NTTドコモら3社、生成AIの実証実験を開始
NTTドコモグループの3社は生成AI(人工知能)を活用した実証実験を開始した。独自開発した生成AIのプラットフォームを使い、社内の業務効率化を目指す。
参加したのはNTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアの3社。NTTドコモが開発した独自のプラットフォーム「LLM付加価値基盤」を使う。
実験の目的は大規模言語モデル(LLM)を活用した生成AIによるDX推進だ。大規模言語モデルとは膨大な量のデータを学習したAI基盤のことで、米新興オープンAIが提供する対話型AI「Chat(チャット)GPT」の基盤となった「GPT-4」に代表される。
LLMに業務のマニュアルを学習させ、プラットフォームと連携して社員の業務を支える。業務上生じた疑問などを打ち込むと、LLMがマニュアルをベースにした回答を表示する。回答文の最後には、参考にしたマニュアルのページ番号など、参照元が明記される。
また、質問を入力する際に、参照してほしいファイルを追加すれば、その内容を元に回答を作り出してくれる。その際も、ファイル内の参照元を表示する。
実験は8月21日に開始し、12月まで続ける。回答の正確性や情報の安全性などを確認し、顧客対応にも利用したい考えだ。2023年度中にはプラットフォームの社外提供を目指す。
同プラットフォームは米マイクロソフトが提供する生成AIサービス「Azure OpenAI Service」と連携して利用できる。今後はNTT研究所が独自に開発するLLMなど、多様なLLMと連携できるよう、機能を拡張する見込みだ。
AI特有の「もっともらしいウソ」を防ぐ機能を搭載
世界的に生成 AIの開発競争が活発化する一方で、機密情報保護や情報の信頼性に関する懸念は根深い。特に企業が利用する上で、情報漏洩や不正確な情報の提示は御法度だ。
生成AIの特徴の一つにハルシネーションがある。これは事実とは異なる内容をもっともらしく表示してしまう現象のことだ。正しいかどうかを人間が判断することが難しいため、業務での利用をためらう企業は多い。
NTTドコモは情報の安全性を担保するため、回答の参照元表示機能や外部流出を防ぐフィルタリング機能を備えた。
【関連リンク】
・NTTドコモ、生成AIで業務効率化 社内で実験(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC229ZL0S3A820C2000000/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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