巷でウワサのIoTって何が便利なの? 浅草のIoTホテルに宿泊して体験してきた
IoT(アイ・オー・ティと読む)というものがある。近年よく聞くようになった言葉で「Internet of Things」の略だ。モノのインターネットという意味で、簡単に言えば、ありとあらゆるモノがインターネットに接続されるということ。
説明するとそういうことなのだろうけれど、正直「IoT」がなんなのか実態を掴めない。そこで「IoT」を体験して、今後の人生に生かそうと思う。浅草にIoTを駆使したホテルがあるらしいのだ。行こうではないか。
IoTは、我が家にはない
よく聞くけれど、知ってはいるけれど、自分には関係ないというものが多々存在する。東京オリンピックの問題でよく耳にする「レガシー*1」や、アメリカで流行り日本でも行われるようになっている「グランピング*2」などがそうだ。そして、「IoT」である。
- *1 直訳すると「遺産」「先人の遺物」という意味。東京オリンピックでは、オリンピック開催後も残る公共施設などのことを指す場合が多い。
- *2 グラマラス(glamorous)×キャンピング(camping)をかけ合わせた造語で、優雅に自然を満喫できる、超贅沢なキャンプのこと。
IoTという言葉を聞いたことはある。ただよくわからないのだ。今後、一般住宅でも普及するらしいけれど、何なのかよくわからないから、普及を心待ちにするということもない。だって、わからないんだもん。なんで「o」だけ小文字なんだ、みたいな感想しかもたない。
わからないものを、わからないままにしておくのはよくない。今後、さらに流行った時に、「俺は初期の頃からIoTには注目していた」と言いたい。時代を先取りするイケてるメンズになりたい。そのためにはIoTを学ばねばならないのだ。
IoTだらけのホテル
浅草に「&AND HOSTEL」というホテルがある。ここがIoTを体験できるホテルだそうだ。2017年4月にできたばかりのホテルで、ドミトリーと個室があり、共有スペースと個室でIoTを体験することができる。
受付のある共有部分も、なんやら手を動かすと絵が変わる装置や、机の天板全体がスピーカーになっている装置がある。これもIoTのひとつだそうだ。確かに未来に来ている気がする。これが家にあればモテると思う。今までは猫を見に来ない? と誘っていたのが、未来を見に来ない? と誘えるのだ。
ここまではジャブだ。IoTの本領はこの共有スペースではなく、部屋で堪能できるのだ。部屋の設備のほぼ全てをスマホで操作できるのだ。鍵を開けるところから、スマホだ。そのため、チェックインすると鍵の代わりにスマホを渡される。未来である。
IoTの便利さを可視化してみた!
部屋に入りカーテンを開けるとする。これもスマホでできてしまうのだ。いつもの感覚だとスマホを扱えば、スマホのなかで作業が完結する。現実世界に何かが起きるということはない。しかし、IoTでは、スマホを押せば、現実の現象が起きるのだ。
どのぐらい便利なのかを考える時、これを人がやったら、と考えると分かりやすい。IoTでカーテンを開けることが、どのくらい楽で素晴らしいのかわかるのだ。
圧迫感がすごい。スマホのボタンひとつで空いていたのに、IoTがないと目の前の知らない男がカーテンを開けるのだ。カーテンを開けてくれる、という意味ではIoTと一緒だけれど、圧迫感がすごい。私の目が死んでいるのがわかると思う。男が開けるのと、IoTのどちらがいいかと聞かれたら、IoTがいいに決まっているのだ。
テレビやエアコンは通常でもリモコンでつくかもしれない。しかし、IoTならばデバイスとモノをインターネットで接続しているので、ひとつのスマホで全ての操作ができてしまう。未来だ。便利だ。
では、IoTがなければ、と考えると上記のようになる。やっぱり圧迫感がすごい。ひと部屋にむさい男が私を含め2人。幸せの反対語がこの状況である。このような地獄を味わいたくないから私は一人部屋にしたのだ。それなのにこうなる。IoTの素晴らしさが分かると思う。
スマホで全てができるので、寝る時は枕もとで充電しておけばいい。眠気が来るまでスマホでネットの海をさまよい、眠くなれば電気を消す。その電気を消す、という作業もスマホでできる。さらにこのホテルでは、電気の色をスマホで変えることもできるのだ。
布団のなかで全てができる。スマホは小さいので便利だ。電気の紐を長くしたりしなくていいのだ。色も変えられるし。では、IoTがなかったらどうだろう。
スマホは枕もとでコンパクトに充電できるけれど、IoTがないと上記のような状態になる。人で例えると「充電=眠る」ということになるのだ。もはや二人で寝ているにことになる。求めていないのだ。
さらに、である。
私は何を求めているのだろう、ということになる。IoTがないと男が電気の色を変えることになるのだ。なんだか変な気持ちになってくる。ぐっすり眠りたいのに眠れない。ドキドキして眠れない。IoTがないと人はこのような状況になるのだ。
人に例えるとIoTの素晴らしさがよくわかった。これは普及するべきだ。さらに今回の場合はスマホに集約されているので、例えば、朝に目覚ましをかけると、エアコンがつき、テレビがつき、カーテンが開いて自然の光で目がさめる、ということもできる。IoT、すごいではないか。
IoTが欲しい!
よく分からなかったIoTを体験して、さらにIoTがない生活を考えてみると、IoTの素晴らしさがわかった。「&AND HOSTEL」は木を活かしたデザインのホテルなのだけれど、IoTがあるから未来のホテルのような感じがした。ドラえもんがいる未来とは違うけれど、こういう未来も悪くない。男の隣では特にそう感じた。
ライター
地主恵亮 (じぬしけいすけ)
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。無職でもリア充になれる方法を紹介した「インスタントリア充」(扶桑社)発売中です。ほかに「妄想彼女」(鉄人社)、「東京おのぼり観光」(アスペクト)もあります。
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