々の暮らしに役立つ情報が意外と眠っているので、ただの暇つぶしで見ているだけではもったいないです!!
今回の「暮らし、楽しむ、YouTube」では、ミュージシャンでマンガ家の劔樹人さんが、書評を中心に読書・美術の文化系動画を投稿する文学YouTuberベルさんのチャンネルを紹介します。劒さんが特に気になった動画とはいったい……?
うなるほど見事な書評に知的好奇心は刺激されっぱなし!
皆さま、ご機嫌いかがですか?
劔樹人と申します。
マンガを描いたり、ミュージシャンをしたりの傍、家事育児をメインで担当する主夫として日々を送っています。
先日、某配信サイトで電子書籍が100冊まで70%オフの企画がやっていまして、これは気になっていた本を買っておかねばならないと思い、100冊フルで購入しました。
最近我が家は引っ越しがありまして、夫婦二人でそれなりに持っていた本を大量に処分したんですね。
これからはいよいよ、読書は電子書籍メインに切り替えていこうと思っていたので、とてもよいタイミングでした。
私は余裕がなくなると必然的に読書に使える時間もなくなり、少しのヒマはネットで時間つぶしをしてしまいがちなので、読書ができるくらいのゆとりある時間の使い方をしてゆきたいという思いもあっての100冊購入だったのですが、電子書籍ならネットを見る時間を読書に使えそうですよね。
そんなわけで、今の私は個人的に読書に対する意欲が上がっているわけですが、現代人の生活では、情報を得る行為の中心は無料のインターネットであり、「読書」に縁がなくなっている人は若者を中心にいよいよ増えていると聞きます。
そんな中、あえて読書をコンテンツとした、「文学YouTuberベル」さんのチャンネルを見つけました。
チャンネル開設からおよそ6年で、チャンネル登録者数も15万人近い人気YouTuberです。
一つの本の感想を数分にまとめた書評動画や、作家や専門家との本についての対談動画などが人気を博し、現在は書店とのコラボや、出版社の運営するチャンネルでMCを勤めたり、読書会を行ったりと活動の幅を広げています。
その中でも、彼女のチャンネルの中心は書評です。
例えば私も読んだ好きな本で言うと、ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を紹介した動画があります。
・話題の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を書評します!
「シンパシー」と「エンパシー」と言う、このノンフィクションの大きなテーマを最初に解説する導入から、時折自分の経験を重ね合わせることで視聴者にエンパシーを理解させる語り口、そして、自分の紹介する「読書」が、「エンパシー」にとってとても大事であることで締めくくるという……これが多くの人に本の魅力を伝える見事な書評だなとうなりました。
概要欄を見ると、丁寧にチャプター分けされた動画も見やすいですよね。
「読書」「書評」というジャンルに合わせ、考えられた作り方がされています。
引用や原典をあたる研究者的な読み方も魅力的
また、おすすめ本ランキング動画もとてもよかったです。
・2021年面白おすすめ本ランキング20!意外な結果に一同驚愕…
・2020年面白おすすめ本ランキング20!意外な1位に一同驚愕…!
「2021年」と言ってますが、別に2021年の新作だけを紹介しているわけではないんですよね。
賞を取ったり、映画化もされているような過去の話題作を取り上げていたり、本当に好きな本を好きに紹介しているんだなと思います。
もちろん、ランキングの中には単独の動画で紹介しているものもたくさんありますので、詳しい書評はそちらもご参考に。
しかしきっと、ベルさんのところにはめちゃくちゃ献本も届くんでしょうね……。
それでも、大人の事情でPRに走らない彼女の姿勢がこのランキング動画からも伝わります。
やっぱり評価されるのは、やりたいことをやっているYouTuberですからね……。
私が買った100冊にも含まれている本も、ベルさんに紹介されていました。
この本は「正義とは何か」を解説する哲学書ですが、動画の中では、引用されている哲学者の著書や、ベルさんが読んだ他の哲学書の話も出てきて、早速読むべき本が増えてゆく感じがしますね。
引用や原典をあたってゆくのは、単なる読書家というだけでなく、研究者的な読み方でもあるなあと思いました。
これから本を買うときは、ベルさんの動画を参考にするぞ!
いろいろ動画を見てきましたが、話題作なので名前は知っていてもまったく読もうとしてこなかった小説に興味が湧いたり、書店で見かけても何の興味も持たなかったような本が、急に気になったりすることが多かったです。
コメント欄を見ると、ベルさんをきっかけに本を好きになってる人が増えているんだなという印象も受けます。
YouTubeという場所で書評をするのは、結構ニッチなジャンルだったのではないかと思いますが、ベルさんはちゃんとどちらにも人を誘導しているからすごいですよ…。
しかし今回、個人的に一番思ったことはこれです。
ベルさんの動画を色々見てから、電子書籍100冊を選べばよかったんじゃないか!?
ぜひ、私のようなことにならぬよう、本の購入の参考には、ベルさんの動画で勉強していただくことをおすすめします。
いやー、本って素晴らしいですね(自分の100冊を義務のように重く感じ出しながら)。
マンガ・文:劔樹人
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