子供のバス置き去り事故を防ぐ技術開発
三菱重工グループ子会社の三菱重工機械システム(MHI-MS、兵庫県神戸市)は7月7日、送迎用バス内などでの園児の置き去りを検知するシステム「Mikke(みっけ)」の提供を開始する。送迎バスを保有する各園やバス製造メーカー、自動車整備企業からの注文を7月から受け付ける。
「Mikke」は、チェック方法に合わせて2種類から選べる。1つは運転手に車内の確認を促す「降車時確認式」だ。エンジン停止後に「車内を点検してください」というアナウンスが流れ、運転手は目視確認後に車内後部に設置されたアナウンス停止ボタンを押す必要がある。ボタンが押されないと、車外への音声アナウンスやスマートフォンの通知で知らせる。
もう1つは「併用式」。音声アナウンスに加え、レーダーセンサーでの自動検知を行う。従来はカメラを使用して検知することが多かったが、レーダーはより検知範囲が広く、障害物に隠れた子どもを見落としにくい。置き去りを確認したら、音声警報を鳴らして外部に知らせる。
近年、保育園や認定こども園、幼稚園などが運営する送迎バスで、置き去りにされた子どもの死亡事故が相次いでいることを受けて開発したという。
2022年には、静岡県のこども園で3歳の園児が送迎バスに取り残され、熱中症で死亡している。2021年にも福岡県で同様の事故が起こっていた。
こうした事件に対応するため、国土交通省は「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドライン」を作成。2023年4月から、送迎バスに安全装置を設置するよう義務付けた。
「Mikke」は同ガイドラインに沿って開発されており、補助金の対象となる。開発元のMHI-MSは「置き去り事故発生のリスクを低減するとともに安心・安全な社会生活の実現に貢献する」としている。
【関連リンク】
・MHI-MS、園児のバス置き去り事故を防止する検知システムの開発を完了(マイナビニュース)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20230711-2725141/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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