NEC、世界最大級の日本語LLMを開発

LLMは生成AI（人工知能）の基盤となるシステムだ。米新興のオープンAIが開発した対話型AI「Chat（チャット）GPT」の基盤となる「GPT-4」をはじめとし、既存の生成AIの多くは英語を中心に学習している。あらゆる業界に業務に適応できる日本語のLLMはほとんどなかった。

日本語言語理解の評価システム「JGLUE」で同社LLMの性能を確認したところ、知識量で81.1%、文書理解で84.3%というスコアを記録した。同社によると「他のLLMと比較しても世界トップレベルの性能」だという。

軽量化を重ね、1枚のGPUを搭載したサーバーでも動作できるようにした。これにより、アプリがスムーズに動作するほか、電力消費やサーバーコストを抑えられる。

同社はすでに社内での利用を開始している。NEC Corporate EVP兼CTOの西原基夫氏は「文書作成や社内システム開発におけるソースコード作成業務など、様々な作業の効率化に応用している」と話した。今後3年間で約500億円の売上を目指す。

NECは生成AIの開発を迅速に進めるため、7月1日付けで特化の専門組織を立ち上げた。データサイエンティストやエンジニア、コンサルタントなど100名で構成される。リーダーの千葉雄樹さんは「顧客が便利に使うための機能を提供していくことが我々に求められること」だと意気込む。

7月からは｢NEC Generative AI Service｣というサービスを展開するといい、顧客のニーズに合わせてカスタマイズができる生成AIの開発を進めていくとしている。独自のLLMだけでなく、他社のサービスも合わせて提供する。

【関連リンク】

・NECが｢世界トップ級の日本語性能｣うたう国産LLMを開発。生成AI事業｢3年で売上500億円目指す｣（Buisiness Insider）
https://www.businessinsider.jp/post-272274

TEXT：PreBell編集部
PHOTO：iStock