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インスタライブ(生配信)若者はどう使っているの?よくわからないので聞いてみた

こんにちは、Webライターの長橋です。

ここ最近、巷では「生配信」している人がけっこういるそうです。

生配信とは、Web上でおこなえる生放送のこと(かっこよく言うと「ライブストリーミング」らしい)。「ニコニコ生放送」や「ツイキャス(TwitCasting)」が有名ですが、近年はLINEやfacebook、InstagramなどのSNSにもその機能が追加されています。

芸能人に限らず、今の若者は、暇な時間もそうでない時間も、スマホで「生配信」を行ったり観たりすることが当たり前らしいのですが……

アラサーの僕には、よくわかりません。

アラサーの僕には、よくわかりません。

若者っぽい雰囲気をしているとよく言われますが、若者っぽい雰囲気を出すのが得意なだけです(今年29歳)。

なぜ若者は生配信をし、そして生配信を観るのでしょうか。

Webライターという仕事上、インターネット上に顔を出すことには抵抗が無い僕ですが、動画というフォーマットで生配信をするとなるとハードルが高く、たとえ生配信をするとしても何をしゃべっていいのかは全然見当が付かないし、そもそもどこに需要があるのかがわかりません。

アラサーの僕が思っていることなのだから、僕より年上の30代40代、ましては50代以上の方々はもっと意味がわからないことでしょう。

ということで今回は、「生配信」を実際によく行っている方々に集まってもらって、詳しいお話を聞いてみることにしました。

生配信って、一体なんなの?

お話を伺ったのは、普段からよく生配信をしているという皆さん。

生配信をしているという皆さん。全員20代前半の若者たち。今回はプライバシー保護のため、仮面を被っていただいています。顔出しで生配信してるのにね
早速なのですが、生配信って、なにが楽しいんですか?
生配信をしているという皆さん。
え?
え?
長橋さん、生配信をしたことが無いんですか?
すみません、生配信未経験者です。

都内の美容系の会社で働くA子さんは、InstagramのLIVE機能を使って生配信をよく行っているそう。「インスタのアカウントはプライベート用と犬用の2つを持っている」といいます。

あのー。「なんか若者が動画を使って変なことやってる……」的な感じで思ってます?
生配信をしているという皆さん。
いやいや! そんなことはありませんよ! 単純に、どんなときに生配信を使うのかが解らなくて……。

Web系の会社で働くB子さん。彼女もInstagramのLIVE機能を使っているそう。「インスタのアカウントはプライベート用と写真用、そしてカレー用の3つを持っている」とのこと。

どんな時って……。そんなのいつでも良いんですよ。
いつでも……?
生配信をしているという皆さん。いつでも生配信を使うという5人の若者。

生配信は、いつやったって良い。

いつでも良いと言っても、アラサーの僕にはその「いつでも」が「いつなのか」がわからないのですが……。
私の場合は、「今、こんなことをしていて楽しい」と思うときにやっています。要するに、「生」っていうのを重視したいんですよね。
生?
例えば友達と遊んでいるときに、「今、この子達と遊んでいるよ」と生配信を通して伝えられるじゃないですか。
えっとそれって、その伝えたい友達にLINEとかメールで伝えるっていうのじゃだめなんですか?
だから最近のアラサー男は……。
す、すみません。
長橋さん、よく考えてください。
え? はい?
仮に今、長橋さんに好きな女性がいるとします。その女性に直接LINEで、「今、こんなことをしているよ! 楽しいよ!」と連絡ができますか?
いや……。それは「頼まれていないのに自分語りをするおじさん」と思われてしまうので、そんな連絡はできないですね……。
そう、そうなんですよ! ただ、生配信だと……。
生配信をしているという皆さん。
意中の女性がたまたま「生配信」を観てくれる可能性があるんです。僕は以前、友人と飲み会を生配信したことがあって、その配信を観ていた気になる子が、実際に飲み会に来てくれたことがあります。
それはすごい。

都内の大学に通うC男さん。彼もまた前出の2人と同様、Instagramのライブ機能をよく使うそうだ。「インスタのアカウントはバンド用とプライベート用の2つを持っている」とのこと。なぜみんなプライベート用を持っているのだろうか。

マメに連絡を取ることの少ない同性の友達も、「生配信」をきっかけに連絡を取るようになることもありますからね。
生配信をしているという皆さん。

Instagramの生配信ではなく、ニコ生をメインに行うというD男さん。「ニコ生は遊び場。そこに行けば必ず友達がいる」と語ります

そうなんですよね。生配信はコミュニケーションの入り口と呼んでも良いかもしれません。
(コミュニケーションの入り口……?)
生配信をしているという皆さん。

モデル業をしているというD子さん。無口でおっとりしているが、仮面の下はびっくりするほど美人である

生配信は、友達とのコミニュケーションツールのひとつ

D男さんは、Instagramではなく、ニコ生をメインに使っているということでしたが。
はい。僕は5年前、暇だったこともありニコ生をはじめました。
本を読んだり、テレビを観ていても、暇つぶしができるのでは?
ハハッッ。長橋さんは分かってないですね。
(その顔で言われるとすごいムカつくな……)
先ほどの話にもありましたが、コミュニケーションをしながら暇つぶしがしたかったんですよ。
え?
ニコ生には、遊んでくれる友達を探しに行くんです。ゲームをやっていると、絶対に話があう人がくるので、友達ができるんです。僕の友達、ほとんどがニコ生でできていますから。
友達がほとんどニコ生でできたってすごいな……。
あ、それでいうと私、インスタグラマーの友達がいるんですけど。
え? インスタグラマーの友達?
はい。インスタグラマーの友達です。

※インスタグラマー…芸能人や読者モデルのような活動を主にInstagram上でおこなっている人たちのこと

生配信をしているという皆さん。
その子はフォロワーが1万人くらいいるんですけど、生配信をしても30人〜40人くらいしか観ている人がいないんですよ。
フォロワーに対して少ないですね。
はい。ってことは、一般人の子が生配信を頻繁にしても、そこまで需要はないのかなって思うんです。だから友達同士でコミュニケーションをするくらいの気軽さでやるくらいがちょうど良いのかもしれないなと。
ってことは、皆さんはフォロワーを伸ばしたいとかはないんですか?
私は……そんな気はないですね。別に有名人じゃないのはわかっているし、そこは興味がないんです。フォロワーを伸ばしても、友達に「あいつ調子乗ってるな」と思われそうだし……。
え、じゃあそれこそ生配信なんかしたら、友達に「調子乗ってるな」って思われるんじゃ……?
だから最近のアラサー男は……。
なんども言いますけど、生配信は、友達とのコミニュケーションツールのひとつなんです。例えばInstagramに写真をアップしてコメントが来ても、それは考えた言葉って感じがしますよね?
確かに、コメントをするときは、どういうコメントが良いのか考えたりしますね。
だけど生配信だと、配信者にチャットを送ってそれに応えるかたちで対話形式で喋っているので、人間ぽさを感じるんです。本当の意味でのコミュニケーションができるんですよ。
調子にのるとかのらないとか、そういう話じゃないですよね。
インスタ映えは作りものだけど、生配信は生きものですから。
(その言葉、かなり深い……)

恋人に怒られないの?

例えば僕の恋人が毎日インスタライブをやっていたらちょっと嫌なんですけど、皆さんは恋人や家族に怒られたりしないんですか?
えっと、なんで嫌なんですか?
「不特定多数の人にそんな話しかけて、オレと一緒にいても面白くないのかな?」って思う気がします。
長橋さん、恋人と友達を、同じベクトルで考えてはダメだと思いますよ。そこはみんな、ちゃんと分けてますから。
そう、なんですね……。すみません。
私も基本的に怒られたことはないですね。家族や恋人は応援してくれてますし……。それこそ、Instagramで生配信をしていたら、地元の家族からメッセージが来たこともあります。「東京で頑張ってるな!」って。
地元とのコミュニケーションにも使えるってことですね……。ちなみに、恋人と別れた後も、その元恋人が生配信をしていたら、生配信を観ますか?
別れ方にもよりますよね。
(たしかに……!)
生配信をしているという皆さん。
話は逸れますが、私の彼氏にちょっかいをかけている女がインスタグラマーで。
彼氏にちょっかいをかけている人がインスタグラマー?
はい、彼氏にちょっかいをかけている人がインスタグラマーです

その人は男がいるニオイを出すのが上手なんですけど、私の彼氏と一緒にいるところをたまに生配信で見せるんですよ。
おお…。
私はすかさず、「あ、私の彼氏の〇〇くんだ!」とコメントをし、「アンタが狙っている男は私の男だ」ということを生配信を通じてぶつけ、攻撃しています。彼氏にちょっかい出してくる女に先手を打てるので、今の時代は本当に便利だなあと思いますね。
怖い。です。

生配信ブーム、いつまで続くの?

この「生配信」ブームって、いつまで続くと思いますか?
だから最近のアラサー男は……。すぐ「若者のブーム」で終わらせようとする……。
いや、そんなことはないですよ! 興味があるだけです!
将来私たちの世代が歳を取った世の中を考えてみてください。多分、それが普通だから。ってことになると思うんです。
老若男女、みんな生配信をしているってことですか。
その頃には生配信という形ではないかもしれませんが、年齢層が上がっても、逆にする人が増え続けるから、40代50代でも、みんな生配信をしているかもしれないですよね。なので「若者は、若者は」って言っているアラサーくらいの人たちが、いちばん老害扱いされるかもしれませんよ。
すっげえこわいこと言ってる。
僕なんか生放送を始めたのは5年前ですけど、今はみんながやっているから、そのハードルが下がってきて、顔出しとか余裕で出来るようになってきましたからね。今後はもっとやる人が増えると思います。
でもまあ、やめなさいと言われたらやめますけどね。
え? そうなんですか?
そうですね。ちゃんと理由があって、生配信をするなと言われたらやめると思います。
これはあくまでも「趣味」ですからね。
本当、そうなんです。「インスタ映えとか馬鹿みたい」とか最近の大人は言いますけど、あれって別に本気でやってるわけじゃないですからね。あくまでみんな「趣味」の一部ですから。
そ、そうなんですね。
うそはうそであると見抜ける人でないと、生配信を使うのは難しいですから。
え? それはどういうことですか?
ごめんなさい、それっぽい締めの言葉を適当に言いました。
変な言葉で締めないで……

若者は別に本気でやっていない

生配信、聞いたときには「芸能人になりたいのかな」「テレビ番組をつくる感覚でやってるのかな?」と思いましたが、そういうわけではないようです。若者のみなさんのお話を聞いて、皆さんが考えている生配信についての考え方も変わったのではないでしょうか。意外に皆さん、本気で生配信に取り組んでおらず、あくまで「趣味」、そしてコミュニケーションツールとして使っていることが多いんだそう。

気になったアラサーや、それ以上のおじさんたち(お姉さま方も)! ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

おしまい。

取材・文 長橋諒(@nagahshiryo

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