子供の通学路の安全性、ビッグデータで可視化
横浜市は通学路の安全対策に取り組んでいる。「通学路における子どもの交通事故ゼロ」を目標として掲げ、2023年度からビッグデータを活用して安全性を可視化する事業を開始した。
米Googleが提供する地図サイト「Googleマップ」を活用し、「こども・交通事故データマップ」を作成した。市民に公開され、誰でも閲覧できる。スマートフォンからもアクセス可能だ。
マップ上では、2017年から2021年までに小中学生の交通事故が発生した場所を赤いピンで示した。事故に遭ったのが小学生の場合には「小」、中学生の場合には「中」とピンに表示される。ピンを選択すれば、交通事故が発生した時期や時間帯、天候、状況などが詳しく表示される。
マップに登録されている交通事故データは2500件を超える。神奈川県警がデータを提供した。市民は自宅付近をマップに表示し、事故の概要を調べることで、どのような危険があるかを前もって把握できる。公開から約3ヶ月間で35万回以上の利用があったという。
交通事故リスクが高い場所を炙り出す
横浜市は他にも、交通事故を未然に防ぐための取り組みを進める。
通信機能を持つ「自動料金収受システム(ETC)2.0」と過去の交通事故発生場所を組み合わせ、事故リスクが高い場所を見つけ出すことを試みている。
この手法により、人と車がぶつかる交通事故が複数回発生している場所や、車の速度が速い道路などを把握できる。事故リスクが高い場所には、「ハンプ」と呼ばれる段差を整備して車の減速を促したり、「対向車注意」などの標識を置いたりして集中的な安全対策をする。
市内4校を交通安全推進校に選び、児童への交通安全教育や地域・保護者と連携した見守り活動をモデル的に実施する。NHKによると、同市の山中市長は「データを活用することで、潜在的な危険箇所が見える化され、事故が起きる前の対策が可能になる」と強調した。
【関連リンク】
・ビッグデータ活用で通学路の安全対策へ 横浜(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20230708/1050019569.html
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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